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2024.12.09
低用量ピルには、避妊効果に加えて生理周期の安定化や生理痛の軽減など、さまざまな効果が期待できます。ただし、適切に飲まなければ効果が現れませんので注意が必要です。本記事では、低用量ピルの正しい飲み方から注意点、休薬期間などについて詳しく解説します。
目次
低用量ピルは、正しいタイミングと方法で服用することが大切です。服用開始時期や正しい飲み方について、詳しく見ていきましょう。
低用量ピルは、生理開始から5日目までに服用を始めます。生理開始日から開始することが一般的です。
また、イギリス産科婦人科学会のガイドラインやWHOの指針によると、月経5日目までの服用開始であれば追加の避妊手段は必要ありませんが、5日目以降に開始する場合は、コンドームの併用や7日間の性交渉を避けることが推奨されています(参考1,2)。
ピルには「21日型」と「28日型」があり、使用方法が異なります。
21日型は3週間服用した後、7日間の休薬期間を設けて次のシートに移行します。
一方、28日型は、21日分の実薬に続き7日間のプラセボ(効果のない薬)を服用することで休薬期間中も毎日ピルを飲み続けるようになっており、飲み忘れ防止のための工夫がされています。
いずれのタイプでも、休薬期間またはプラセボ服用中に消退出血(月経様の出血)が起こります。また、最初の月経周期では避妊効果が十分でない場合もあるため、性交渉をする際はコンドームなどを用いることを指導されます。
低用量ピルの服用のタイミングや服用期間を工夫することで、生理が始まる時期を調整できます。
生理を早めたい場合は、生理が始まった時点で低用量ピルの服用を開始します。ピルは少なくとも10日以上飲み続け、生理が開始してもよい日の2~3日前に休止しましょう。休止から2~3日後に消退出血(通常の生理よりも軽い出血)がみられます。次回の生理は普段どおりの周期で始まります。
生理を予定日より遅らせる場合、低用量ピルではなく中容量ピルを使うとよいでしょう。ただし、普段から低用量ピルを服用している場合は、服用期間中は生理が開始しない仕組みを利用して、該当の日まで飲み続けると、実質的に生理の開始を遅らせることができます。
服用をやめてから2~3日後に消退出血が始まります。
低用量ピルを服用する際は、副作用や飲み忘れたときの対応方法について理解しておくことが大切です。低用量ピルの服用中の注意点について、詳しく見ていきましょう。
低用量ピルの服用に伴う副作用として、まず吐き気が挙げられます。服用開始から1〜3ヶ月の間に体がホルモンに適応する過程で吐き気を感じることがありますが、体内のホルモンバランスが整うと通常は改善します。頭痛やめまいも一般的で、軽い偏頭痛やめまいが起こる場合がありますが、強い頭痛が続く場合は医師への相談が必要です。
また、ホルモンバランスの変化により気分の落ち込みやイライラといった感情の変動が生じることがありますが、服用を続けることで安定しやすくなります。不正出血もよく見られ、服用開始後の約20%の人に起こりますが、珍しいことではありません。ただし、3ヶ月以上続く場合は医師の診察を受けましょう。
血栓のリスクもあり、特に喫煙や高血圧など他のリスク要因がある場合には服用の際は注意が必要です。服用していない場合に比べてリスクが増加するものの、妊娠中や産後12週間に比べるとリスクは低いとされています。
低用量ピルの副作用について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。低用量ピルの副作用について、詳しく解説します。
用量ピルの服用を忘れたときの対応方法は、状況によって異なります。
1錠の飲み忘れに気づいた場合は、飲み忘れた錠剤を早めに服用し、次の錠剤は通常通りの時間に服用します。
2錠以上飲み忘れた場合は、直近の飲み忘れた分を早めに服用し、その後は残りの錠剤を予定通り服用すると共に、7日以上連続してピルを服用するまで避妊用のコンドームを使うか性交渉を控えるようにします。
7日以上連続で服用した場合、その周期に正常な排卵は起こらず、生理周期の2~3週における飲み忘れによって避妊効果が失われないとされています。
ただし、シートの初めまたは終わりに服用を忘れた結果、休薬期間が7日を超えると、排卵する可能性が高まります。
低用量ピルを意図的に休薬した場合、いつから避妊効果が失われるのか、いつから月経が始まるのかなどについて詳しく見ていきましょう。
低用量ピルの休薬期間後の避妊効果は、服用終了から3ヶ月以内に約90%の確率で排卵が再開することがわかっています(参考3)。服用を中止すると、排卵の回復や月経の再開について、製剤の種類や個人差によって若干のばらつきがあるものの、概ね3ヶ月以内には排卵機能が戻ると報告されています。
低用量ピルの休薬から月経開始までの期間には個人差があります。前述したとおり、服用をやめてから3ヶ月以内に約90%の方が排卵を再開します。排卵が再開すると月経が再開するため、多くは服用をやめてから3ヶ月以内に月経が開始するでしょう。
低用量ピルの休薬から3ヶ月が経過しても生理が再開しない場合、ホルモンバランスに何らかの問題が起きている可能性があります。気になる場合は医師に相談しましょう。
低用量ピルは、種類によって特徴が異なります。低用量ピルの効果と種類について、詳しく見ていきましょう。
低用量ピルには、次の効果が期待できます。
・月経前症候群(PMS)の症状軽減・避妊効果・ニキビなどの肌荒れの改善
低用量ピルの効果について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。低用量ピルの効果について、詳しく解説します。
低用量ピルには、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモン成分が含まれています。プロゲステロンの種類により、低用量ピルは「第一世代」から「第四世代」までに分類されており、それぞれに特徴があります。
詳しくは、こちらの記事でもご紹介していますのでご覧ください。低用量ピルの種類について、詳しく解説します。
低用量ピルは、正しく服用してこそ効果を発揮する薬剤です。飲み忘れた際も適切に対応することで、効果が現れない事態を防ぐことができます。まずは医師に相談し、ご自身に適した低用量ピルを処方してもらいましょう。
低用量ピルをオンライン診療で相談する
(参考1)Faculty of Sexual & Reproductive Healthcare.: Clinical Guidance – Combined Hormonal Contraception. (Guideline)(参考2)Selected Practice Recommendation for Contraceptive Use – Second Edition. (Guideline)(参考3)公益財団法人日本産科婦人科学会「低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案) 」J-STAGE「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」岡山医学界雑誌
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