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ラメルテオン(ロゼレム)の副作用 | 副作用の対処方法や効果を解説

ラメルテオンは、他の一般的な睡眠薬とは異なり、自然な睡眠のリズムをサポートする作用機序を持つ安全性の高い薬とされています。
しかし、副作用や服用時に注意すべきこともありますので、服用を検討する際にはご自身の体質や生活習慣などに合っているか確認が必要となります。

この記事ではラメルテオンの副作用について詳しく解説します。

ラメルテオン(ロゼレム)の基礎知識

ラメルテオン(ロゼレム)の基礎知識、主に効果や服用方法についてご説明します。
服用を検討する中で、ラメルテオンの睡眠薬の中での位置づけも確認しておくことが大切です。

ラメルテオン(ロゼレム)の特徴

ラメルテオンはメラトニン受容体作動薬と呼ばれる睡眠薬です。

メラトニンは私たちの体において、夜と昼のリズムを調節しています。
暗い環境になると、松果体からメラトニンが分泌されて寝つきを助けますが、明るい環境になると
メラトニン分泌は低下し、体は目覚めようとします。

年齢が上がるにつれて、メラトニンは減少していく傾向にあります。(参考4)

ラメルテオンはこのメラトニンと同じような働きをして、メラトニン受容体に作用するため入眠効果が期待できます。

ラメルテオン(ロゼレム)の効果

ラメルテオンには 入眠するまでの時間が短くなり、総睡眠時間が長くなるという効果があります。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬でみられるような記憶障害、運動障害、依存性が認められない薬剤になるので、長期に服用しても安全と言われています。

加齢とともにメラトニン分泌は減少していくので、高齢になるほど不眠の症状が出やすくなります。
比較的安全といわれるラメルテオンは高齢者の睡眠障害に使いやすい薬といえるでしょう。(参考5)

ラメルテオン(ロゼレム)の服用方法

ラメルテオンの用法・用量は1回8mgを就寝前に経口投与します。
食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度が低下することがあるので、食事と同時又は食直後の服用は避けてください。(参考6)

ラメルテオン(ロゼレム)の睡眠薬の中での位置づけ

睡眠薬には特徴によって大きく2つに分類されます

  • 脳の機能を低下させる睡眠薬(ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン)
  • 自然な眠気を強くする睡眠薬(メラトニン受容体作動薬・オレキシン受容体拮抗薬)

ラメルテオンは自然な眠気を強くする睡眠薬になります。
睡眠・覚醒の周期に関係する生理的な物質(メラトニン)の働きを調整し、睡眠を促す作用があります。
本来の自然な眠気を強める作用となるので、効果が人により異なります。

ラメルテオン以外の睡眠薬についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ご参考になさってください。
睡眠薬の種類を徹底比較 特徴や市販薬との違いも解説」

ラメルテオン(ロゼレム)の代表的な副作用

ラメルテオンは、脳の中央部分にある松果体(しょうかたい)から放出されるホルモン「メラトニン」の受容体に結合して、効果を発揮する睡眠薬です。(参考1)
比較的安全性が高いとされている医薬品ですが、ここでは副作用について細かく確認しましょう。

ラメルテオン(ロゼレム)の重大な副作用

ラメルテオンは他の睡眠薬に比べて安全性が高いとされていますが、副作用もあります。

主な副作用は下記となります。

  • 傾眠(3.4%)
  • 頭痛(1.0%)
  • 倦怠感(0.5%)
  • 浮動性めまい(0.5%) (参考2)

ラメルテオン(ロゼレム)の禁忌

ラメルテオンは、おもにCYP1A2という肝臓の酵素で代謝されて分解されていきます。
このためCYP1A2の働きに関係する医薬品には、併用に注意が必要です。

併用禁忌

・ロゼレムと併用が禁止されている医薬品として、抗うつ剤のフルボキサミンマレイン酸塩があります。
併用することでラメルテオンの作用が強くなる可能性があります。
抗うつ剤と睡眠薬が併用されることは多いので注意が必要です。 

併用注意

  • CYP1A2阻害:抗菌薬(ニューキノロン系)
  • CYP2C9阻害:抗真菌薬(フルコナゾールなど)
  • CYP3A4阻害:抗菌薬(マクロライド系)抗真菌薬(ケトコナゾールなど)
  • CYP3A4誘導:抗結核薬(リファンピシンなど)(参考3)

    上記の医薬品と併用することで作用が強まる可能性があるので注意が必要となります。

ラメルテオン(ロゼレム)服用による副作用の対処方法

眠気はラメルテオンの中で最も多い副作用になります。
ラメルテオンは作用時間が短く、薬の成分は比較的早くに身体から抜けていきます。しかしながら、効果にも個人差があります。
ラメルテオンが効きすぎてしまって、眠気が朝まで残ってしまう方も少なくありません。

ラメルテオンで眠気が認められた場合の対処法は以下の通りです。

  • 薬の量を減らす(8mg→4mg)
  • 服用時間を早める
  • 他の睡眠薬に変える

また、ラメルテオン血管に対する作用が認められており、頭痛も副作用として確認されています。
ラメルテオンで頭痛が認められた場合の対処法は、下記2つを試してみるとよいでしょう。

  • 慣れるまで様子を見る
  • 他の睡眠薬に変える(参考1)

まとめ

ラメルテオンは、自然な睡眠リズムをサポートする薬剤であり、特に入眠障害の治療に有効です。
依存性や翌日の眠気の心配が少ないため、長期的な治療や高齢者への使用にも適しています。

睡眠薬を使用する際は、適切な使用方法を守り、個々の体調や他の薬との相互作用を考慮することが重要です。
副作用が現れた場合は、使用を中止し、医師に相談することをお勧めします。

【参考文献】
ロゼレム:メラトニン受容体を刺激する日本発の催眠剤 日経メディカル
ロゼレム錠8㎎ 武田薬品工業株式会社 医療関係者向け情報サイト
ラメルテオン KEGG
メラトニン health direct
平井圭介ほか 「メラトニン受容体作動薬ラメルテオン (ロゼレム®錠 8 mg)の薬理作用と臨床試験成績」日薬理誌136 p51-60(2010)
ロゼレム錠8㎎に関する資料 武田薬品工業株式会社