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2025.06.17

腕のニキビはなぜできる?原因や治し方、ニキビ以外の可能性を解説

腕にブツブツとしたできものができて「これってニキビ?」「なかなか治らない…」と悩んでいませんか?

ニキビは顔や背中だけでなく、スキンケアや生活習慣などの問題によって腕にも発症することがあります。場合によっては別の皮膚疾患と勘違いする可能性もあるため、放置せずに早めの対処が大切です。

この記事では、腕にできるニキビの原因や治し方、予防法に加え、ニキビ以外の可能性についても詳しく解説します。腕に現れた吹き出物のような症状に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

腕にニキビができる原因

腕ニキビができる原因には、以下のような要因が関係しています。(参考1)

  • 不適切なスキンケア
  • 皮膚の乾燥・紫外線によるダメージ
  • 衣類による蒸れや摩擦
  • 生活習慣の乱れ

ニキビは皮膚表面の毛穴に皮脂や角質が詰まることで発生しますが、腕も例外ではありません。皮脂腺が多い顔や背中と比べて皮脂分泌は少ないものの、物理的な刺激や乾燥によって肌を守ろうと皮脂の過剰分泌が生じることがあります。(参考1)

また、睡眠不足や栄養バランスの偏り、ストレスなどの生活習慣の乱れにより、肌のターンオーバーやホルモンバランスが乱れると、ニキビができやすい状態になります。(参考1)初期の「白ニキビ」や「黒ニキビ」を放置すると、毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症を起こした「赤ニキビ」や膿がたまった「黄ニキビ」へと進行することもあるため、原因に応じたケアが重要です。(参考2)

ニキビができる原因は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

「ニキビの原因|思春期ニキビと大人ニキビの違いや治し方を解説」はこちらから

腕のニキビの治し方

腕にできるニキビの治療では、主に薬物療法が基本となります。具体的には塗り薬や飲み薬を使用し、ニキビの種類や重症度に応じた対処が行われます。(参考1)

  • アダパレン(参考1)

皮脂や古い角質による毛穴の詰まりを防ぎ、白ニキビをできにくくする塗り薬。副作用は皮膚の乾燥や赤み、かゆみなどで、妊娠中には使用できない。

  • 過酸化ベンゾイル(参考1)

アクネ菌に作用し、増殖を抑えて毛穴の詰まりや炎症を減らす塗り薬。抗生物質と異なり耐性菌ができにくいため長期間使用できる。副作用は皮膚の乾燥や赤み、かぶれなど。

  • クリンダマイシン(参考1)

ニキビの炎症を引き起こすアクネ菌に直接作用する抗生物質。塗り薬と飲み薬がある。副作用は皮膚の乾燥や赤み、かゆみなど。

なお、これらのニキビ治療薬の一部は市販でも購入可能ですが、腕にできたできものが必ずしもニキビとは限らない点に注意が必要です。腕にできる皮膚疾患のなかにはニキビと似た症状を示すものもあるため、自己判断で市販薬を使い続けると症状を悪化させるリスクがあります。そのため、症状が長引く場合や悪化が見られる場合は早めに医師に相談しましょう。

ニキビの治し方については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ目を通してみてください。

ニキビの治し方 | 薬を使った治し方やセルフケア方法を詳しく解説

腕にできたニキビ跡は治療可能?

腕のニキビが悪化すると、しこりや色素沈着といったニキビ跡になってしまうことがありますが、それに対する効果的な対処法は少ないです。炎症が長く続いた場合は、皮膚が盛り上がる「ケロイド」や「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」になることがあり、炎症を抑えるためにステロイドの局所注射を行うことがあります。(参考3)

さらに、ケミカルピーリングやレーザー治療などの施術も選択肢としてありますが、治療効果の根拠が乏しいこともあり、慎重な判断が必要です。(参考3)

そのため、ニキビ跡になってから対応するのではなく、ニキビができた段階でできるだけ早く医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。ニキビ跡のリスクを減らすためには、早期対応が鍵となります。

腕のニキビを予防する方法

腕のニキビを予防するためには、日常的なスキンケアと生活習慣の見直しが欠かせません。(参考1)

  • 丁寧なスキンケアをする(参考1)

洗浄力が強すぎるボディーソープは肌を刺激して乾燥を招くため、低刺激の製品を使い、しっかり泡立ててから優しく洗うようにしましょう。泡は肌をこすらず、なでるように洗うのがポイントです。すすぎ残しもニキビの原因になるため、洗い流しは念入りに行いましょう。

  • 腕周りの衛生面を保つ(参考1)

蒸れや摩擦を防ぐために、衣類は通気性が良く清潔なものを着用しましょう。汗をかいたらそのままにせず、こまめに拭いたり、着替えたりすることで雑菌の繁殖を防げます。

  • 紫外線対策をする(参考1)

紫外線は肌にダメージを与え、乾燥や炎症の原因となるため、外出時は日焼け止めを塗ったり、長袖を着たりして肌を守りましょう。しかし、日焼け止めを使用した場合は、その日のうちにしっかり洗い流すようにしましょう。

  • 規則正しい生活習慣を送る(参考1)

ホルモンバランスを整えるためには、栄養バランスのとれた食事を1日3食規則正しく摂ることが基本です。さらに、十分な睡眠を確保し、趣味や運動などでリフレッシュする時間を持つことも、肌の健康に繋がります。

このように、スキンケアと生活習慣の両面から対策することで、腕のニキビを予防しやすくなります。日々の積み重ねがきれいな肌を保つ鍵となります。

ニキビの予防方法についてより詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

「ニキビの対策方法 | 日々気を付けるべきことや治療方法を解説」はこちらから

腕のできものがニキビではない可能性もある?

腕にできたブツブツがニキビのように見えても、実は別の皮膚疾患である可能性もあります。代表的なものに「マラセチア毛包炎」と「毛孔性苔癬(もうこうせんたいせん)」「粉瘤(ふんりゅう)」があります。

  • マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎は、マラセチア菌というカビ(真菌)が毛穴に入り込み、炎症を引き起こす病気です。(参考4)赤い発疹や小さな膿を伴うため、見た目がニキビに似ていますが、かゆみを認める場合もあります。治療には抗真菌薬を使用するため、一般的なニキビの治し方とは異なります。

  • 毛孔性苔癬

毛孔性苔癬は、二の腕や太ももに左右対称に現れるブツブツとした小さな病変で、毛穴に角栓が詰まることで起こります。(参考5)遺伝的な体質やホルモンバランス、外的刺激などが関与し、思春期に多く見られます。自然に治まるケースも多いため、積極的に治療しないこともあります。

  • 粉瘤

粉瘤は「アテローム」とも呼ばれる良性の腫瘍です。(参考6)皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に古い角質や皮脂などの老廃物が少しずつたまり、時間が経つにつれて大きくなっていきます。できものはニキビより大きくなる可能性があり、治療は手術をすることが一般的です。

これらの皮膚疾患は、ニキビと見た目が似ていても原因や治療法が異なるため、自己判断は避けることが大切です。腕のニキビがなかなか治らない場合は一度疑ってみましょう。

まとめ

腕にできるニキビは、不適切なスキンケア不足や生活習慣の乱れ、衣類の刺激など、さまざまな要因で発生します。早期に適切なケアや治療を行うことで、悪化やニキビ跡を防ぐことが可能です。

また、見た目が似ていてもマラセチア毛包炎や毛孔性苔癬などの皮膚疾患が起きている可能性もあるため注意が必要です。症状がなかなか改善しない場合は、できるだけ早く医師に相談しましょう。

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参考文献

(参考1)公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A:にきび」

(参考2)日本痤瘡研究会「ニキビQ&A」

(参考3)日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」

(参考4)清佳浩:脂漏性皮膚炎ー臨床症状と各種外用剤の治療効果ー. 日本医真菌学会雑誌 44 (2), 77-80, 2003

(参考5)徳島県医師会「毛孔性苔癬」

(参考6)一般社団法人 日本形成外科学会「粉瘤(アテローム・表皮嚢腫)」