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低用量ピルの効果について医師が解説します

2024.01.24

低用量ピルの効果について医師が解説します

生理によるつらい悩みを改善するために、低用量ピルを始めたいという方の中には、その効果が気になる方も多いのではないでしょうか?
医薬品を服用する際には効果を正しく理解することが大切です。
現役の医師が低用量ピルの効果を丁寧に解説します!

低用量ピルの効果とは

月経前症候群(PMS)の軽減

月経前症候群(PMS)は排卵から月経までの間に卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が急激に低下する期間があり、これにより自律神経のバランスに影響を与え、月経前症候群(PMS)が発生します。

低用量ピルの内服により体内のホルモンの急な増減がなくなり安定するため、月経前症候群(PMS)の症状が緩和されると考えられています。

月経前症候群(PMS)の主な症状

生理開始の3〜10日ほど前から生じる心身のさまざまな症状のことで、月経のある女性の70〜80%が何らかの症状を感じていて、そのうち生活に支障が出るほどのPMSの頻度は5%ほどと報告されています。とくに若い女性ほどPMSの頻度は高いといわれています。

月経前症候群(PMS)の心の状態

  • 気分の落ち込み
  • 抑えられないイライラ
  • 不安
  • 外に出たくなくなる
  • 泣きたくなる

月経前症候群(PMS)の身体の状態

  • 疲労感
  • 胸やおなかの張り
  • 頭痛
  • 関節痛、筋肉痛
  • 手足のむくみ
  • 眠気
  • 食欲増進

月経前症候群(PMS)が生じる原因ははっきりと解明されたわけではありませんが、女性ホルモン分泌量の変動が大きな要因と考えられています。

生理痛の軽減

低用量ピルの服用により、子宮内膜の増殖を抑える作用があるため、子宮の収縮運動を抑えることで生理痛が軽減します。

99.7%の避妊効果

脳下垂体から黄体形成ホルモン(プロゲステロン)や卵胞刺激ホルモン(エストロゲン)などのホルモンが分泌され、卵巣に働きかけて卵子を成熟させ排卵を促す命令が出て毎月排卵が起こります。

一方、卵巣からは、黄体ホルモン(プロゲステロン)や卵胞ホルモン(エストロゲン)などの女性ホルモンが分泌されます。

これらのホルモンには、子宮頚管粘液の量や粘度を調整して精子の子宮内への通過性を変えたり、子宮内膜を分厚くし受精卵を受け入れるはたらきがあります。

低用量ピルには黄体ホルモンや卵胞ホルモンといった女性ホルモンが含まれているので、低用量ピルを飲むと、脳下垂体から卵巣への命令がストップして排卵が抑制されます。

また、低用量ピルに含まれている女性ホルモンは通常の女性の卵巣で作られるものよりも量が少ないため、子宮内膜が着床にむけて分厚くなることができず、また子宮頚管粘液も精子が子宮内に入りづらい状態となります。

低用量ピルで性感染症は予防できるのか?

低用量ピルには避妊の効果がありますが、性感染症の予防については全く効果がありません。

性感染症の予防については、性的接触時にコンドームを正しく使うことが有効です。
東京都保健医療局の感染経路・予防を確認し、正しいコンドームの使い方を確認しましょう。
東京都性感染症ナビ

生理周期の安定化

低用量ピルにより、体内で生成分泌される女性ホルモンのバランスを制御できるため、生理周期を改善することができます。

また、使用方法により生理期間を調整し、生理を遅らせたり早めたりすることもできます。

貧血の改善

低用量ピルには月経量を減らす効果があります。月経量が減れば失われるヘモグロビンの量が減りますから、結果的に血中ヘモグロビン総量が増え、貧血が改善されます。

ニキビなどの肌荒れの改善

脂質由来である女性ホルモンは皮膚の状態にも大きく影響します。特に生理周期の後半で多く分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)は、皮脂の分泌を促し皮脂腺を詰まらせてしまう原因となります。

黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌される生理前にニキビが悪くなる人が多いのはこうした理由によります。

低用量ピルにより体内で生成される黄体ホルモン(プロゲステロン)が減り、皮脂の過剰分泌を防ぎ、ニキビを予防する効果があります。

卵巣がんや子宮体がんのリスク減少

卵巣が傷つくことにより卵巣がんが誘発されると考えられています。
低用量ピルの服用により排卵回数が減るため卵巣がんの発症リスクが下がるとされています。

また、子宮体がんは子宮内膜が厚くなってしまうのが原因で、子宮内膜症から子宮体がんに進展するとされています。
低用量ピルには子宮内膜を非常に薄く保つ働きがあるので、子宮体がんの発症リスクが下がるといわれています。

低用量ピルの副作用

低用量ピルは飲み始めてから1-2カ月ほどの「からだがまだ低用量ピルに慣れていない時期」に出やすいとされています。初めて服用する方の約40%程は経験するとされています。
低用量ピルの副作用の詳細はこちらをご確認ください。

低用量ピルを飲むと妊娠しにくくなくなるって本当?

低用量ピルの服用が不妊に関係することはありません。

ピルにより排卵を抑えることで卵巣の傷つく回数を減らすことができ、子宮内膜症の予防や治療につながります。したがって不妊のリスクの軽減にもなります。

妊娠を望む場合

低用量ピルの服用を止めてから、3カ月以内に妊娠するケースが多いです。

低用量ピルは内服を中止後に、生理、いわゆる消退出血を確認すればそこからは通常のサイクルと同様になり、妊娠が可能となります。

ただし、これには個人差があるため、「早ければ3か月以内、遅ければ1年以内」と考えておきましょう。

低用量ピルの種類

低用量ピルの種類には様々なものがあり、種類によりそれぞれ効果の特徴がありますので、自身にあったものを服用しましょう。低用量ピルの種類について詳しくはこちらを確認してみましょう。

まとめ

低用量ピルの服用にはさまざまな効果があり、女性の悩みが改善され、つらい症状が緩和されます。

服用に悩んでいる方は医師に相談することをおすすめします。

低用量ピルの服用でお悩みの方へ

低用量ピルの服用に関して不安がある方は、24時間365日どこでも相談可能な、オンライン診療を利用してみましょう。当院デジタルクリニックグループも、オンライン診療を受け付けています。お気軽にご相談ください。

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作成:デジタルクリニックグループ医師