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2025.02.13

アフターピル(緊急避妊薬)飲んだ後の性行為は大丈夫?正しい服用方法も解説

「アフターピルを飲んだから、しばらくは避妊しなくてもいい?」

「いつから性行為をしても大丈夫?」

アフターピルを飲んだ後は、いつから避妊をしたらいいのか疑問に思う方もいるでしょう。
アフターピルは正しく使用しないと、避妊効果は十分に得られません。

この記事では、アフターピル服用後の性行為による妊娠リスクについて解説します。
また、アフターピルを服用しても避妊に失敗する原因についても説明します。

アフターピル(緊急避妊薬)服用後いつから性行為できる?

アフターピルを飲んだ後は、妊娠検査で陰性を確認するまで、もしくは生理が確認できるまでは性行為を避けましょう(参考1)。

アフターピルは、排卵を抑える、または遅らせることで避妊効果を発揮します。
そのため、飲んだ後に性行為をすると、再び排卵の時期と重なり避妊を失敗する可能性があるのです。

「アフターピルを飲んでいるから、しばらくは避妊をしなくても大丈夫だろう」という考えは誤りです。
性行為を控えられない場合は、低用量ピルや避妊具などを使用して避妊をおこないましょう

コンドームの着用は一般的な避妊方法ですが、妊娠失敗率は18%にものぼります。
一方で低用量ピルは正しく服用すれば、失敗率は0.3%です(参考2)。
確実に妊娠を避けたいときには、複数の避妊方法を使い、着実に避妊することをおすすめします。

低用量ピルについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの「低用量ピルの効果について医師が解説します」の
記事をご覧ください。

アフターピル(緊急避妊薬)を服用しても妊娠しまう原因

アフターピルを飲んでも、妊娠を100%回避できるわけではありません。
避妊に失敗してしまう原因は、以下の4つです。

  • アフターピルを正しく飲めていない
  • 効果を弱める薬・サプリメントを併用している
  • 服用後におう吐して、薬も吐いてしまった
  • 服用後に避妊をせずに性行為をした

アフターピルでの避妊成功率を上げたい方は上記を参考にしながら正しく服用することが大切です。
以下で詳しく確認してみましょう。
また、アフターピルと妊娠についてさらに詳しく知りたい方はこちらの「アフターピル(緊急避妊薬)を服用しても妊娠した?正しい服用方法も解説」の記事をご覧ください。

アフターピル(緊急避妊薬)を正しく飲めていない

アフターピルは決められた用法用量通りに服用しなければ、十分な避妊効果を発揮しません。
レボノルゲストレルは、性行為後72時間以内(エラは120時間以内)に服用しましょう
また、いずれのアフターピルも時間の経過と共に、避妊成功率が下がる傾向があります。
そのため、なるべく早く入手し、服用することをおすすめします。

相性の悪い薬・サプリメントを使っている

薬やサプリメントの中には、アフターピルの効果を弱めるものがあります。
併用を避けるべき薬やサプリメントは以下の通りです(参考3)。

アフターピルの効果を弱める薬

  • 抗けいれん薬:フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、カルバマゼピン
  • HIV治療薬:リトナビル、エファビレンツ
  • 抗酸菌症治療薬:リファブチン、リファンピシン

アフターピルの効果を弱めるサプリメント

  • セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)を含むもの

上記の薬を使っている場合には、アフターピルの処方ができない場合もあります。使っている薬やサプリメントがあるときは、事前に医師に相談しましょう。

アフターピル(緊急避妊薬)服用後におう吐してしまった

アフターピルを服用した後に、なんらかの理由で薬をおう吐してしまうと、効果が十分に出ない可能性があります

レボノルゲストレルを飲んで2時間以内(エラは3時間以内)におう吐してしまった場合は、できるだけ速やかにもう1回分を服用しましょう。

レボノルゲストレルを飲んでから2時間(エラは3時間)が経っていれば、薬剤は十分吸収されているため、おう吐しても問題ないと言われています。

アフターピル(緊急避妊薬)服用後に性行為をした

アフターピルは飲んだ後の性行為に、避妊効果は発揮されません
実際に、アフターピルの有効性は、飲んだ後に性行為がおこなわれたかに影響されるとの報告があります
(参考1)。

レボノルゲストレル1.5mgを服用した後に、性行為をおこなったグループは
64%しか妊娠を回避できませんでした

アフターピルを飲んだ後は、避妊が成功していることを確認できるまで性行為を控えましょう。
どうしても控えられない場合は低用量ピルやコンドームなどを使用して避妊をおこないましょう。

アフターピル(緊急避妊薬)の正しい服用方法

アフターピルは正しく飲むことで、8割の確率で妊娠を回避できます。
それぞれのアフターピルにおける、服用方法は以下の通りです(参考3,4)。

レボノルゲストレル(ノルレボ)性行為後、72時間以内に1錠(1.5mg)を1回経口投与
エラ(エラワン)性行為後、120 時間以内に1錠(30mg)を1回経口投与

アフターピルの種類によって、服用後の有効時間は異なります。
性行為後、規定の時間以内に1回1錠を服用しましょう。

食前、食後など、どのようなタイミングでも服用して問題ありません。
ポイントは、「できるだけ速やかに服用する」ことです。

レボノルゲストレルによる妊娠阻止率と時間経過の関係性を表しています(参考1)。
24時間以内が最も妊娠回避率が高く、時間経過とともに徐々に回避率が下がっていくことがわかっています。
そのため、アフターピルはなるべく早く服用することで、避妊の成功率を上げられるでしょう。

また、アフターピルの飲み方についてさらに詳しく知りたい方は「アフターピル(緊急避妊薬)を服用しても妊娠した?正しい服用方法も解説」の記事でもご説明しているのでご覧ください。

まとめ

アフターピルは飲んだ後の性行為に、避妊効果は発揮されません

妊娠検査で陰性を確認するまで、もしくは生理が確認できるまでは性行為を避けましょう。
また、アフターピルを服用しても妊娠してしまう原因には、服用後の性行為以外に以下の3つの原因が考えられます。

  • 正しい服用方法で使っていない
  • 効果を弱める薬・サプリメントを使っている
  • 服用後、すぐに薬をおう吐

アフターピルは正しく飲むことで、8割の確率で妊娠を回避できます。
医療機関や薬剤師からの指導をもとに、正しく服用して自分の身を守りましょう。


【参考文献】
1.日本産科婦人科学会|緊急避妊法の適正使用に関する指針 (平成28年度改訂版)|平成28年9月
2.James Trussell. Contraceptive failure in the United States. Contraception. 2011 Mar 12;83(5):397–404.
3.ノルレボ錠添付文書
4.HRA Pharma|ellaOne Package leaflet: Information for the user