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2025.04.14

漢方薬で更年期障害治療 | 種類やホルモン補充療法との違いを解説

「ホットフラッシュや寝汗がひどくて眠れない」

「イライラや不安感、肩こり・腰痛や疲労感が強くて困っている」

など更年期障害によってこのような症状に悩んでいませんか?

このような更年期障害の症状はホルモン補充療法(HRT)だけでなく、漢方薬による薬物療法も効果的だと言われています。

この記事では、更年期障害の治療に用いられる漢方薬について、その種類や特徴、ホルモン補充療法(HRT)との違いをまとめて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

漢方薬で更年期障害の治療はできる?

更年期障害の治療は、西洋医学ではホルモン補充療法(HRT)などが一般的ですが、漢方薬による薬物療法も多くの医療機関で取り入れられています。

漢方薬は植物や鉱物、動物の一部から作られた生薬を組み合わせた薬です。体全体のバランスを整え、自然治療力を高めることで、更年期障害の症状を改善させる作用を持ちます。

特に、ホットフラッシュやのぼせ、発汗、不眠といった身体症状や、イライラや不安感などの精神症状まで、更年期障害の様々な症状に効果が期待できます。

また、西洋医学的な治療と比べて副作用が比較的少なく、体質改善が期待できるのも特徴です。(参考1)

更年期障害治療に用いられる漢方薬の種類

更年期障害の治療でよく用いられる漢方薬には、次の3種類があります。これらは「婦人科三大処方」とも呼ばれ、更年期障害の治療でよく使われるものです。(参考1)

・加味逍遥散(かみしょうようさん)

イライラや不安感が強く、のぼせや浅い眠りが続く場合などに処方されます。自律神経の乱れを整え、心を穏やかにします。(参考2)

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

疲れやすく、冷えやむくみが気になる方に合う漢方薬です。貧血気味で顔色が悪い、めまいがするなどの症状にも効果が期待できます。(参考3)

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

のぼせや動悸、頭痛などの症状が強い方に処方されます。特に血行を改善させる効果があり、肩こりや腰痛、冷え症状に効きます。(参考4)

漢方薬と他の薬は併用できる?

更年期障害の治療で漢方薬を使用する場合は、医師と相談しながら他の薬と併用することで、より効果的な症状の改善が期待できるケースもあります。しかし、下記の3点に注意しましょう。

・必ず医師に服用中の薬を伝える

現在服用している薬(サプリメントを含む)を医師に伝えましょう。特にホルモン補充療法(HRT)を受けている場合は、必ず相談が必要です。

・相性の悪い組み合わせもある

一部の漢方薬は血流を改善させる効果があるため、ワルファリンなどの同じような効果を持つ薬との併用には注意が必要です。服用している場合は必ず医師に相談しましょう。

・副作用のリスク

体調に変化があった場合など、副作用が疑われる際は、すぐに医師に相談しましょう。

漢方薬以外の更年期障害の治療方法

更年期障害の治療法として、漢方薬のほかにホルモン補充療法(HRT)があります。ホルモン補充療法(HRT)は、体内で減少したエストロゲン(女性ホルモン)を補充する治療法で、更年期障害の諸症状に高い効果を現します。(参考5)

ホルモン補充療法(HRT)について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。

ホルモン補充療法(HRT)と漢方療法どちらがおすすめ?

ホルモン補充療法(HRT)は、ホットフラッシュなどの症状が強い方や、骨粗しょう症の予防もあわせて行いたい方におすすめです。また、早期に症状の改善を求める方や閉経後間もない方にも効果的です。

一方、漢方療法は、穏やかな症状の改善を希望する方や、体質改善も同時に目指したい方に向いています。

なお、HRTも漢方療法も、必ずしも二者択一の治療法ではありません。例えば、HRTでメインの症状を抑えながら漢方薬で体質改善を図るアプローチや、はじめは漢方薬で様子を見ながら徐々にHRTを開始するという方法もあります。医師の指示のもと、患者の症状や希望に応じて使い分けることで、相乗効果が期待できる場合もあります。

更年期障害の基礎知識

更年期障害のメカニズムや主な症状を見ていきましょう。

更年期障害のメカニズム

更年期障害は、卵巣機能が徐々に低下することで引き起こされる症状です。40代後半から50代にかけて、卵巣から分泌されるエストロゲン(女性ホルモン)の量が減少し始めることで身体にさまざまな変化が生じます。

エストロゲンは妊娠の準備や女性らしい体を作る働きを持ち、女性の体の調子を整える大切なホルモンです。加齢によってエストロゲンの分泌量が大きく変動することで、自律神経系のバランスが乱れやすくなります。また、エストロゲンは気分の安定にも関与しているため、減少するにつれメンタルにも影響を及ぼし、イライラや不安感などにつながります。

エストロゲンの減少によりホルモンバランスが変化することで、体温調節中枢にも影響が及びます。体温調節中枢が上手く働かなくなることで、ホットフラッシュ(ほてりやのぼせ)や寝汗などの症状が目立つことも特徴です。

また、骨代謝や脂質代謝にも関わるため、骨密度の低下や体重の変化なども起こりやすくなります。(参考6)

更年期障害で起こる体の症状

更年期障害で起こる身体面の症状としては、のぼせやほてり、寝汗などが知られています。また、肩こりや頭痛、めまい、動悸といった症状も多いです。冷えやむくみに悩む方も少なくありません。

精神面では、イライラや不安感、気分の落ち込み、不眠といった症状が一般的です。集中力の低下や記憶力の減退を感じる方もいます。

ただし、症状の現れ方や程度には個人差があり、軽い方から重い方まで様々です。特に日常生活に支障をきたすほどの症状がある場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。(参考7)

更年期障害で起こる体の症状について詳しく知りたい方は、こちらも併せてご覧ください。

まとめ

更年期障害は、中年以降の女性が多く経験する幅広い症状です。ホットフラッシュやのぼせ、不眠、イライラなど、さまざまな症状が日常生活に影響を及ぼすことがあります。

漢方薬による治療は、ホルモン補充療法(HRT)と並んで広く取り入れられています。加味逍遥散、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸といった「婦人科三大処方」を中心に、症状や体質に合わせた治療が可能です。また、ホルモン補充療法(HRT)と漢方薬は必要に応じて組み合わせることもでき、相乗効果が期待できます。

なお、更年期障害で特につらい症状がある場合は早めの治療スタートをおすすめします。通院が難しい方は、オンライン診療の利用をご検討ください。デジタルクリニックグループでは、スマートフォンやパソコンから手軽に診療を受けることができ、処方されたお薬を自宅まで最短翌日にお届けいたします。

医師がお一人おひとりの症状に合わせた適切な治療法をご提案いたしますので、更年期障害でお悩みの方は、下記ページからお気軽にご相談ください。

(参考1)更年期障害 – 公益社団法人 日本産科婦人科学会

(参考2)ツムラ漢方加味逍遙散エキス顆粒 – 一般用漢方製剤・一般用医薬品 – 製品情報 – ヘルスケア製品情報サイト
(参考3)ツムラ漢方当帰芍薬散料エキス顆粒 – 一般用漢方製剤・一般用医薬品 – 製品情報 – ヘルスケア製品情報サイト
(参考4)ツムラ漢方桂枝茯苓丸料エキス顆粒A – 一般用漢方製剤・一般用医薬品 – 製品情報 – ヘルスケア製品情報サイト
(参考5)更年期障害 オンライン診療 _ デジタルクリニック
(参考6)2. 更年期障害の起こるメカニズムとは? – 日本産婦人科医会

(参考7)更年期 _ 女性特有の健康課題 _ 働く女性の心とからだの応援サイト(厚生労働省)