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2025.06.17

妊娠中のニキビ | できる原因や治療方法、改善方法を詳しく解説

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監修:デジタルクリニックグループ医師

当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。

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妊娠中は、ホルモンバランスの変化や生活環境の影響で、ニキビなどの肌トラブルが増えやすく、普段と同じスキンケアでは対応しきれないこともあります。妊娠中の肌はとてもデリケートなため、適切なケアや治療が必要です。

この記事では、妊娠中にニキビができる原因や改善方法、使用できる医薬品などについて詳しく解説します。

妊娠中にニキビができる原因

妊娠中にニキビができやすくなるのは、主にホルモンバランスの変化が原因です。(参考1)

妊娠中は「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が活発になります。プロゲステロンは妊娠を維持するために重要な役割を果たすホルモンですが、皮脂の分泌を促す作用もあります。そのため、過剰に分泌された皮脂が毛穴につまりやすくなり、ニキビができる原因となるのです。

さらに、妊娠中は便秘やストレスが起こりやすい時期でもあり、これらの要因も肌の代謝やバリア機能に影響を与え、肌荒れやニキビなどのトラブルを引き起こす一因です。(参考1)食生活の変化や睡眠不足なども重なり、肌のコンディションが不安定になりがちになります。

そのため、便秘や肌荒れなどと共に、おでこやあご、口周りのニキビが妊娠の最初のサインとして現れる方も少なくありません。妊娠初期からニキビだらけの顔になる方もいます。

妊娠中のニキビはいつまで続く?

妊娠中のニキビがいつまで続くかは個人差がありますが、つわりが落ち着く妊娠中期(16週目ごろ)からホルモンバランスが徐々に安定してくることで、改善が見られる人もいます。(参考1)そのため、妊娠初期には悪化していた肌状態が、妊娠中期以降に落ち着くケースも少なくありません。

また、出産後にホルモンバランスが元に戻ることで、自然とニキビが改善する人もいます。ただし、出産後もホルモンの変化や育児によるストレスが続く場合は、ニキビが長引くこともあります。そのため、妊娠中から無理のない範囲でスキンケアや生活習慣の見直しを意識することが大切です。

妊娠中のニキビの治し方

妊娠中のニキビは、ホルモンバランスの変化や生活環境の影響によって起こることが多いため、無理のない範囲でのスキンケアや生活習慣の見直しが重要です。また、使用できる医薬品には制限があるため、安全性に配慮した治療が求められます。

妊娠中にできるニキビの改善方法

日常生活でできる妊娠中のニキビの改善方法は以下になります。

  • 適切な洗顔やスキンケアをする

妊娠中の敏感な肌には、やさしく丁寧な洗顔と保湿ケアが基本です。(参考2)まず、クレンジングで肌の皮脂汚れやメイクをしっかりと落とし、その後、泡立てた洗顔料を使ってやさしく洗顔します。ゴシゴシこすらず、肌を泡で包み込むように洗うのがポイントです。

洗顔後は、肌が乾燥しやすくなるため、できるだけ早く化粧水や乳液などでしっかりと保湿しましょう。特に「ノンコメドジェニック」と表示された、ニキビの原因になりにくい保湿アイテムを選ぶのがおすすめです。(参考2)

さらに、紫外線はニキビの悪化を招く要因のひとつなので、外出時は日焼け止めを使い、帽子や日傘で紫外線を遮る工夫も大切です。(参考2)

  • 栄養バランスの取れた食生活をする

食事の内容も肌の状態に大きく関係しています。(参考3)妊娠中は胎児の成長にも関わるため、栄養バランスの取れた食事をできるだけ意識しましょう。

1日3食を基本とし、ビタミンCやビタミンB群、たんぱく質、食物繊維などの栄養素をしっかり摂取することが大切です。(参考3)特に緑黄色野菜や果物、魚類、豆類などを取り入れると、皮膚のターンオーバーを整え、ニキビの予防や改善にもつながります。(参考3)

  • ストレス対策を心がける

妊娠中はホルモンバランスの変化や体調の不安定さからストレスが溜まりやすい時期でもあります。散歩やストレッチなどの軽い運動、趣味の時間、家族や友人との会話など、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけてストレスを溜め込まないようにしましょう。(参考2)

また、質の良い睡眠もストレスの緩和や肌の回復を促すために欠かせません。(参考2)眠る前はスマートフォンの使用を控え、ゆったりとした気持ちで休める環境を整えるように心がけましょう。

妊娠中にできるニキビは、デリケートな敏感肌に負担をかけず、赤ちゃんの安全にも配慮した方法でケアすることが大切です。自分のペースでケアを続けるようにしましょう。

妊娠中に使うことができない医薬品

妊娠中は胎児への影響を考慮して、使用できる医薬品が制限されます。一般的にニキビ治療で用いられるアダパレンや過酸化ベンゾイルといった外用薬は、妊婦に対する安全性が十分に確立されていないため、基本的には使用が推奨されていません。(参考1)

そのため、妊娠中のニキビ治療では「アゼライン酸」が第一選択として用いられることが多く、安全性が比較的高いとされています。(参考1)また、他にもビタミンB群の内服薬、抗菌薬の外用薬、ビタミンCの外用薬・内服薬などが選択肢になりますが、いずれも使用前には必ず医師に相談することが大切です。(参考1)特に症状が長引く場合は、自己判断で市販薬を使用するのはできるだけ避けましょう。

ニキビの基礎知識

ニキビは、主に思春期以降に見られることが多い毛穴の病気です。(参考4)皮脂の分泌が盛んになることで、毛穴に皮脂や古い角質がたまり、アクネ菌(ニキビの原因菌)が繁殖して炎症を引き起こすことが原因とされています。特に皮脂腺が発達している顔、胸、背中などにできやすく、ホルモンバランスの乱れやストレス、睡眠不足、食生活の乱れなどもニキビの発生に大きく関与します。(参考4)

ニキビができた場合、間違ったケアや自己流での対処は悪化を招きやすく、特にニキビを潰してしまうと、ニキビ跡として長く残ってしまうことがあるため注意が必要です。(参考4)できるだけ早めに適切なスキンケアを行い、必要に応じて医師に相談することが大切です。

ニキビ跡の種類

ニキビが治った後に残るニキビ跡には、いくつかの種類があります。

  • 炎症後紅斑(えんしょうごこうはん):赤みとして残るニキビ跡。ニキビの炎症が治まった後にも生じる。(参考5)
  • 色素沈着:炎症によって、皮膚にメラニン色素が沈着することで残る茶色や黒っぽいシミ。(参考5)
  • 萎縮性瘢痕(いしゅくせいはんこん):炎症によって皮膚組織が破壊されることで、クレーター状に陥没してしまう状態。(参考4)
  • ケロイド・肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん):炎症や傷の治癒過程で線維成分が過剰に生成されることで、赤みやしこりを伴った盛り上がり。(参考6)

これらのニキビ跡は、時間の経過とともにある程度は目立たなくなっていきますが、完全に元の状態に戻すのは難しいこともあります。そのため、ニキビ跡を残さないようにするには、ニキビができた段階で悪化させず、早めの治療と正しいケアを行うことが何より重要です。

ニキビ跡の情報は以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

ニキビ跡の種類 | 治し方や予防方法を詳しく解説」はこちらから

まとめ

妊娠中のニキビは、主にホルモンバランスの変化によって起こりやすく、改善のためには刺激の少ないスキンケアや栄養バランスの取れた食生活、ストレス管理が欠かせません。使用できる医薬品には制限があるため、自己判断での市販薬の使用は避け、医師と相談しながら安全に治療を進めましょう。早めの対処と正しいケアによって、ニキビを予防・改善することが大切です。

また、妊娠中のニキビ肌の悩みはつきないけど、体調が不安定で皮膚科に行くのを億劫に感じている方も多いのではないでしょうか?そのような方は、オンライン診療を利用するのも手段の一つです。

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参考文献

(参考1)居原田麗:妊娠と美. 女性心身医学, 21(3),  290-294, 2017

(参考2)公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A:にきび」

(参考3)公益社団法人 日本助産師会「妊娠中の標準的な健康教育」

(参考4)日本痤瘡研究会「ニキビQ&A」

(参考5)日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」

(参考6)一般社団法人 日本形成外科学会「ケロイド・肥厚性瘢痕」