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低用量ピルの種類について医師が詳しく解説します!

2023.07.05

低用量ピルの種類について医師が詳しく解説します!

ピルにはいくつかの種類があります。具体的には、超低用量ピル、低用量ピル、中用量ピル、アフターピルなどがあります。これらのピルは、ホルモンの配合量によって効果や特徴が異なります。今回は、特に生理不順や生理痛の緩和に効果があると知られている低用量ピルの種類とその特徴について、医師が詳しく解説します!

目次

低用量ピルとは

低用量ピルは、女性の避妊や月経トラブルの治療に使用される経口避妊薬の一種です。他のピルよりも少ないホルモン量で作られています。そのため副作用が少ない特徴があります。さらに、脳が排卵の指令を出さなくなり、ホルモンの増減の波がなくなるため、むくみや便秘、肌荒れなどの原因となるプロゲステロンも上がらなくなります。これにより、月経前症候群(PMS)の症状や肌荒れなどを抑える効果があります。卵巣で作られるホルモン『卵胞ホルモン(エストロゲン)』と『黄体ホルモン(プロゲステロン)』の2つが主成分です。定期的な内服が効果を発揮します。したがって、正確な内服が必要です。

低用量ピルの効果


低用量ピルの主な効果は以下の通りです。

避妊効果

正しく内服することで高い避妊率を持ちます。ですが、100%の確実性はありません。そのため他の避妊方法と併用することが推奨されます。

月経トラブルの治療

生理不順、月経痛、月経困難症、多量出血などを改善する効果があります。

子宮内膜の疾患の予防

ピルを服用することによって排卵を抑制し、妊娠している状態に近くなります。したがって子宮内膜症の症状を軽減・予防にもなります。

低用量ピルを使用する際には、医師の指示に従い正しく服用することが重要です。副作用として、体重変化、乳房の敏感さ、吐き気、頭痛、不正出血などが現れることがあります。しかしながら、多くの場合これらは軽度で一時的なものです。総じて低用量ピルは避妊や月経トラブルの管理において効果的な方法として広く利用されています。ですが、個人の体質や健康状態によっては適さない場合もあります。そのため選択する際には医師との十分な相談が必要です。

低用量ピルに関する論文は複数あります。気になる方はチェックしてみてください。
論文:ドロスピレノンを含む複合経口避妊薬とプラセボまたは別の複合経口避妊薬を比較するすべてのランダム化比較試験

低用量ピルの種類と成分

たくさん種類がある低用量ピルの画像

低用量ピルは、使用されている黄体ホルモン別に大きく以下の4種類に分けられます。

低用量ピルの種類

第一世代ピル(ノルエチステロン)

シンフェーズ
・ルナベルULD
フリウェルLD

第二世代ピル(レボノルゲストレル)

・トリキュラー
・ラベルフィーユ
・ジェミーナ

第三世代ピル(デソゲストレル)

・マーベロン
・ファボワール

第四世代ピル(ドロスピレノン)

ヤーズ
ヤーズフレックス

低用量ピルの成分


これらの種類の低用量ピルにはエストロゲンとプロゲステロンの両方が含まれています。一般的なエストロゲンはエチニルエストラジオールで、プロゲステロンの種類にはレボノルゲストレル、ノルエチンドロン、ネギャティブスピロノラクトンなどがあります。このプロゲステロンの種類によって低用量ピルは4世代に(4種類)に分けられています。


医師と相談した上で、自分に合った種類の低用量ピルを選ぶことが大切です。低用量ピルは避妊だけでなく、生理不順や生理痛の軽減、乳癌や卵巣がんのリスク低減にも効果がある場合があります。また、自分の体調や健康状態に合わせてピルを選ぶことで、より効果的にトラブルを軽減できます。そのため、医師との相談を通じて最適な選択をしてください。

低用量ピルの選び方

低用量ピルはそれぞれに特徴があります。そのため目的に応じた種類を選ぶことが重要です。

避妊が目的の方

・トリキュラー

・マーベロン

・ラベルフィーユ

これらの低用量ピルはエストロゲンの配合量が比較的少ないです。そのため副作用が少なく、日常生活に支障が出る可能性は低いです。さらに、性欲減退などの副作用があまり起こりにくい特徴があります。そのため性生活への影響も少ないと考えられます。

肌荒れ・ニキビ改善が目的の方

・マーベロン

・ファボワール

これらの低用量ピルには男性ホルモンの抑制効果があるとされています。それによりニキビ改善だけでなく、多毛の改善にも期待が持てます。

生理周期のコントロールが目的の方

・マーベロン

マーベロンは連続服用することもできます。そのため長期間生理を止めることも可能です。

PMS改善が目的の方

・ヤーズ

ヤーズフレックス

黄体ホルモンと卵胞ホルモンの作用により、卵胞の成長が抑制されます。そのため排卵が抑えられます。この効果により、女性ホルモンが安定し、PMS(月経前症候群)の改善が期待できます。 PMSは、月経開始の3〜10日前に身体的・精神的に現れる不快な症状のことを指します。

低用量ピルの副作用

低用量ピルを内服する女性の画像

低用量ピルは、避妊目的や生理不順の治療に広く使用されている合成ホルモン薬です。一般的には安全で効果的なお薬として知られています。しかし、わずかながら副作用も存在します。そのため体に合ったピルを服用することが大切です。以下に低用量ピルの主な副作用をまとめます。

・吐き気と嘔吐

低用量ピルを初めて服用すると、一部の人は初期の段階で吐き気を感じることがあります。これは通常、体が薬に適応するまでの一時的な反応です。場合によっては、軽食を摂ることや就寝前に服用することで症状を緩和することができます。

・乳房の敏感度や腫れ

低用量ピルの使用により、乳房の敏感度や腫れを感じることがあります。これらの症状は一時的であり、通常は数か月以内に改善されます。したがって安心して服用いただけます。しかし、持続する場合は医師に相談してください。

・不規則な出血

低用量ピルの初期使用時に、不規則な出血が起こることがあります。これは通常、体がホルモンの変化に適応する過程で起こる一時的な現象です。そのため通常、数か月で出血パターンが安定します。しかし、持続する場合は医師に相談する必要があります。

・頭痛やめまい

低用量ピルの使用により、頭痛やめまいを感じることがあります。これは副作用として現れることがありますが、通常は軽度で一時的なものです。ですが、症状が重篤で持続する場合は、医師に相談してください。

・気分の変化

一部の人は低用量ピルの使用により、気分の変化や情緒的な影響を感じることがあります。これらの症状は一時的であり、通常は体が薬に適応するまでの一時的な反応です。しかし、深刻な気分の変化が持続する場合は医師に相談する必要があります。

・体重変化

低用量ピルの使用により、一部の人は体重の変化を経験することがあります。これは個人によって異なり、ピル自体が直接的に原因となることは少ないです。しかし、食欲や体の水分バランスに影響を及ぼす可能性があります。

これらの副作用は通常軽度です。そのため多くの女性には問題がありません。また、副作用が気になる場合でも服用を続けることで症状が治ることがほとんどですが、お薬を変えることで改善する場合もあります。もし現在服用しているピルに悩みや不安がある場合は、一度医師に相談してみることをおすすめします。しかし、副作用症状が重篤な場合は、医師に相談して適切な対応を取ることが重要です。また、低用量ピルは避妊だけでなく、生理不順や生理痛の軽減、乳癌や卵巣がんのリスク低減にも効果がある場合があります。そのため生理や避妊に関して悩んでいる場合は、一度ピルの服用を検討してみることも一つの選択肢として考えてみてください。

低用量ピルの内服方法

服用後の低用量ピルの画像

低用量ピルは、毎日ほぼ同じ時間に1錠ずつ摂取します毎日同じ時間帯に服用することが重要です。
朝食後、朝の歯磨き後、昼食後、就寝前など、日常生活の行動と結びつける習慣を身につけると、忘れることなく定時に飲むことができます。このように生活リズムに合わせた固定の時間帯を選ぶと飲み忘れのリスクが少なくなります。

Day1スタートピル

生理初日から飲み始める方法です。
月経初日(生理が始まってから24時間以内)に1錠目の内服を始めます。もし月経初日から始めることができない場合でも、生理5日目までに服用を始めれば避妊効果を保つことができるとされています。しかし、7日間連続で服用するまではしっかりと避妊をしてください。

Sunday(サンデー)スタート

生理が始まった後の最初の日曜日に1錠目を服用する方法です。したがって月曜日から土曜日に生理が始まった場合は次の日曜日に服用を始め、日曜日に生理が始まった場合はその日から服用を始めます。サンデースタートでは、週末に消退出血(生理に似た出血)が起こらないため、週末を楽しみたい方におすすめの方法です。ただし、生理初日から遅れて内服を始めるため、7日連続で服用するまでは確実に避妊することをおすすめします。


大切なのは「飲み忘れない」ことです。そのためには、ピルの服用を癖にすることが重要です。例えば、飲んだ後にカレンダーに記入したり、携帯電話のアラームに登録したりするなど、さまざまな工夫をしてみると良いでしょう。このように、正確な飲み方を心がけることで低用量ピルの効果を高め、安心して避妊や月経トラブルの治療に取り組むことができます。

デジタルクリニックで扱っている3つの低用量ピル

デジタルクリニックでは、以下の3つの低用量ピルを取り扱っています。

・トリキュラー

トリキュラー_医薬品の画像
トリキュラー

黄体ホルモン「レボノルゲストレル」を配合した第二世代の経口避妊薬です。不正出血が起こりにくい特徴があります。
3つの異なるホルモン配合量を持つ薬が含まれる3相性として知られており、第一世代よりも副作用が軽減されています。また、ホルモンの配合量は3段階に分かれているため、より自然なホルモンバランスに近く、より高い避妊効果が期待できます。また、PMS(月経前症候群)の改善にも効果があります。なお、副作用が軽減されているものの、頭痛や悪心、吐き気、血栓症などの症状が見られる場合があります。

・マーベロン

マーベロン_医薬品の写真
マーベロン

黄体ホルモン「デソゲストレル」を配合した第三世代の経口避妊薬です。避妊の効き目をキープしたまま、男性化の症状や副作用を抑えるお薬です。そのためにきびや多毛症の改善に効果が期待できます。
また、エストロゲンの配合量が少なく、胸の張りや頭痛などの副作用が起こりにくいと言われています。
1錠に含まれているホルモン量がすべて同じため、飲み間違いを防ぐことができます。

・ヤーズフレックス

ヤーズフレックス_医薬品の写真
ヤーズフレックス

卵胞ホルモンと黄体ホルモンを配合した超低用量ピルです。国内初の連続服用可能な低用量ホルモン配合薬です。2つのホルモン成分が排卵を抑制し、子宮内膜の過剰な成長と痛みを防ぎます。子宮内膜症や月経困難症の症状緩和に効果があります。
ただし、避妊効果は期待できないため注意しましょう。

まとめ

笑っている医者の画像

ピルは使用目的に応じて適切な処方を受けることが重要です。まず、ピルの種類や違いを理解し、自分に合った低用量ピルを選ぶために医師と十分な相談をしましょう。ピルは個人によって異なる効果や副作用をもたらします。そのため選択する際には個別の症状やライフスタイルを考慮した処方が必要です。当院では、個々の症状やライフスタイルに合わせたピルを提案し処方しています。ご希望の方は、お気軽にご相談ください。あなたに最適な避妊方法や月経トラブルの治療をサポートします。

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公開日:2023年7月5日 最終更新日:2023年7月5日
作成:デジタルクリニックグループ医師