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リスミーの強さ | 他の睡眠薬と比較や副作用、服用時の注意事項を解説

ちょっとしたストレスや生活習慣の乱れなどがきっかけで、不眠になり悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
睡眠不足になると、朝にすっきり目覚められず、日中のパフォーマンスに影響が出てしまうことも。
この記事では睡眠薬の一種であるリスミーの強さについて、詳しく解説していきますので、確認してみましょう。

リスミーの基礎知識

「リスミーはどんな作用があるの?」「作用時間はどのくらい?」
ここではリスミーの効果や作用時間、服用方法や適した人などの基礎知識を解説します。。

リスミーの特徴

ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるリスミーは、睡眠薬としての働きの他に筋弛緩作用や抗不安作用もあります。
そのため、不安や緊張感が強い場合に、リラックスした睡眠をもたらしてくれます。(参考3)

リスミーの効果

リスミーは一時的な睡眠障害や不眠の症状の改善に使用されます。
主な効果としては、入眠困難寝つきが悪いこと)、中途覚醒(睡眠途中で目が覚めてしまうこと)、早期覚醒(早朝に目が覚めてしまうこと)の改善があります。

リスミーは通常服用後30分ほどで効果があらわれ、睡眠の導入を助けます。(参考1)

リスミーの作用時間

血液中にあるリスミーの成分の濃度が最大になるまでに約3時間かかります。

睡眠薬によっては服用後約1時間でピークに達するものもあるので、リスミーはゆっくり効果を発揮する薬といえるでしょう。

血液中にあるリスミーの成分が半分になるまでの時間は、約8〜13時間なので、ほかのベンゾジアゼピン系の睡眠薬と比べると、長めに効果を発揮する薬だと言えます。(参考1)

リスミーの服用方法

リスミーは1mg〜2mgの間のものを服用するのが一般的です。
添付文章には、「症状や年齢により適宜増減するが、高齢者では2mgを超えないこと」とされています。

リスミーは、基本的には空腹時で効果を発揮するように作られているお薬になります。
服用後30分ほどで効果が表れるので、就寝直前に服用するようにしてください。(参考1)

リスミーに適した人

リスミーは入眠障害と中途覚醒、早朝覚醒に有効です。
服用すると、自然に近い形で眠れる作用があります。(参考4)

リスミーの副作用

  • 眠気(1.48%)
  • ふらつき(0.65%)
  • 倦怠感(0.55%)
  • 口渇(0.50%)
  • 頭重感(0.45%)

リスミーには、軽度の筋弛緩作用があるため、高齢者は夜中にふらつきが出てしまうこともあります。

また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬はせん妄を悪化・誘発することが確認されています。
特に高齢者は、せん妄が生じやすいことがわかっています。
せん妄とは、一時的に意識が混濁して興奮してしまい、異常行動などをとってしまう状態のことを指します。

スミーは、長期にわたって服用していると依存してしまうことがあるため、長期使用には適していません。
(参考5)

リスミーの副作用の対処方法

リスミーの主な副作用は眠気とふらつきです。
リスミー自体はマイルドな作用の睡眠薬なので、眠気が特別に強いというわけではありません。
しかし、リスミーの4つの代謝物の中には効果が比較的長い成分もあり、翌朝まで眠気が残ってしまうことがあります。眠気が翌朝まで残ってしまうと、倦怠感やふらつきが出る可能性があります。

対処法としては、薬の量を減らす、ほかの睡眠薬に変更するなどがあります。(参考1)

また、頻度は多くありませんが重篤な副作用として、呼吸抑制(0.1%未満)、炭酸ガスナルコーシス(頻度不明)を起こすことがあります。

呼吸抑制の症状:呼吸回数が減る、呼吸が浅くなる
炭酸ガスナルコーシス:倦怠感、意識の低下、息苦しさ

このような症状があらわれた場合、速やかに医療機関に受診する必要があります。(参考6)

服用時の注意事項

リスミーは一部の食品との組み合わせによって、効果や代謝へ影響を与えることがあるので注意が必要となります。

l  グレープフルーツやグレープフルーツジュース
グレープフルーツはリスミーの代謝酵素の活性を阻害する可能性があります。
そのため、グレープフルーツを接種すると、リスミーの血中濃度が上昇し、効果が増強される可能性があります

l  アルコール
アルコールとリスミーの併用は、中枢神経の抑制作用を増強する可能性があります。
両者の併用により、意識低下や記憶障害、認知機能の低下が起こる可能性があります。(参考7)

リスミーの強さを他の睡眠薬と比較

睡眠薬には様々な種類がありますが、リスミーはどのような睡眠薬なのでしょうか。
ここでは他の睡眠薬との比較を詳しく解説します。

リスミーの強さはどのくらい?

リスミーはプロドラッグといわれる薬剤で、4つの活性代謝産物を合わせた効果になります。
一般的な薬剤は、薬物が体内で効果を表してから最後に代謝、排泄されます。
一方、プロドラッグは薬物が体内で代謝される段階で初めて効果を示します。

リスミーは睡眠薬の強さとしてはマイルドですが、リスミーの4つの代謝物の効果としては、作用時間の短いものから長いものまであるため、総体的に効き目のキレが悪く感じるこ方もいるでしょう。

リスミーは平均約3時間で最高血中濃度に達し、そこから約10.5時間持続します。(参考1)

リスミーと他の睡眠薬の強さの違い

リスミーは短時間型の睡眠薬です。
同様の作用時間の睡眠薬としては、以下のようなものがあります。

  • デパス(一般名:エチゾラム)
  • レンドルミン(一般名:ブロチゾラム)
  • エバミール/ロラメット(一般名:ロルメタゼパム)
  • サイレース/ロヒプノール(一般名:フルニトラゼパム)

短時間型睡眠薬の平均的な効果:効果のピークは1~3時間、作用時間は6~10時間
短時間型睡眠薬の強さ比較:レンドルミン≧デパス≒エバミール/ロラメット>リスミーの順となります。

もっとも効果が強いレンドルミンは約1.5時間で血液中の薬の濃度がピークに達します。

また、短時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬の一般的な持続時間は、約6〜10時間ですが、リスミーが血液中の濃度がピークになるのは3時間、成分が半分になるまでの時間は、約8〜13時間です。
リスミーは効果の立ち上がりはゆっくりですが、比較的長く効果があります。(参考2)

リスミーの睡眠薬での位置づけ

リスミーの睡眠薬の中での位置づけをみていきましょう。
睡眠薬は、その作用メカニズムの違いから2つに分けることができます。

  • 脳の機能を低下させる睡眠薬
  • 自然な眠気を強くする睡眠薬

リスミーは、脳の機能を低下させる睡眠薬になりますが、脳の機能を低下させるとはどのようなことでしょうか?具体的な作用をご説明します。

脳内の神経伝達物質である「GABA」が亢進すると、脳の活動が抑制されて催眠・鎮静作用などがあらわれます。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬はベンゾジアゼピン受容体に作用することで、GABAの神経伝達を亢進させ、催眠・鎮静作用を促します。

また、脳の活動を抑えることで抗不安作用や抗けいれん作用などもあらわし、睡眠障害の他、けいれん発作の予防薬や麻酔前投与薬などとして使用されます。(参考3)

こちらの記事では睡眠薬の種類を徹底比較しているため、ご参考になさってください。
「睡眠薬の種類を徹底比較 特徴や市販薬との違いも解説」

まとめ

リスミーは、不眠症の治療において非常に効果的な薬剤で、睡眠の質を向上させるために広く使用されています。

睡眠導入を助け、眠りの維持にも寄与する一方で、依存症や副作用のリスクもあるので、医師と相談の上で適切に使用することが重要です。

【参考文献】
ロゼレム:メラトニン受容体を刺激する日本発の催眠剤 日経メディカル
ロゼレム錠8㎎ 武田薬品工業株式会社 医療関係者向け情報サイト
ラメルテオン KEGG
メラトニン health direct
平井圭介ほか 「メラトニン受容体作動薬ラメルテオン (ロゼレム®錠 8 mg)の薬理作用と臨床試験成績」日薬理誌136 p51-60(2010)
ロゼレム錠8㎎に関する資料 武田薬品工業株式会社