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2025.04.29
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
デジタルクリニックグループは、オンライン診療と対面診療を提供するクリニックです。 オンライン診療なら来院不要でスマホから24時間365日、全国どこでも受診できます。 20以上の幅広い診療科目に対応しており、お薬は最短で当日発送、翌日に自宅に届きます。
この記事を読まれている方の中には「数日間、便がでてないけど、大丈夫かな…」など不安がある方も多いのではないでしょうか?厚生労働省の国民生活基礎調査によると、便秘の症状を感じている人は全体で35.9%、65歳以上では71.2%であり、多くの方が便秘の症状を抱えているといえます。(参考1)
この記事では「何日便が出ないと便秘なの?」という皆さんの疑問に答えた上で、基本的な便秘の知識を解説します。
目次
便秘の定義に、何日以上排便がなかったら便秘という明確な決まりはありません。
便秘は単に排便回数だけでなく、便の性状や排便時の症状も含めて総合的に判断されます。
毎日排便がなくても、便がバナナ状で柔らかく、排便時のいきみや残便感・排便困難などの症状がなければ便秘とはいえません。ただし、週に排便が1回または2回しかない人は、お腹のはりや排便困難に悩むことが多いとされており、こういった場合には便秘といえます。
一つの目安として、週に3回以上、つまりおおよそ2〜3日に1回の頻度で排便があるかどうかを基準に、便秘の可能性を検討することができます。(参考2)
便秘を放置すると、便の水分が腸管から体内に吸収されることで、便がさらに硬くなり、より深刻な便秘をひきおこします。
さらに、腸内に滞留した硬い便が大腸にダメージを与え、大腸が血流障害を起こし、糞便性腸閉塞、大腸潰瘍や大腸穿孔といった命に関わる合併症を引き起こす可能性もあります。これらの合併症は70歳以上の高齢者、特に女性に多く報告されており、特に脳血管疾患・糖尿病・高脂血症・腎不全といった血管にダメージを与える病気や、膠原病、精神疾患を患っている方に多く報告されています。(参考3)
便秘を主訴に病院を受診した場合、医師が便秘と診断する上で最も重要とすることは問診です。排便の頻度や便の硬さに加え、排便の際にいきむ必要があるか、残便感があるか、腹痛といった腹部症状があるか、生活にどれほど影響しているかなどを正確に医師に伝えることが大切です。
問診をもとにお腹の触診などを行う医師もいるでしょうし、必要に応じて便潜血検査、レントゲン検査、CT検査、大腸内視鏡検査、血液検査が提案される可能性もあります。特に便潜血検査は大腸がんのスクリーニングに有効とされていますが、診断には不十分です。大腸がんやその他大腸に病気を疑う所見がある場合には、診断のために大腸内視鏡検査が必要になる場合もあります。(参考2)
便秘になる理由の多くは食習慣、睡眠など生活習慣の乱れやストレスに由来すると言われており、食事、運動、生活習慣を見直すことが便秘の解消につながります。
個人の生活習慣にもよりますが、水分摂取を増やすことやバランスのとれた食事を心がけ、特に食物繊維・発酵食品・乳酸菌の摂取は便秘の改善に有効である可能性が示唆されています。また、運動不足を実感している方は日々の生活にウォーキングなど有酸素運動を取り入れてみてください。さらに、十分な睡眠をとることはストレス解消につながり便秘の解消に有効である可能性があります。
近年では内服薬や浣腸薬の種類も多様となり、症状に応じて便秘薬を選ぶことができます。便秘薬について、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
「便秘治療に使われる薬 | 服用方法や選ぶ時に注意するべきことを解説」はこちらから
便秘は排便の回数や便の硬さに加え、排便時のいきみや残便感といった主体的な症状を合わせて診断されます。つまり、「コロコロとした兎のフンのような便や、カチカチの便が出る」、「排便の回数が少ない」といった状態に加えて、「いきんでもなかなか出ない」、「出たあとにスッキリしない(残便感がある)」、「出すのがつらい、出にくい」、こういった症状があってつらい場合に便秘症が疑われます。
便秘は大きく腸の働きの以上による機能性便秘、腸の病気による気質性便秘、全身の病気による症候性便秘、薬剤の副作用として起こる薬剤性便秘の4種類に分類されます。以下の記事で便秘の種類について詳しく説明しているので、詳しく知りたい方は是非ご参照ください。
「便秘の種類 | 便秘になってしまう原因や解消方法も詳しく解説」はこちらから
厚生労働省の国民生活基礎調査で、便秘の症状がある人は女性43.7%と男性27.5%と報告されています。女性に便秘が多い原因は、①筋肉量、②ホルモン、③食事量の3つの影響と主に考えられています。
女性は男性に比べて筋肉量が低い傾向にあり、骨盤の形状が異なります。さらに、月経前や妊娠中にはプロゲステロンというホルモンの分泌量が増え、腸のぜん動運動が抑制されることで便秘になりやすいです。最後に食事量に関しても女性の方が少ない傾向にあり、特にダイエットをしている女性はより便秘になりやすいと考えられています。(参考1)
便秘には様々な種類や病態があり、人によって原因や解消法も異なります。排便に関して気になる症状があるという方は我慢せずに医療機関で相談することをおすすめします。便秘の中には重大な病気が隠れている場合もあります。正しい診断を受けることで日々の不安も軽減され、さらに正しい治療を受けることで症状の改善、生活の質の向上につながると考えられます。
デジタルクリニックグループでは、オンラインで24時間365日診療が可能です。オンライン診療をご希望の場合は下記からご予約ください。
https://digital-clinic.life/online/constipation/
参考文献
(参考1)2022年(令和4年)国民生活基礎調査の概況
(参考2)10歳代若年者に発症した宿便性 S 状結腸穿孔の1例
(参考3)便通異常症診療ガイドライン2023 慢性便秘症
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