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2025.05.11

生理前はニキビが増える?原因や特徴、治療方法を詳しく解説

「生理前になるとニキビができやすい」「肌の調子がなんとなく悪い」と感じたことはありませんか?毎月、同じ時期にニキビができて悩んでいる方も多いでしょう。女性のニキビは、ホルモンバランスや生活習慣の影響を大きく受けると言われています。この記事では、生理前にできるニキビの原因や特徴、そして治療方法についてわかりやすく解説します。

生理前にニキビができやすい原因

生理前にニキビができやすい主な原因は、以下のものが考えられます。

  • 性ホルモンバランスの変化(参考1)

女性にはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンがあり、生理周期に合わせてこの2つのホルモンの分泌量が変化します。生理前(黄体期)になるとプロゲステロンの分泌が多くなります。このプロゲステロンは、男性ホルモンと似た働きを持ち、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を増加させる効果を持ちます(参考2)。プロゲステロンが増える生理前は、皮脂分泌が増え、毛穴の詰まりや炎症が起きやすい状態になってしまい、ニキビができやすくなってしまいます。

  • ストレスによるもの(参考1)

生理前はホルモンバランスの変化が大きく不安やストレスを感じやすい状態になっています。また、他の症状も併発する月経前症候群(PMS)と呼ばれる状態になっている可能性もあります。月経前症候群とは、月経前におこるこころとからだの不調のことです(参考3)。ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンが分泌され、肌のバリア機能が低下することによりニキビができやすい状態になってしまいます。

生理前にニキビができやすい状態になるということはお分かりいただけたと思うのですが、ここで一般的なニキビ形成の仕組みについて簡単に紹介いたします。ニキビの原因は、皮脂の分泌が多いことと毛穴の先が詰まることで毛穴の中に皮脂がたまることで始まります。これによりアクネ菌が増えやすい環境となり炎症を起こして赤いぶつぶつしたニキビや膿が溜まったニキビを引き起こします。(参考1)

ニキビの原因についてより詳しく知りたい方は、こちらをお読みください

「ニキビの原因 | 思春期ニキビと大人ニキビの違いや治し方を解説」 はこちらから

生理前のニキビの特徴は?

生理前のニキビがどこにできるのかや程度など、特徴について解説します。

  • 口や顎周りにできやすい

生理前のニキビができるところは男性ホルモンの影響を受けやすいところとなります。具体的には口や顎周り、眉間やおでこといった部分に主にできます。皮脂腺というものは主に毛とともに存在しています。男性のひげを考えて見ればわかるように口や顎には多くの皮脂腺が存在しています。前述したように、プロゲステロンは皮脂腺に作用するため自ずと口や顎周りにニキビができやすくなっています。

  • 悪化しやすい

生理前には、肌のバリア機能も低下してしまいます。これは肌のバリア機能を持つエストロゲンの分泌が減少することによるもので、生理前にはエストロゲンの分泌量が低下してしまうため、他の時期よりも肌が弱くなってしまっています。それにより普段以上に肌荒れしやすくニキビがひどくなりやすい状態になってしまいます。また、ストレスの感じやすさやプロゲステロンによる皮脂の増加など悪化しやすい様々な要因が重なっている状態になっています。

  • 繰り返しやすい

生理周期に合わせてニキビが生じるため、繰り返し発生することが多いのが特徴となっています。また、面ぽうと呼ばれるニキビの初期段階で毛穴に角質や皮脂が詰まったものが残っている場合、生理周期に合わせて同じ部位にニキビが発生する可能性があります。

  • 他の症状と併発することも

月経前症候群によってニキビができている場合、不眠や倦怠感、便秘など他の症状も生じる可能性があります。もし複数の症状がでている場合は、病院を受診され適切な治療を行っていくことをおすすめします。

生理前のニキビはいつから起こる?

  • 生理開始の一週間前ごろから

ニキビの原因となるプロゲステロンは排卵後の6〜8日後に最も多く分泌されます。黄体期(排卵後〜生理)の長さは比較的一定の長さで14日であるため、生理の一週間前ごろはちょうどプロゲステロンの分泌がピークを迎える時期にあたります(参考4)。このタイミングでホルモンの影響を受け、肌にニキビができやすくなると考えられています。

生理前にできるニキビに効果的な治療方法

生理前にできるニキビに効果的な治療方法は、以下のような治療法があげられます。

  • 低容量ピルによる治療

低容量ピルを飲むとホルモンが安定して供給されるため、過剰な黄体ホルモンを抑えホルモンバランスを整えることができ、ニキビの予防や改善に効果があるとされています。服用される際は必ず医師に相談し、定期的なフォローアップを行いながら治療を進めることが重要です(参考5)。

  • 桂枝茯苓丸(漢方薬)による治療

桂枝茯苓丸はホルモンバランスの乱れなどによるニキビをカラダの内側から治す漢方薬です。これを服用することでニキビの改善やPMSの改善が期待できます。服用にあたって注意が必要な患者や副作用がございますので、使用には注意が必要です(参考6)。

  • アダパレン(外用薬)による治療

アダパレンは、皮脂や古い角質が毛穴に詰まるのを防ぐ薬で、洗顔後などに塗る塗り薬となります。ニキビの治療や再発予防に効果が期待されていますが、妊娠中の方など使用が禁止されている状況があるので使用には注意が必要です(参考7)。

ニキビの治し方についてより詳しく知りたい方は、こちらをお読みください

「ニキビの治し方 | 薬を使った治し方やセルフケア方法を詳しく解説」 はこちらから

低容量ピルを用いたニキビ改善についてより詳しく知りたい方は、こちらをお読みください。

「低用量ピルでニキビ改善 | おすすめのピルや注意点を解説」 はこちらから

日常からできるニキビの対策方法

日常からできるニキビの対策方法は、以下のような方法があげられます。

  • 周期に合わせたスキンケア(サイクルシンキング)

サイクルシンキングとは生理周期に合わせた日常生活の見直しを行うことで、海外で話題となっている考え方です。サイクルシンキングではスキンケアのみにとどまらず日常生活全体を見直すことになるので、ニキビ改善だけでなくPMSなどの改善にもつなげることができる可能性があります。自分にあったケア方法を見つけていくことが重要となります。

  • 睡眠の見直し

睡眠不足はホルモンバランスの乱れにつながりニキビ悪化の原因になる可能性があるので一度見直してみるのも効果的な可能性があります。特に生理前はできるだけ規則正しい生活をこころがけましょう。

  • ストレス管理

前述した通りストレスを感じているとニキビができやすくなってしまいます。運動や趣味、リラックスできる音楽を楽しむなど自分なりにストレスを軽減する工夫を行って、ストレスが大きくならないように心がけましょう。

「ニキビ 対策」内部リンク

まとめ

生理前のニキビの原因としてはホルモンバランスの変化や月経前のストレスの増加などがあげられます。生理前は、ニキビができやすい状況であり、普通の状態ではありますが、食生活の改善や睡眠の改善などにより、改善することができる場合があります。また、症状が酷かったり、随伴する症状がある場合は、医療機関を受診して適切な治療を行うことで、効果的に治療し、再発を予防することが期待できます。規則正しい生活やサイクルシンキングを取り入れて、生理前の敏感な肌とうまく付き合っていき、健康的な肌を目指していきましょう。

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(参考文献)

参考文献1:にきびー皮膚科Q&A 日本皮膚科学会

参考文献2:東京大学大学院総合文化研究科「皮膚細胞は独自に女性ホルモンを合成し、それが皮膚細胞の活動を制御している」

参考文献3:月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS) 日本産科婦人科学会

参考文献4:女性の生殖内分泌学 – 18. 婦人科および産科 – MSD Manuals

参考文献5:東京大学医学部形成外科 荒木淳 吉村浩太郎「抗アンドロゲン薬、経口避妊薬を用いたニキビ治療」

参考文献6:医療用医薬品 : 桂枝茯苓丸

参考文献7:医療用医薬品:アダパレン