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2025.05.31

マイコプラズマ(性病)の原因 | 肺炎との違いや潜伏期間を解説

「マイコプラズマ(性病)って何?」「マイコプラズマ肺炎と原因は同じ?」

マイコプラズマ(性病)は、性行為が原因で感染する性感染症のひとつで、自覚症状が少なく、気づかぬうちに周りに広がる可能性があります。混同されやすい「マイコプラズマ肺炎」とは感染経路や病原体が異なり、病態も大きく違うものになるため注意しましょう。

この記事では、マイコプラズマ(性病)の原因や潜伏期間、検査・治療方法まで詳しく解説します。

マイコプラズマ(性病)に感染する原因

マイコプラズマ(性病:Mycoplasma)は、主に性行為が原因で感染する性感染症で、オーラルセックスなどでもうつる可能性があります。(参考1)感染力が高く、自覚症状が少ないまま他人にうつしてしまうことも少なくありません。

原因となる病原体にはマイコプラズマ・ジェニタリウム」「マイコプラズマ・ホミニス」「ウレアプラズマ・ウレアリティカム」「ウレアプラズマ・パルバム」などがあり、これらは性器(腟や尿道)や咽頭などに感染して炎症を引き起こします。(参考2)クラミジアや淋病と似た症状が出ることもあるため、見分けがつきにくいのが特徴です。症状があってもクラミジアや淋病の検査が陰性だった場合、マイコプラズマ(性病)の感染に気づかず放置してしまうケースもあります。

特にパートナーとの接触があった後に、疑われる症状が現れた場合は、できるだけ早めに検査を受け、正しい診断と適切な治療を受けることが大切です。

マイコプラズマ(性病)の基本情報

マイコプラズマ(性病)は、主に性行為によってマイコプラズマ・ジェニタリウムなどの病原菌が感染して発症する性感染症です。マイコプラズマ肺炎との違いや、潜伏期間、症状について詳しく見ていきましょう。

マイコプラズマ肺炎と性病の違い

マイコプラズマ(性病)の基本情報として、まず混同されやすいマイコプラズマ肺炎との違いを理解することが大切です。マイコプラズマ肺炎とマイコプラズマ(性病)は、感染経路や症状、病原菌が異なります。

マイコプラズマ肺炎マイコプラズマ(性病)
感染経路飛沫感染、接触感染性感染(オーラルセックス、アナルセックス含む)
症状発熱や頭痛、全身倦怠感、咳などおりものの増加、性行為痛、排尿時痛、咽頭痛、不妊症状など
病原菌マイコプラズマ・ニューモニエマイコプラズマ・ジェニタリウムマイコプラズマ・ホミニスウレアプラズマ・ウレアリティカムウレアプラズマ・パルバム

参考2、3より作成

マイコプラズマ(性病)は主に性行為を介して、性器や咽頭などの粘膜部分に感染し、おりものの増加や咽頭痛などの症状を引き起こします。(参考2)それに対しマイコプラズマ肺炎は、咳やくしゃみなどによる「飛沫感染」、感染者の唾液や鼻水などの粘液との接触による「接触感染」によって、気管や気管支、肺などの呼吸器系に感染するのが主です。発熱や頭痛、全身倦怠感、咳など、風邪に似た症状を引き起こします。(参考3)

また、マイコプラズマ肺炎の主な病原菌は「マイコプラズマ・ニューモニエ」です。(参考3)このように感染経路や症状の出る部位、病原体の種類が大きく異なっているため、マイコプラズマ肺炎にかかったからといってマイコプラズマ(性病)に感染することはなく、逆も同様です。

マイコプラズマ(性病)の潜伏期間

マイコプラズマ(性病)には潜伏期間があり、感染してから症状が現れるまでには1週間から5週間ほどかかることがあります。(参考4)なかには感染しても自覚症状がほとんどない場合もあるため、知らないうちにパートナーに感染を広げてしまうリスクに注意しましょう。

マイコプラズマ(性病)の症状

マイコプラズマ(性病)の症状は、女性と男性によって異なります。(参考2)

■女性器(腟)に感染した場合

  • おりものの増加
  • 性行為時の痛み
  • 不妊症
  • 早産・流産

■男性器(尿道)に感染した場合

  • 尿道からの分泌物
  • 排尿時の痛み
  • 不妊症

■咽頭に感染した場合

  • のどの違和感
  • のどの腫れ

男女ともに性器へ感染すると、子宮頸管炎や尿道炎を引き起こすことがあり、これらを放置すると不妊のリスクが高まる可能性があります。(参考2)マイコプラズマ(性病)は症状が軽いために見逃されやすく、無意識にパートナーに感染させることもあります。「心当たりがない」状態で感染させることにもつながるため、症状が気がついたら放置せずに適切な検査・治療を行うことが大切です。

マイコプラズマ(性病)の症状に関しては、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

「マイコプラズマ(性病)の症状 | 原因や検査ができる時期を解説」はこちら

マイコプラズマ(性病)の検査方法

マイコプラズマ(性病)の検査では、腟分泌物や尿、咽頭粘液などの検体を採取し、分離培養や遺伝子検査で病原菌の有無を確認します。クラミジアや淋菌の検査が陰性だった後も症状が続く場合に追加で検査されることが多いです。(参考5)

近年は自宅で使用できる検査キットも普及しており、自身で採取した検体を指定の検査機関に郵送することで、後日検査結果を知ることが可能です。

マイコプラズマ(性病)の治療方法

マイコプラズマ(性病)の治療は、主に抗生剤による薬物療法が行われます。マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系の治療薬が用いられ、通常は内服薬として処方されます。(参考2)(参考5)治療期間は7〜14日間で、医師の指示に従って決められた日数と用量を守ることが重要です。(参考2)(参考5)

治療が終了した後は、再検査を行って病原菌が体内から完全に排除されたかを確認します。また、パートナーも同時に受診し、検査や治療を受け、再感染のリスクを防ぐことが望ましいです。(参考6)その後も予防方法として、性行為時はコンドームの装着を徹底しましょう。

マイコプラズマ(性病)に効果的な薬はこちらでも詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。

「マイコプラズマ(性病)の薬 | 原因や症状、潜伏期間を詳しく解説」はこちら

まとめ

マイコプラズマ(性病)は、主に性行為によって感染します。自覚症状が少なかったり、クラミジアや淋病と症状が似ていたりすることも多く、気づかずに放置すると不妊などのリスクも高まる場合があります。

肺炎のマイコプラズマとは異なる病原体や感染経路であるため、混同せず正しい知識を持つことが大切です。早期発見・早期治療のためにも、少しでも異変を感じたら検査を受けましょう。

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参考文献

(参考1)STD研究所”非クラミジア性非淋菌性尿道炎の解説”

(参考2)一般社団法人 日本性感染症学会”10 マイコプラズマ感染症”

(参考3)国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト”マイコプラズマ肺炎”

(参考4)一般社団法人 日本性感染症学会”日本性感染症学会誌 性感染症 診断・治療ガイドライン2016”

(参考5)一般社団法人 日本性感染症学会”子宮頸管炎の診断・治療の流れ”

(参考6)国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター ”クラミジア、淋菌、マイコプラズマ・ジェニタリウム(尿道・子宮頚管炎、咽頭・直腸感染)”