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2024.03.02
今回は睡眠薬の種類や強さ、市販薬との違いについて紹介します。睡眠障害の疑いや発作があり、睡眠薬をすでに服用している人もいるでしょう。ぜひ睡眠薬ごとの特徴を理解し、効果的に睡眠障害を治療する方法を学んでいきましょう。
目次
睡眠薬は、作用する仕組みごとに分類すると大きく2種類あります。①脳の働きを抑制する薬②自然に眠りを促進する薬
大脳辺縁系や脳幹網様体と呼ばれる脳の部分の神経活動を抑えることで、眠気を促す種類の薬です。大きく分けて、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬があります。
催眠作用に加えて抗不安作用・筋弛緩作用を持っています。そのため、睡眠障害に対して即効性は高いものの、服用には注意が必要な薬です。具体的には、ふらつき等が起きる可能性があるため、体を動かす仕事をしている人や車の運転等が必要な人は適切に医師に相談をする必要があります。また、依存性はやや高いと言われています。具体的な薬の例としては、ハルシオン、サイレース、リスミー、デパス、レンドルミンなどが挙げられます。
一方、非ベンゾジアゼピン系の薬は依存性が低く、やめやすい薬とも言われているため、睡眠障害の治療初期では処方されることも多いです。具体的な薬の例としては、マイスリー、ルネスタなどが挙げられます。
これは、体内のホルモンに作用し自然な眠気を強める種類の睡眠薬です。大きく分けて、オレキシン受容体拮抗薬とメラトニン受容体作動薬があります。
昼に多く分泌される物質である「オレキシン」の分泌を抑制することで、眠りを促進する仕組みとなっています。特徴として、体内ホルモンに作用するため依存性が低くく、やめやすい点があります。一方、効果が出にくい場合や、効果が出るまで時間がかかるというデメリットもあります。具体的な薬の例として、デエビゴやベルソムラなどが挙げられます。
メラトニンは夜に分泌されて、明け方に光を浴びることで減少していく物質です。この「夜のホルモン」とも言えるメラトニンの働きを強めることで、睡眠を促す仕組みとなっています。特徴は、オレキシン受容体拮抗薬と似ており、依存性が低い点が挙げられます。加えて、効果が出にくいケースがあります。薬の例として、ロゼレム、ラメルテオンなどが挙げられます。
具体的な睡眠薬としては、下記のようなものがあります。
■超短時間型・ハルシオン(ベンゾジアゼピン系)・マイスリー(非ベンゾジアゼピン系)・アモバン(非ベンゾジアゼピン系)・ルネスタ(非ベンゾジアゼピン系)・ロゼレム(メラトニン受容体作動薬)■短時間作用型・デバス(ベンゾジアゼピン系)・レンドルミン(ベンゾジアゼピン系)・リスミー(ベンゾジアゼピン系)■中間型・サイレース(ベンゾジアゼピン系)・デエビゴ(オレキシン受容体拮抗薬)・ベルソムラ(オレキシン受容体拮抗薬)■長時間型・ドラール(ベンゾジアゼピン系)・ダルメート(ベンゾジアゼピン系)・ソメリン(ベンゾジアゼピン系)なお、薬の強さは単純比較できるものではありません。しかし、あえて各タイプごとで強い薬の代表例を挙げるとすれば、以下などがあります。超短時間型:ハルシオン短時間型:レンドルミン中間型:サイレース長時間型:ドラールなお、「強い薬を服用すれば不眠症に有効である」という単純な話ではない、という点は重々注意しましょう。
前提として、睡眠薬は医師の処方に基づき処方されるものです。自己判断で処方薬を選ぶことはできないと思ってください。しかし「どんな判断基準で、どんな薬が処方されるのか」を知っておくことは、処方薬に安心感も生まれるでしょう。大まかに、処方薬の選ぶ基準について見ていきましょう。
睡眠障害には大きく分けて4つの症状があります。どの発作があるかで処方方針が大きく変わります。まず、症状の分類は以下となります。
寝床に入ったのに30分〜1時間以上眠れないなど、寝つきが悪い状態のことです。不眠症の中でも最も多いタイプであり、ストレスや不安感、緊張が作用して起こりやすいとも言われています。この障害がある方は、超短時間型あるいは短時間型の睡眠薬がよく処方されます。
眠りが浅く、睡眠中に何度も目が覚めてしまう状態のことです。加齢やアルコール摂取によってトイレが近くなる場合などに見られる症状です。この障害がある方は、短時間作用型あるいは中間型作用型の睡眠薬がよく処方されます。
朝早く目が覚めてしまい、その後二度寝できない状態のことです。眠りが浅くなりがちな中高年層の方でよく見られる症状です。この障害がある方は、中間型あるいは長時間型の睡眠薬がよく処方されます。
睡眠時間は十分であるにもかかわらず、ぐっすり眠った感覚がない状態のことです。睡眠時無呼吸症候群などの症状が要因となり、引き起こすケースもあります。この障害がある方は、この障害がある方は、中間型あるいは長時間型の睡眠薬がよく処方されます。
睡眠障害の原因は大きく分けて5つあります。・環境要因(生活環境の変化等)・身体的要因(体調不良、体の異変等)・心理的要因(不安、緊張、イライラ等)・薬理学的要因(カフェインの過剰摂取等)・生活習慣的要因(生活リズムの乱れ等)これらの要因も総合的に考慮して、医師は薬を処方します。例えば、精神的な要因で睡眠障害が起きている場合は、抗不安作用のある睡眠薬を処方します。その他にも、「運転を伴う仕事をしている人にはふらつきの少ない薬を処方する」など、生活スタイルに合わせることもあります。また、「他の常用薬との飲み合わせが問題ない薬を処方する」など、飲み合わせに合わせることも大きな判断材料です。だからこそ、自分で睡眠薬を選ぶということは出来ないと思ってください。もし、今の睡眠薬から別の睡眠薬に変えたい場合は、絶対に医師へ相談しましょう。
一方で、ドラッグストアや薬局にも睡眠薬が販売されています。これは、処方薬と何が違うのでしょうか。結論から言うと、成分と効果の持続性が異なります。市販の睡眠薬の主な成分は「ジフェンヒドラミン」というものであり、抗ヒスタミン薬に分類されます。抗ヒスタミン薬は、花粉症などに用いられる「アレルギー症状を抑える薬」です。市販薬は、この抗ヒスタミン薬の副作用によって眠気を促進しており、処方薬とメカニズムが異なるのです。また特徴として、続けて服用すると7日程度で効きにくくなるという点が挙げられます。そのため、一時的な不眠に対して使用することに限って利用しましょう。「長らく寝つきの悪さに悩んでいる」という方は、医師の判断に基づいた治療をお勧めします。
睡眠薬の変更や、服用すべきかの相談は内科や精神科でしましょう。しかしそれでも、「平日の日中は仕事が忙しくて、病院に行けない…」「まだ病院に行くほど悩みがあるわけではないし迷うな…」という悩みを抱えている人もいることでしょう。そのような場合は、オンライン診療で医師に相談してみるのも一つです。オンライン診療では、事前予約可能で夜も診療可能な病院が多く存在します。デジタルクリニックグループも、オンラインで24時間365日診療が可能です。問診を行ったうえで、症状に合った適切な対策・処方薬をご提案しておりますので、まずは相談だけしたいという方もお気軽にお申し込みください。
不眠症・睡眠薬のオンライン診療
公開日:2023年12月31日作成:デジタルクリニックグループ医師
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