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2024.03.03
不眠症を引き起こす原因は様々あります。各原因に応じた適切な対処方法を実施することが、早期改善に繋げる上で重要です。そこで今回は、代表的な原因と解消法について取り上げます。
目次
不眠症とは、①夜間の不眠が続き②日中に精神や身体の不調を自覚して、生活の質が低下した状況のことを指します。その中でも、不眠症は4つのタイプに分けることができます。①入眠障害(寝つきが悪い)②中途覚醒(何度も目が覚める)③早朝覚醒(早く目が覚める)④熟眠障害(深く寝た気がしない)
寝床に入ったのに30分〜1時間以上眠れないなど、寝つきが悪い状態のことです。不眠症の中で最も多いタイプであり、ストレスや不安感、緊張が作用して起こりやすいとも言われています。
眠りが浅く、睡眠中に何度も目覚めてしまうことです。加齢やアルコール摂取によってトイレが近くなる場合などに見られる症状です。
朝早く目が覚めてしまい、その後二度寝できない状態のことです。眠りが浅くなりがちな中高年層の方でよく見られる症状です。
睡眠時間は十分であるにもかかわらず、ぐっすり眠った感覚がない状態のことです。睡眠時無呼吸症候群などの症状が要因となり、引き起こすケースもあります。
様々なタイプがある不眠症ですが、原因にも複数のパターンがあります。・環境要因・身体的要因・心理的要因・薬理学的要因・生活習慣的要因
騒音や光、寝室の暑さ寒さ、空気の乾燥などの室内環境が原因になっていることに加え、枕やマットレスなどの寝具が変わったことで不眠が起きている状況です。
頭痛や腹痛などの体調不良が原因となっていることや、かゆみや頻尿、睡眠時無呼吸症候群、ムズムズ脚症候群などの身体の異変や症状が原因となって不眠が起きている状況です。
うつ病などの精神疾患だけでなく、人間関係の悩みや仕事・学校に対する不安感、イライラ、極度の緊張などの「気持ち」が原因になって不眠が起きている状況です。
煙草によるニコチンの摂取、コーヒーやエナジードリンクなどのカフェインを多く含有した飲料の摂取、飲酒によるアルコールが原因となって不眠が起きるケースです。
入眠前にスマートフォンやPCのブルーライトを浴びることによって、脳が「まだ日中である」と錯覚することで覚醒してしまうケースや、入眠時間がバラバラである生活リズムの乱れなどが原因となって不眠が起きるケースのことです。
不眠症の改善方法には、非薬物療法と薬物療法の2つに分類されます。非薬物療法は習慣で変えられるものが多いため、まずは試してみるのも良いでしょう。それでは具体的な療法について見ていきましょう。
不眠症の改善につながる非薬物療法の具体例をご紹介します。他にも多数の療法があるため、専門家にも相談しながら自分の原因に適した解消法を見つけていきましょう。
快適な暑さ寒さや、湿度となるように室内環境を整えることは重要です。必要に応じて、空調や加湿器、マスクなども用いながら、リラックスして過ごせる状況を作りましょう。
落ち着く時間を確保することで、心身共にリラックスし入眠を促進することができます。行動例としては、落ち着いた音楽を聴くことや深呼吸を行うこと、マインドフルネス瞑想をすることなどが挙げられます。
適度な運動を行うことも、睡眠を促進してくれます。例えば、負担が少なく長続きするようなウォーキングやジョギングなどを行うことは、眠りを改善する効果があると言われております。しかし、高負荷な運動を入眠直前に行うことはかえって睡眠を妨げるため、夕方~就寝3時間前までとするのが良いでしょう。
コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインには覚醒作用があるため、就寝前の摂取は控えましょう。また喫煙時に摂取するニコチンも覚醒・興奮作用があるため不眠の原因となります。思い当たる節がある方は、一度就寝前の摂取を控えてみましょう。
前述にもありましたが、スマートフォンから発しているブルーライトは脳を覚醒させる作用があります。入眠前30分はスマホ画面を見ることは控え、自身が寝やすい環境を作りましょう。どうしても利用したいという場合は、画面を見ずに音声だけで楽しむのも良いでしょう。
薬物療法とは、症状や他の薬との併用状況などから、医師の判断に基づき処方される薬を利用する療法です。なお、用いられる主な薬は、①GABA受容体作動薬(ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系)②メラトニン受容体作動薬③オレキシン受容体拮抗薬の3つに分類されます。それぞれの違いについてみていきましょう。
GABA受容体作動薬は、大脳辺縁系や脳幹網様体と呼ばれる脳の部分の神経活動を抑えることで、眠気を促す薬です。ベンゾジアゼピン系は、催眠作用に加えて抗不安作用・筋弛緩作用も持っているため、服用には注意が必要な薬です。具体的な薬の例としては、ハルシオン、サイレース、リスミー、デパス、レンドルミンなどが挙げられます。一方、非ベンゾジアゼピン系の薬は、催眠作用があり筋弛緩作用が少ない薬と言われています。具体的な薬の例としては、マイスリー、ルネスタなどが挙げられます。
体内のホルモンに作用し自然な眠気を強める睡眠薬です。メラトニンは夜に分泌されて、明け方に光を浴びることで減少していく物質です。メラトニン受容体作動薬は、この「夜のホルモン」とも言えるメラトニンの働きを強めることで、睡眠を促す仕組みとなっています。具体的な薬の例として、ロゼレム、ラメルテオンなどが挙げられます。
オレキシン受容体拮抗薬は、昼に多く分泌される物質であり「昼のホルモン」とも言えるオレキシンの分泌を抑制することで、眠りを促進する仕組みとなっています。具体的な薬の例として、デエビゴやベルソムラなどが挙げられます。ここまでさまざまな医薬品を説明してきましたが、症状に合わない薬を服用することは効果が薄いだけでなく、思わぬ副作用が現れる可能性があります。したがって、間違っても他の人の薬から譲り受けて服用することは止めましょう。
不眠症を改善するために、まずは生活スタイルで改善できることがないか試してみましょう。それでもなかなか不眠症が回復しない場合は、早期から専門家に相談することも一つです。不眠症から派生して心の病気の原因となることもありますので、適切な対処方法を見つけましょう。なお、なかなか通院する時間がない場合は、オンライン診療を受けることも一つです。デジタルクリニックでは、オンラインによって24時間365日診療が可能です。症状に合った適切な解消法をご提案しておりますので、睡眠にお悩みの方は下記にてお気軽にご相談ください。
睡眠障害/不眠症のオンライン診療
出典:不眠症 – e-ヘルスネット(厚生労働省)
公開日:2023年11月16日作成:デジタルクリニックグループ医師
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