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不眠症におすすめの漢方薬 | 副作用や睡眠薬との違いを解説

不眠症におすすめの漢方薬 | 副作用や睡眠薬との違いを解説

不眠症とは、寝つきが悪い、中途覚醒、早朝覚醒などの睡眠問題によって、日中に倦怠感や集中力低下、食欲低下などの不調が生じる病気です(参考1)。

この記事では、不眠症におすすめの漢方薬を睡眠薬との違いを踏まえてご紹介します。

不眠に効果的な漢方薬の種類

一言で「不眠」といっても、その症状は人によってさまざまです。

  • 気分が昂って眠れない
  • ドキドキして眠れない
  • 疲労困憊で眠れない

また、それぞれの不眠のタイプによって、効果的な漢方薬も異なります。

気が昂って眠れない場合

気分が昂って眠れない場合は、以下の漢方薬が使用されます(参考2)。

  • 抑肝散(よくかんさん):交感神経が過緊張状態になっている不眠に使用される
  • 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ):胃腸症状や歯ぎしりを伴う不眠に適応
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):イライラや顔面紅潮が強い不眠に使用

ドキドキして眠れない場合

ドキドキするような不安や緊張で眠れない場合は、以下の漢方薬が使用されます(参考2)。

  • 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):動悸や驚きやすさ、悪夢を伴う不眠に適応
  • 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう):不安と緊張が主で、落ち着かない場合に使用

疲労困憊で眠れない場合

疲れすぎてかえって眠れない場合は、以下の漢方薬が使用されます(参考3)。

  • 酸棗仁湯(さんそうにんとう):体力低下や虚労が原因の不眠に使用
  • 加味帰脾湯(かみきひとう):疲労やストレスを緩和し、眠りを助ける

漢方薬の副作用と注意点

睡眠薬と比較して、漢方薬には依存や離脱症状、運転への影響が少ないと考えられています。
しかし、実際には検証が十分ではないのが現状であり、完全に副作用がないとは言い切れません。
主な副作用として、以下のものがあります。

  • 間質性肺炎:加味帰脾湯・抑肝散・柴胡加竜骨牡蛎湯・黄連解毒湯に含まれる生薬が原因
  • 偽アルドステロン症:甘草を含む漢方薬(抑肝散、酸棗仁湯など)による筋力低下や高血圧
  • 肝機能障害:黄芩を含む柴胡加竜骨牡蛎湯、黄連解毒湯が原因
  • 腸間膜静脈硬化症:加味帰脾湯・黄連解毒湯に含まれる山梔子が原因

漢方薬を服用する際は、これらの副作用について医師や薬剤師と相談しましょう。

漢方薬と睡眠薬の違い

睡眠薬による治療では、主に以下の2種類の薬が使用されます(参考1)。

  1. 体内のホルモンに作用して自然な眠りを促す薬
  2. 脳の働きを抑制して眠気を強める

それに対し、漢方薬は不眠の原因となる心身のアンバランスを改善し、自然な眠りをもたらすことを目的としています。

漢方薬がおすすめな人

以下のような方には、漢方薬の使用が推奨されます。

  • 高齢者:睡眠薬の影響が強すぎる場合があるため、漢方薬との併用が推奨される
  • 睡眠薬を減らしたい人:睡眠薬の過剰使用を防ぐ目的で漢方薬を併用するケースも

睡眠薬がおすすめな人

漢方薬は効果が出るまで1〜2ヶ月かかることが多いため、即効性を求める場合は睡眠薬の使用を検討するとよいでしょう。

まとめ

漢方薬と睡眠薬には、それぞれメリットとデメリットがあります。
そのため、不眠の症状や薬の効き方に応じて、漢方薬と睡眠薬を使い分けることが重要です。
実際に、漢方治療により睡眠薬なしで不眠が改善した例や、睡眠薬と併用することで睡眠の質が向上した例も報告されています。

使用する薬剤の種類や用法容量については、専門医を受診し相談しましょう。

【参考文献】