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インフルエンザを予防・対策するには?医師が詳しく解説!

インフルエンザを予防・対策するには?医師が詳しく解説!

毎年12月から3月末ごろまで流行するインフルエンザ。
受験や重要な仕事、イベントがある等「どうしても今年はかかりたくない」と思う方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、インフルエンザに感染するまでのメカニズムから、予防・対策方法まで解説します。

インフルエンザは、そもそもどんな病気なのか

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで起きる病気です。発症すると38℃以上の高熱や頭痛、全身の倦怠感などが現れるのが特徴です。

このインフルエンザには2種類あり、
①季節性インフルエンザ
②新型インフルエンザ
に大きく分けられます。

季節性インフルエンザ

季節性インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型、D型の4種類があります。この内、大きな流行の原因となるのはA型とB型です。特にA型のインフルエンザは、抗原性を少しずつ変化させながら毎年世界中のヒトの間で流行しています。

新型インフルエンザ

一方、全く抗原性が異なるインフルエンザが突如現れて、急速に蔓延するのが新型インフルエンザです。
・いつどこで発生するかを予測できない
・多くのヒトが免疫獲得をしていないため、大流行しやすい
という点が大きな特徴です。

インフルエンザはどのようにして感染するか

インフルエンザウイルスの感染経路には、主に飛沫感染接触感染の2つがあります。

飛沫感染

他の人がくしゃみや咳、会話をすることにより、ウイルスなどの病原体を含んだ飛沫が飛散します。
その飛沫を鼻や口から吸い込んだり、目の結膜に入ることによって感染することを飛沫感染と言います。

接触感染

私たちは、ウイルスなどの病原体が付着した箇所に手で触れてしまうものです。
病原体が付着した手で、自分の鼻や口などに触れてウイルスが体内に入ることを接触感染と言います。

インフルエンザをどう予防・対策するか

①物理的にウイルスの体内侵入を防ぐ

マスクを着用する

マスクを正しく着用することで、飛沫感染を防ぐ効果があります。口だけを覆い、鼻は出ている状態で着用すると、十分に自分の保護が出来ません。鼻と口を十分に覆った状態で利用しましょう。

正しい手洗い・うがいを行う

接触感染・飛沫感染を防ぐには、手洗い・うがいが有効です。帰宅時や料理の前後、食事前などにはこまめに手洗いをしましょう。目安としては、ハンドソープで30秒程もみ洗いした後に、流水で15秒すすぐと有効です。またインフルエンザウイルスでは、飲食店や公共施設に置かれているようなアルコール製剤で手を拭うことも効果があります。

人混みの場をなるべく避ける

生活スタイルに無理を強いることは良くありませんが、繁華街やショッピングモールなどの場では、どうしても感染リスクが高まります。体調の悪い時や睡眠不足の際などは免疫機能も低下しているため、外出を控えるのも一つです。

②免疫機能を向上させる

体をウイルス等の病原体から守る役割を免疫と言います。この免疫には、
①そもそも病原体が、粘膜から体内へ侵入することを防ぐ粘膜免疫
②体内侵入した病原体を排除しようとする全身免疫
の2種類あります。ここでは、それぞれの免疫機能を向上させる対策を見てみましょう。

大気中の湿度を適切に保つ

粘膜免疫を向上させる対策には、室内を適切な湿度(50~60%程度)に保つことが重要です。冬場は空気が乾燥するため、口や鼻の粘膜機能が低下しがちです。そのため、加湿器を用意するなど湿度を調整するようにしましょう。

こまめに水分補給をする

粘膜免疫を向上させる対策として、こまめに水分補給し体内の水分量を保つことも有効です。気道にある「線毛」という毛は、体内の水分量を保つことで活発に働き、ウイルス等の病原体が侵入することを防いでくれるからです。冬場であっても、水筒を持ち歩くことは良い対策と言えるでしょう。

インフルエンザワクチンの摂取

インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、重症化を予防することです。発熱やのどの痛み等のインフルエンザの症状が出現する「発病」を抑える効果が一定程度認められています。ただし、麻しんワクチンで認められているような高い発病予防効果を期待することはできないと言われています。現在のインフルエンザワクチンは、「接種すればインフルエンザに絶対にかからない」というものではありませんが、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化を防ぐことに一定の効果があるとされています。

参考:厚生労働省『令和5年度インフルエンザQ&A』

栄養バランスの良い食事を摂る

免疫システムに役立つビタミンC、体のエネルギー産生に必要なビタミンB1群、鼻や口の粘膜免疫を高めるビタミンB2、B6を摂取できる食事を心がけると良いでしょう。また、アミノ酸の豊富な動物性タンパク質を食事に取り入れるのも効果的です。

【代表的な食べ物】
ビタミンC:アセロラ、キウイ、ピーマン、ブロッコリーなど
ビタミンB1:豚肉、大豆、ほうれん草など
ビタミンB2:納豆、ブロッコリー、モロヘイヤなど
ビタミンB6:かつお、マグロ、バナナ、赤パプリカなど

インフルエンザに絶対かかりたくない時の予防・対策とは?

それでもなお、
・受験当日が近づき、絶対インフルエンザにかかりたくないと思っている方
・重要な仕事、会議があり、絶対に休めない状態である方
・家族がインフルエンザに感染しているため、家庭内感染を何とか予防したい方

もいらっしゃるでしょう。

そんな状況の方は、医師と相談しながらインフルエンザ予防内服薬を服用するのも一つの対策です。代表的なインフルエンザ予防内服薬には、
・タミフル
・イナビル
・リレンザ

などがあります。もし処方を考えている方は、医師に自分の体質や飲み合わせと合った薬を聞いてみましょう。

タミフル

タミフルは、①カプセルタイプと②ドライシロップタイプの2種類ある内服薬です。最も早く開発されたインフルエンザ予防内服薬であり、多く流通している薬です。飲み薬であるため服用しやすいことが特徴として挙げられます。1日1回、10日間継続して服用するのが一般的です。

イナビル

イナビルは粉末状の吸引薬です。大きな特徴としては、1回の吸入だけで完了するという点が挙げられます。簡単に利用できるという利点がありますが、1回でうまく吸入できなければ効果が現れにくくなるため注意が必要です。そのため幼児や高齢者の方の利用には向きません。加えて、喘息や気管支が弱い方などは注意が必要です。

リレンザ

リレンザも粉末状の吸引薬です。1日2回の吸入を5日間継続する薬であり、イナビルと同様に吸入が出来る年齢でないと使用できない点や、呼吸器疾患をお持ちの方は使用できないケースがあるのも特徴です。あらかじめ医師に相談した上で、処方してもらいましょう。

上記のようなインフルエンザ予防内服薬について、詳しく知りたい方は下記サイトもご覧ください。

■参考サイト:
インフルエンザ薬「イナビル」の予防効果とは?副作用も解説

さいごに

インフルエンザの予防には、適切な手洗いやマスクの着用など日常的な習慣から見直すことが重要です。それでも「絶対にインフルエンザにかかりたくない」という思いが強い方もいらっしゃるかと思います。「忙しいけど、インフルエンザ予防内服薬を処方すべきか医師と相談したい」場合は、オンライン診療を受けることも一つです。デジタルクリニックでは、オンラインで24時間365日診療が可能です。問診を行ったうえで、症状に合った適切な対策をご提案しておりますので、お悩みの方は下記にてお気軽にご相談ください。

インフルエンザ予防内服薬のオンライン診療

作成:デジタルクリニックグループ医師