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2025.05.13
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
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高血圧は放っておくと深刻な病態にもおちいる可能性のある生活習慣病です。高血圧のリスクをおおむね理解している方のなかには「どうやって予防したらいいの?」「家族が高血圧だから自分もならないか心配…」と不安に思う方もいるのではないでしょうか?
この記事では高血圧の予防方法や原因、治療方法などについて解説していきます。
目次
高血圧を予防するためには、日々の生活を見直すことが重要です。食事、運動、生活習慣の3つの側面からアプローチすることで、高血圧のリスク軽減が期待できます。
食事の見直しは、高血圧予防の基本です。まず、食塩摂取量を1日6g未満に抑えることを心がけましょう。加工食品や外食を控え、薄味を意識した減塩調理を心がけることが大切です。
また、カリウムやカルシウム、多価不飽和脂肪酸を含んだ食べ物を積極的に摂取することも重要です。これらの栄養素を含んだ青魚(サバやサンマなど)や乳製品、野菜、果物、海藻類、きのこ類、ナッツ類などは、血管を保護し、血圧を安定させる効果があります。しかし、腎疾患や糖尿病がある方は、果物に含まれている糖分などを過剰に摂取するとかえって体に負担が生じる可能性があるため、医師に適切な摂取量を相談するようにしましょう。
高血圧の予防には、適度な運動習慣をつけることも重要です。毎日30分以上、または週180分以上の有酸素運動を継続しましょう。速歩のウォーキングやステップ運動、ジョギング、ランニングなどがおすすめです。運動は「ややきつい」と感じる程度の強度で行うことがポイントです。さらに、筋力トレーニングやストレッチなども併用すると、筋肉量を維持でき、より降圧効果が高まりやすくなります。
高血圧に効果的な運動方法についてより詳しく知りたい場合はこちらもご覧ください。
「運動療法で高血圧を改善する | 頻度や方法、その他の治療方法を解説」 はこちらから
その他の生活習慣として、節酒、禁煙を心がけ、十分な睡眠を確保するようにしましょう。飲酒は男性だと1日のアルコール量が20〜30ml以下(日本酒1合、ビール中瓶1本程度)、女性で10〜20ml以下に制限すると良いと言われています。
また、ストレスをためないように、リラックスできる時間を作ったり、趣味を楽しんだりすることも大切です。急激な寒冷刺激は血圧を上昇させる可能性があるため、冬場は防寒対策をしっかり行ってください。適正な体重を維持して、体格指数(BMI※)を25.0kg/m2未満に管理することも、高血圧予防につながります。
(※)BMI:体重(kg)÷(身長(m))2で計算する
出典:非定非常利活動法人日本高血圧学会「高血圧の話」
高血圧は日本の生活習慣病の一つで、収縮期血圧が140mmHg以上、もしくは拡張期血圧が90mmHg以上の状態が日常的に続くことで診断されます(※)。そもそも血圧とは、心臓から送り出された血液が全身の動脈壁を押す圧力のことを指しますが、動脈が厚く硬くなったり(動脈硬化)、心臓から血液を送る圧力が強くなったりすると、高血圧になりやすくなります。
(※)診察室血圧の場合。家庭血圧の場合はそれぞれ基準値が5mmHg低くなる
高血圧は特定の病気が原因ではない「本態性高血圧」と、睡眠時無呼吸症候群(就寝中に呼吸が止まる病気)や腎臓、甲状腺の病気などが原因で起こる「二次性高血圧」にわかれます。
日本人の高血圧症の大部分は本能性高血圧に分類され、第一の要因として塩分の過剰摂取が挙げられます。その他、カリウム(野菜・果物)の摂取不足、肉中心の食生活、過度な飲酒、喫煙、肥満、運動不足、睡眠不足、過重労働、寒冷環境、ストレスなども重要な要因です。また、遺伝的な要因も発症に関与するため、両親や兄弟、親族が高血圧の場合は特に注意する必要があります。
高血圧の原因についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
「高血圧の原因 | 症状や分類、治療方法を詳しく解説」 はこちらから
高血圧の状態を放置させると、動脈が厚く硬くなる影響で、血管や臓器に関連した深刻な合併症を引き起こすリスクが高まります。
狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管障害のほか、大動脈瘤などの生命維持に重要な血管の状態も脅かされます。これらは致死的な状態になるだけでなく、早期に治療を始めなければ後遺症が残る病気です。
また、腎不全や慢性腎臓病、糖尿病のリスクも高まり、生涯治療が必要になる可能性があります。これらの病気におちいる前に、定期的な血圧測定をして高血圧を早期に発見し、適切な管理をすることが重要です。
高血圧の病気についてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
高血圧の治療は、上述した食事療法や運動療法などの日常生活の改善に加え、薬物療法を行います。薬物療法では、血管の収縮を抑える薬(カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、レニン阻害薬など)、心臓の過剰な活動を抑える薬(β遮断薬など)、体内の余分な水分や塩分を排出させる薬(利尿薬など)の3種類が使用されます。患者の個々の合併症の有無や年齢などに応じて処方されるのが一般的です。
降圧剤の詳細はこちらで解説していますので、ぜひご覧ください。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
高血圧の予防には食事と運動、生活習慣を見直すことが重要です。特に日本人は塩分の過剰摂取によって高血圧が生じやすく、血圧が高い状態を放っておくと深刻な合併症につながる可能性もあります。高血圧は自覚症状が少なく、定期的な血圧測定によって早期発見することが重要な病気です。日常生活で予防策や血圧測定を心がけて、健康的な毎日を過ごしてください。
日本医師会「超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き」
非定非常利活動法人日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン 2019(JSH2019)」
厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧症を改善するための運動」
非定非常利活動法人日本高血圧学会「高血圧の話」
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