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2025.05.26

トリコモナスの症状 | 男女別の症状や感染経路、治療方法を解説

「トリコモナスってどんな性感染症?」「男性でも発症するの?」

トリコモナスは、トリコモナス原虫によって引き起こされる性感染症で、女性と男性で症状が異なります。感染力が強く、性行為のほかに日常生活でもうつることがあるため注意が必要です。

この記事では、トリコモナスの症状や感染経路、治療方法などについて詳しく解説します。具体的な予防策もわかる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

トリコモナスの症状の違い

トリコモナス(Trichomonas)は「トリコモナス原虫」という病原体によって引き起こされる性感染症で、主に性行為によって感染します。男女ともに感染しますが、症状の現れ方に違いがあり、女性では強い不快感を伴うこともあるのに対し、男性では無症状のまま経過することも多く、気づかずに感染を広げてしまうケースがあります。(参考1)感染力が高いため、早期発見と治療が重要です。

女性の症状

女性がトリコモナスに感染すると、腟や子宮頸管に炎症を引き起こし、初期症状として泡状で悪臭(魚が腐ったような臭い)のするおりものの増加が見られるのが特徴です。また、外陰部や腟のかゆみ、ヒリヒリとした痛みを伴うこともあります。(参考1)

しかし、女性でも2〜5割は自覚症状がないまま経過するため、異常を感じなくても感染している可能性があります。(参考1)そのため、感染に気づかずにパートナーにうつしてしまうリスクに注意が必要です。

妊婦の症状

妊娠中にトリコモナスに感染・発症すると、流産や早産などの妊娠経過に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。(参考2)(参考3)胎児へ感染させる可能性もあるため、妊婦は特に注意が必要です。

自覚症状が少ないこともあるため、定期的な検査と、陽性時における早めの治療が推奨されます。気がかりな症状があれば、できるだけ早く医師に相談するようにしましょう。

男性症状

男性の場合、尿道から膿のような分泌物が出たり、排尿時の痛みを感じたりする症状がありますが、ほとんどの人は自覚症状がないまま感染していることが多いです。(参考1)

症状が出ていても軽微なため見逃されがちですが、実際には尿道や前立腺、精嚢まで炎症が広がっていることも多いです。(参考1)無症状でも陽性の検査結果が確認された場合は、適切な治療が必要になります。

トリコモナスに感染する原因

トリコモナスは、主に性行為を通じて感染する性感染症ですが、感染力が強いため、日常生活で思いがけず感染することもあります。そのため若年層だけでなく、中高年層にも感染者が見られるのが特徴です。性行為の経験がない人でも感染する可能性があるため、誰でも注意が必要な感染症といえます。(参考1)

トリコモナスの感染経路

トリコモナス原虫は、腟分泌液や精液を介して感染します。感染部位は女性では腟や子宮頸管、男性では尿道、前立腺、精嚢などが中心です。(参考1)病原体となるトリコモナス原虫は、肉眼では確認できないほど小さな微生物で、性行為時の粘膜同士の接触により容易に感染します。

性交渉以外からもトリコモナスは感染する?

トリコモナスは性行為以外でも感染することがあり、感染者が使用したタオルや下着、便器、浴槽などを介してうつる場合があります。(参考1)感染力が強く、子どもや性経験のない人が感染することもあります。心当たりがなくても感染している場合があるため、症状があれば早めの検査を受けることが大切です。

トリコモナスの治療方法

トリコモナスは自然治癒することがなく、確実な治療のためには薬物療法が必要です。治療には5-ニトロイミダゾール系の「メトロニダゾール」という抗原虫薬が使用され、内服薬または腟錠として処方されます。一般的な治療期間は10〜14日間程度です。(参考4)

特に妊娠3ヶ月以内の方には、胎児への影響を考慮して腟錠が選ばれることが多く、安全性に配慮した治療が行われます。(参考4)治療終了後は、再度検査を行い陰性であることを確認できれば、治療は完了とされます。

トリコモナスの治療に関しては以下でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

「トリコモナスの治療方法 | 治療薬や検査方法を詳しく解説」はこちらから

トリコモナスの検査ができる時期

トリコモナスは感染が疑われたタイミングからすぐに検査可能です。(参考1)自覚症状がなくても、パートナーに感染の可能性がある場合は検査を受けることが推奨されます。また、感染の再発や再感染を防ぐために、パートナーも同時に検査・治療を行うことが重要です。

トリコモナスの予防方法

トリコモナスの感染を防ぐためには、性行為だけでなく生活上の予防策が効果的です。性行為ではコンドームを正しく使用し、不特定多数とすることは控えましょう。家族に感染者がいる場合は、タオルや下着などの私物の共用や、便座や浴室の椅子に性器が直接触れることを避けるのも大切です。

まとめ

トリコモナスは感染力の強い性感染症であり、男性よりも女性で不快な症状が現れやすい傾向にあります。無症状でも感染している可能性があるため、少しでも疑いがあれば検査をすることが大切です。

トリコモナスは性行為以外でも感染するリスクがあるため、日常生活でも予防対策を徹底する必要があります。ご自身とパートナーの健康を守るためにも、正しい知識と対応を心がけましょう。

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参考文献

(参考1)STD研究所 ”トリコモナスの解説”

(参考2)日本臨牀 “性感染症と母子感染”

(参考3)東京都保健医療局 “トリコモナス症”

(参考4)一般社団法人 日本性感染症学会 “腟トリコモナス症” (参考5)日本性感染症学会誌 ”性感染症 診断・治療 ガイドライン2016”