fbpx

2025.05.17

漢方薬でニキビ治療 | 効果・効能やその他の治療方法を詳しく解説

ニキビは思春期だけでなく、大人になってからも多くの人を悩ませる皮膚のトラブルです。ニキビ治療に漢方薬が用いられることがありますが、「漢方でニキビは治るのか?」「どんなニキビに漢方が効くのか?」などの疑問をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、そんな疑問にお答えしながら、漢方薬によるニキビ治療の効果や効能について詳しく解説します。また、ニキビの基礎知識や主な症状、さらに漢方薬以外の代表的な治療法についてもご紹介します。

ニキビ治療に使われる漢方薬とその効果・効能

ニキビの治療には、以下の漢方薬が用いられる場合があります(参考1)。

  • 十味敗毒湯

赤く腫れて膿んでいるニキビに使われることがあり、特に他の治療が効かなかったときの選択肢になります(参考1)。じんましんや湿疹、水虫など、皮膚の炎症にも使われることがあります(参考2)。

初期のニキビ(毛穴に皮脂がたまっている状態)にも使うことはできますが、あまり効果は期待できないと考えられています(参考1)。

  • 荊芥連翹湯

赤く腫れたニキビや、初期のニキビに対し、他の治療がうまくいかない場合に選択肢となることがあります(参考1)。また、ニキビ以外にも、蓄膿症(ちくのうしょう)や鼻炎、扁桃炎にも効果が期待できます(参考3)。

  • 桂枝茯苓丸

体格がしっかりしていて、顔が赤くなりやすく、お腹(とくに下腹部)に張りや痛みがある方に向いているとされるお薬です(参考4)。女性特有の不調(生理不順や更年期の症状など)に使われることが多いです(参考4)。

ニキビに使われることもありますが、あまり効果は期待できないと考えられています(参考1)。

  • 黄連解毒湯

体力があり、のぼせやすく、イライラしがちな方に向いており、鼻血や不眠、胃の不調、皮膚のかゆみなどにも使われます(参考5)。顔が赤くなりやすいタイプの方のニキビに使われることもありますが、あまり効果は期待できないと考えられています(参考1)。

  • 清上防風湯

赤く腫れたニキビに対して、他の治療が効かないときに使われることがあります(参考1、6)。

 

漢方薬の副作用

漢方薬では以下の副作用がまれにみられることがあります(参考2、3、4、5、6)。

  • 偽アルドステロン症

【この症状が発生する可能性がある薬:十味敗毒湯、荊芥連翹湯、清上防風湯】

体に水分がたまり、むくみや高血圧、筋力の低下などが起こることがあります。

  • ミオパチー

【この症状が発生する可能性がある薬:十味敗毒湯、荊芥連翹湯、清上防風湯】

筋肉が弱くなり、力が入りにくくなることがあります。

  • 間質性肺炎

【この症状が発生する可能性がある薬:荊芥連翹湯、黄連解毒湯】

咳や息苦しさ、発熱が続くことがあります。

  • 肝機能障害・黄疸

【この症状が発生する可能性がある薬:荊芥連翹湯、桂枝茯苓丸、黄連解毒湯、清上防風湯】

だるさ、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなるなどの症状が出ることがあります。

  • 腸間膜静脈硬化症

 

【この症状が発生する可能性がある薬:荊芥連翹湯、黄連解毒湯、清上防風湯】

腸の血管がかたくなり、お腹の痛みや便秘などが起こることがあります。

 

漢方薬を服用する際の注意点

漢方薬を服用する際には、以下の点に注意が必要です(参考2、3、4、5、6)。

  • 体質や症状に合わせて使う

自分の体質や症状に合った漢方薬を使うことが大切です。効果が見られない場合は、続けるのをやめましょう。

  • の漢方薬との併用に注意

複数の漢方薬を同時に使うと、生薬の成分が重なってしまうことがあります。医師や薬剤師に相談してください。

  • 血清カリウム値や血圧に注意

十味敗毒湯、荊芥連翹湯、清上防風湯にはカンゾウという成分が含まれており、血圧や血液中のカリウム値に影響を与えることがあります。そのため、定期的なチェックが重要です。

  • 長期間の服用は検査が重要

荊芥連翹湯、清上防風湯、黄連解毒湯に含まれるサンシシは、長期間(5年以上)使うと、大腸に問題が起こることがあります(参考3、5、6)。長く使う場合は、CTや内視鏡検査などで定期的に調べることが勧められます。

ニキビの基礎知識

にきびは、皮膚に慢性的な炎症が起こる病気で、特に思春期に多く見られます(参考7)。

毛穴の中に皮脂(肌のあぶら)がたまって、そこに古い角質や汚れがつまることで出来始めます(参考7)。つまった毛穴の中では、アクネ菌という常に皮膚にいる菌が増えてしまい、炎症が起こります。これによって、赤く腫れたり膿んだりといった症状が出ます(参考7)。

症状が長く続いたり悪化すると、治りにくいニキビ跡が残ることがあります(参考7)。また、見た目の変化から周りにからかわれたり、自分に自信が持てなくなって学校に行きづらくなるなど、心の問題が起こることもあります。

ニキビの症状

ニキビは、まず毛穴に皮脂がつまってでき始めます(参考7)。この段階では白っぽく見える「白ニキビ」や、黒く見える「黒ニキビ」ができます。

そのまま悪化すると、赤く腫れて痛みを感じるようになったり、膿がたまってくることがあります(参考7)。さらにひどくなると、しこりのように固くなったり、皮膚の下に膿のかたまりができることもあります。

なお、ニキビが治った後も赤みがしばらく残ることがありますが、これは時間がたてば薄くなることが多いです(参考7)。ただし、炎症が強かった場合は、ニキビの跡がへこんだり盛り上がったりして残ることもあります。

漢方薬いがいのニキビの治し方

ニキビを治す方法としては、以下が一般的です(参考7)。

  • 毛穴のつまりを防ぐ「アダパレン」

アダパレンは、毛穴の中に皮脂が詰まるのを防ぎ、ニキビの「でき始め」を抑える作用が期待できる外用薬(ぬり薬)です。初期のニキビによく使われ、ニキビができにくい肌へと導いてくれます。

  • 菌を抑える「過酸化ベンゾイル」

過酸化ベンゾイルは、ニキビの原因となるアクネ菌を殺菌し、毛穴の詰まりの改善が期待できる薬です。

  • 炎症が強い場合は抗生物質

赤く腫れているニキビや、膿がたまっているような状態には、抗生物質が用いられる場合があります。

ニキビの治療法について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

「ニキビの治し方 | 薬を使った治し方やセルフケア方法を詳しく解説」の記事はこちらから

自分でできるニキビの対策方法

自宅でできるニキビの対策方法として、主に以下が挙げられます(参考7)。

  • ストレスの少ない規則正しい生活

寝る時間がバラバラだったり、食事のリズムが乱れていたりすると、体のホルモンバランスが崩れ、皮脂が増えやすくなります。夜はできるだけ同じ時間に寝て、朝起きる習慣をつけましょう。「ちゃんと寝ること」が肌を守る第一歩です。

  • ニキビを潰したり、触ったりしない

ニキビを見つけると、つい気になって触ったり、潰したくなったりするかもしれません。しかし、それにより手の雑菌が入り、炎症がひどくなったり、ニキビ跡が残る原因になります。どうしても気になるときは、清潔な手で洗顔をするか、医師に相談しましょう。

  • 洗顔は1日2回、洗顔料を使う

顔の皮脂が気になって何度も洗いたくなるかもしれませんが、1日2回(朝・夜)で十分です(参考7)。洗顔料は刺激の少ないタイプを選び、ゴシゴシこすらずに、ぬるま湯でやさしく洗いましょう。

「ニキビ 対策」内部リンク

まとめ

ニキビ治療における漢方薬は、体質や症状に応じて有効な選択肢となる場合がありますが、副作用や適応の違いに十分な注意が必要です。いずれの治療法を選ぶにしても、継続的な経過観察と医師との相談が大切です

ニキビに合った漢方薬を相談したい場合は?

漢方薬は体質や症状に応じて選ばれ、ニキビの根本改善を目指します。どの漢方薬が合うか、変更が必要かなどは受診をして相談するのがおすすめです。

しかし、

「平日の日中は仕事が忙しくて病院に行けない…」

「薬をすぐに処方してほしい…」

という悩みを抱えている人もいることでしょう。そのような場合は、オンライン診療で医師に相談してみるのも一つです。

デジタルクリニックグループでは、オンラインで24時間365日診療が可能です。

オンライン診療をご希望の場合、下記からご予約ください。

オンライン診療はこちらから

参考文献

(参考1)尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023

(参考2)医療用医薬品 : 十味敗毒湯

(参考3)医療用医薬品 : 荊芥連翹湯

(参考4)医療用医薬品 : 桂枝茯苓丸

(参考5)医療用医薬品 : 黄連解毒湯

(参考6)医療用医薬品 : 清上防風湯

(参考7)日本皮膚科学会