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デエビゴの効果と副作用について解説 | 他の睡眠薬の特徴とも比較

デエビゴの効果と副作用について解説 | 他の睡眠薬の特徴とも比較

睡眠薬は種類が多く、初めてだとそれぞれの薬にどのような効果があるのか把握するのが困難です。 

今回は2020年7月に発売開始された依存性のリスクが低い*(参考1)、新しい睡眠薬のデエビゴを他の睡眠薬と比較しながら紹介します。
*ベンゾジアゼピン系との比較

デエビゴの効果と他の睡眠薬との違いは

睡眠薬は、大きく2種類に分類されます。
①自然に眠りを促進する薬
②脳の働きを抑制する薬

デエビゴは①自然に眠りを促進する薬に分類されます。

デエビゴの効果について解説

デエビゴはオレキシン受容体拮抗薬の一つです。入眠障害や中途覚醒に悩む人に適用されます(参考2)。

従来の睡眠薬は、主に脳の興奮を抑えるGABAという神経伝達物質に作用し、神経活動を抑制することで眠気を引き起こします。

しかし、これらの薬は依存性や耐性、日中の眠気などの副作用が問題となることがあります(参考3)。

デエビゴは、覚醒を保つ仕組みを抑えることで、より自然な睡眠を促します。

デエビゴは臨床試験の結果から、原発性*のみならず、うつ病などに併発する不眠症への有効性も示唆されている薬です(SUNRISE2試験)(参考4)。 

*原発性とは、疾患の原因となる病気がない場合や、原因不明の場合、またはその臓器自体の病変によって引き起こされる場合を指す言葉です。

オレキシン受容体拮抗薬とは

オレキシンは、脳内で作られる神経伝達物質で、主に覚醒状態を維持する役割を果たしています。

オレキシンは覚醒と睡眠のスイッチのような役割を果たしています(参考5)。

オレキシンは昼間に多く分泌される物質ですが、夜間にも一定量が分泌されています。

このオレキシンの分泌を抑制することで、覚醒状態が抑えられ、眠りを促進する仕組みとなっています。

代表的な医薬品として、デエビゴやベルソムラなどが挙げられます(参考2)。

デエビゴの副作用の特徴

デエビゴの副作用は以下のようなものが報告されています(参考6)。薬を飲むとき、副作用を心配される方も多いと思いますが、デエビゴは使い勝手の良い薬(参考2)とされています。

・傾眠(10.7%)*
・頭痛(4.2%)
・倦怠感(3.1%)・浮動性めまい(1~3%未満)
・体重増加(1~3%未満)
・動悸(1%未満)
・筋肉痛(1%未満)

*傾眠とは、声かけや肩を叩くなど、外部からの軽い刺激で目を覚ます状態です。

デエビゴは肝機能障害患者の方に関しては禁忌に設定されています。したがって、重度の肝機能障害患者の方は服用できません(参考7)。

デエビゴの持続時間と翌日の影響について

A woman driving a car.

デエビゴは翌日仕事がある場合でも使い勝手がいい睡眠薬とされています(参考2)。

デエビゴは、服用後約1.5時間で血中濃度が最大*に達します(参考2)。

*血中濃度が最大とは、薬が体内で最も効果を発揮するタイミングを意味します。

半減期*は、デエビゴ2.5mg群が50.6時間、デエビゴ10mg群が47.4時間が平均値となっています(参考8)。薬効は服用後すぐに始まり、夜間の睡眠中に安定して効果を発揮します。

*半減期とは、体内に入った薬などの物質が、代謝や排泄などによって半分に減るまでに要する時間を意味します。

重要なのは、薬効が持続する一方で、翌朝の血中濃度が適切に減少するため、翌朝のふらつきや眠気などの持ち越しリスクが低い点です(参考2)。

デエビゴ以外の睡眠薬について

①自然に眠りを促す薬

体内のホルモンに作用し自然な眠気を強める種類の睡眠薬です。
デエビゴに代表されるオレキシン受容体拮抗薬のほかに、メラトニン受容体作動薬があります。

メラトニン受容体作動薬

メラトニンは夜に分泌されて、明け方に光を浴びることで減少していく物質です。
この「夜のホルモン」とも言えるメラトニンの働きを強めることで、睡眠を促す仕組みとなっています。

特徴は、オレキシン受容体拮抗薬と似ており、依存性が低い点が挙げられます。

メラトニンの作用を持つ薬は、体内の生体リズムを調整し、睡眠と覚醒のサイクルを整えることで、自然な眠りに導きます。

代表的な医薬品として、ラメルテオン、ロゼレムなどが挙げられます。

②脳の働きを抑える薬

脳の神経活動を抑えることで眠気を促す薬です。
大きく分けて、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬があります。

ベンゾジアゼピン系

催眠作用に加えて抗不安作用・筋弛緩作用を持っています。そのため、睡眠障害に対して即効性は高いものの、服用には注意が必要な薬です(参考3)。

具体的には、ふらつき等が起きる可能性があるため、体を動かす仕事をしている人や車の運転等が必要な人は適切に医師に相談をする必要があります。

また、依存性はやや高いと言われています。代表的な医薬品として、ハルシオン、サイレース、リスミー、デパス、レンドルミンなどが挙げられます。

非ベンゾジアゼピン系

一方、非ベンゾジアゼピン系の薬はベンゾジアゼピン系の薬と比べて依存性が低く、辞めやすい薬とされています(参考3)。

代表的な医薬品として、マイスリー、ルネスタなどが挙げられます。

自分に合った睡眠薬の種類を相談したい場合は?

A patient consulting a doctor about sleeping pills.

デエビゴは入眠障害や中途覚醒などの症状がある人に適しています。

睡眠薬を服用すべきかや、変更の相談は内科や精神科でしましょう。
しかしそれでも、

「平日の日中は仕事が忙しくて、病院に行けない…」
「薬をすぐに処方してほしい…」

という悩みを抱えている人もいることでしょう。

そのような場合は、オンライン診療で医師に相談してみるのも一つです。

デジタルクリニックグループでは、オンライン24時間365日診療が可能です。

オンライン診療をご希望の場合、下記からご予約ください。

不眠症をオンライン診療で相談する

(参考1)Taro Kishi et al.(2021).「Evidence-based insomnia treatment strategy using novel orexin antagonists: A review」. WILEY.
(参考2)古戎道典 et al.(2021).「新規オレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント (デエビゴ錠® 2.5 mg, 5 mg, 10 mg)の薬理効果と不眠症患者における臨床的有用性 」.日薬理誌.
(参考3)斎藤かおり, 鈴木正泰(2020).「睡眠薬の適正使用 ─診療報酬改定の動向を踏まえて─」.日大医誌.
(参考4)Eisai Inc. A long-term multicenter, randomized, double-blind, controlled, parallel-group study of the safety and efficacy of lemborexant in subjects with insomnia disorder (E2006-G000-303). (Clinicaltrials.gov Identifier NCT02952820). 2018. Unpublished data on file.
(参考5)Takeshi Sakurai et al.(1998).「Orexins and Orexin Receptors: A Family of Hypothalamic Neuropeptides and G Protein-Coupled Receptors that Regulate Feeding Behavior」. Cell.
(参考6)医療用医療品添付文書情報.
(参考7)【デエビゴ】 肝機能障害患者様への投与量は?.
(参考8)【デエビゴ】半減期について教えてください。.