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食べ過ぎで便秘になる? | 食生活のポイントや便秘の治し方を解説

2025.06.09

食べ過ぎで便秘になる? | 食生活のポイントや便秘の治し方を解説

「食べすぎた後に便秘になった…」

実は、食べ過ぎも便秘を引き起こす大きな原因の一つです。食べ過ぎによる便秘を治すためには、食生活を見直すことが欠かせません。

この記事では、食べ過ぎによる便秘の仕組みや、改善のための食生活のポイント、治療法について詳しく解説していきます。

食べ過ぎで便秘になる原因

便秘は食事量が少ないときだけでなく、食べ過ぎでも引き起こされることがあります。普段より食べ過ぎることで、消化管の動きやリズムが乱れたり、便の性質が変わったりして排便がスムーズにいかなくなるためです。

特に外食などで一時的に暴飲暴食をすると、翌日の食事を抜くなどして食生活が不規則になり、腸のリズムが乱れやすくなることがあります。また、過食によって胃腸の働きが追いつかず、消化不良を起こすことも多いです。消化不良が起こると、体内に食べ物がうまく吸収されず、腸内で便やガスが溜まりやすくなります。

さらに、肉類など特定の食べ物を食べすぎると腸内の悪玉菌が増え、腸内環境が悪化し、腸の動きが弱まったり便が硬くなったりすることもあります。(参考1)これらの理由から、食べ過ぎも便秘やお腹の張りを引き起こす大きな原因となるのです。

便秘になったときの食生活のポイント

食べ過ぎなどで生じた便秘を改善するには、日々の食生活の見直しが重要です。まず、こまめな水分補給を心がけましょう。(参考2)水分が不足すると便が硬くなり、排便が困難になります。

また、1日3食を規則正しく摂取し、腸のリズムを整えることも大切です。さらに、食物繊維やビフィズス菌を積極的に摂取することで、腸内環境の改善が期待できます。(参考2)

食物繊維が便秘に与える影響

食物繊維は便を柔らかくし、腸のぜん動運動を促す働きがあります。大きく分けて「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。(参考2)

  • 不溶性食物繊維:水に溶けない食物繊維で、便のかさを増したり腸の動きを活発にしたりする。きのこ類、イモ類、大豆類、穀物などに多く含まれる。
  • 水溶性食物繊維:水に溶ける食物繊維で、善玉菌などの腸内細菌に作用して便を柔らかくする働きがある。海藻類、こんにゃく、果物、野菜類になどに多く含まれる。

便秘の改善には、これらを日々の食事にバランスよく取り入れることが重要です。しかし、ストレスなどが原因で腸が過敏になって便秘が生じている場合(過敏性腸症候群)は、かえって症状を悪化させることもあるため、事前に医師へ相談しましょう。(参考2)

便秘改善のために必要な食物繊維の量など、より詳しい内容を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

「食物繊維は便秘に良い?与える影響や改善する方法を詳しく解説」はこちらから

便秘の治し方

便秘を改善するためには、生活習慣の見直しと必要に応じた薬物療法が有効です。

■生活習慣の改善(参考3)(参考4)

適度な運動や規則正しい睡眠、排便のタイミングを習慣化することも大切です。

ウォーキングなどの軽い運動は、継続することで腸のぜん動運動が促進されます。また、毎朝同じ時間に起床し、朝食後などの決まったタイミングでトイレに座って排便を習慣化することも便秘解消に役立ちます。

■便秘薬の使用(参考5)

生活習慣を整えても改善しない場合には、便秘薬の使用も選択肢のひとつです。便に水分を含ませて柔らかくする「非刺激性便秘薬」(例:酸化マグネシウム)は第一選択としてよく用いられます。

一方、腸の動きを直接刺激する「刺激性便秘薬」(センノシド、ピコスルファートなど)は即効性がある反面、腹痛などの副作用を起こすこともあり、常用は避けたい薬です。便秘薬の選択に迷う場合は、医師の処方を受けるか、薬剤師に相談のうえ市販薬を使用しましょう。

便秘薬の情報は以下の記事でも詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。

「便秘治療に使われる薬 | 服用方法や選ぶ時に注意するべきことを解説」はこちらから

便秘の基本情報

慢性便秘症診療ガイドラインによると、便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。(参考6)

便秘を放置するとどうなる?

便秘を放置すると、肛門や腸にさまざまなトラブルを引き起こす恐れがあります。硬い便を無理に排出しようとして強くいきみ、肛門が切れて「切れ痔」になったり、いぼのように膨らんだ「いぼ痔(痔核)」ができたりすることがあります。さらに悪化すると痔核や直腸の粘膜が肛門の外に出てしまう「脱肛」や「直腸粘膜脱」が生じることもあるため注意が必要です。(参考3)

また、便が直腸内で固まって自力での排便が困難になる「糞便塞栓症」になった場合は、医学的処置が必要になります。直腸に便が溜まると大腸に穴が空くこともあり、最悪の場合、その穴から細菌が体内に広がると、命に関わることもあります。(参考3)

そのほか、女性では便秘によって肌荒れが起きやすくなったり、高齢者では便秘が認知症の進行を早める一因とされることもあるため、早めの対処が大切です。

まとめ

食べ過ぎは、腸のリズムを乱したり消化不良を起こしたりして、便秘の原因となることがあります。便秘を改善するには、水分補給や食物繊維の摂取、規則正しい食生活が欠かせません。それでも改善しない場合は、便秘薬の使用も検討しましょう。

また、便秘を放置すると重い症状につながる可能性があります。なかには医療的処置につながったり、最悪の場合命に関わったりすることもあるため、早めの対策が大切です。

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参考文献

(参考1)立垣愛郎:乳酸菌の健康機能. Comprehensive Medicine17 (1),8-19,2018.

(参考2)公益社団法人 千葉県栄養士会”便秘の予防と食事”

(参考3)一般社団法人 日本臨床内科医会”便秘”

(参考4)一般社団法人 日本大腸肛門病学会”たかが便秘に要注意!(たかが便秘されど便秘)”

(参考5)一般社団法人 日本消化器病学会”健康情報誌「消化器のひろば」No.25-8”

(参考6)眞部紀明,春間賢:慢性便秘症診療ガイドライン2017. 日本内科学会雑誌109 (2), 254-259, 2020.