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2025.04.26
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
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「最近、ドクドク耳鳴りがするようになった」
このような耳鳴りは高血圧が原因かもしれません。高血圧による耳鳴りは、血管の異常によって起こることが特徴で、予想外の病気が隠れている可能性があります。
この記事では、高血圧で起こる耳鳴りの特徴や治療方法についてお話ししていきます。
目次
耳鳴りは、高血圧によって起こる場合があります。高血圧による耳鳴りは、耳の機能異常によるものではなく、血管の異常によって起こることが多いです。
高血圧によって、耳や首の周りの血管に異常が生じると、耳鳴りにつながります。高血圧が続くと、血液が流れる際にこれらの血管に負担が生じ、損傷を受けたり動脈硬化が生じたりします。すると、血管の変形や狭窄などにつながり、血液が流れるときに異常な音として聞こえるようになるのです。
高血圧で耳鳴りが聞こえる段階になると「頸動脈狭窄」「動脈瘤」「内頸動脈走行異常」などの血管の病気が起きていることも多いです。また、血圧が高いまま放っておくと、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症におちいるリスクも高くなります。高血圧に伴う耳鳴りの症状が出現したら、できるだけ早めに適切な治療を受けたほうが良いでしょう。
高血圧による耳鳴りの症状として「ドクドク」「ザーザー」といった拍動性の音が特徴的です。これらの音は、心臓の拍動に合わせて聞こえることが多く、特定の検査機器を使用すると周りの人にも聞こえることがあります。
また、耳鳴りだけでなく、頭痛や頭重感、めまい、動悸、肩こりなどの症状を伴うこともあります。特徴として、耳の機能異常によって起こる一般的な「キーン」という音が聞こえる場面は少ないかもしれません。
高血圧による耳鳴りの治療は、高血圧自体の治療を行うことが一般的です。医師は降圧剤や漢方薬を処方して血圧をコントロールし、経過を観察します。
高血圧に伴って血管の病気が起きている場合は、それに対する治療も行われます。血圧をコントロールしても治らなかったり、原因となる血管の病気が見つからなかったりする場合、他の耳鳴りの原因が隠れている場合があるため、より詳細な検査が必要です。
高血圧による耳鳴りの予防には、薬物療法と併せて高血圧の管理が重要です。塩分を控えた食事や適度な運動習慣、禁煙、節酒、ストレス発散などの生活習慣の改善が効果的です。生活習慣を改善することで、血圧を正常範囲内に維持できれば、耳鳴りの予防や症状の軽減につながります。
別名「サイレントキラー」とも呼ばれる高血圧は、日本で最も患者数の多い生活習慣病です。自覚症状がなく、放置するとあらゆる合併症につながるリスクが高くなります。診察室で測定した血圧が、収縮期血圧で140mmHg以上、または拡張期血圧で90mmHg以上の状態を指します(※)。
※収縮期血圧(最高血圧)は心臓が収縮して全身に血液を送り出す際の血圧で、拡張期血圧(最低血圧)は、心臓が拡張して血液が左心室に戻る際の血圧を指す
一般的に正常血圧と呼ばれるのは、収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧80mmHg未満(自宅で測定する場合は、115/75mmHg未満)です。血圧は加齢によって上昇しやすく、高齢者が高血圧の治療をする場合、目標とする血圧の基準値は、75歳未満で130/80mmHg未満(家庭での血圧は125/75mmHg未満)、75歳以上で140/90mmHg未満(家庭での血圧は135/85mmHg未満)とされています。
高血圧の基準についてより詳しく知りたい方は、こちらもぜひご覧ください。
出典:日本医師会「超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き」
高血圧は、血圧の値によって以下のように分類されます。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
※診察室血圧の基準値。Ⅱ度高血圧とⅢ度高血圧を除いて、家庭血圧では基本的に基準値が収縮期血圧と拡張期血圧ともに5mmHgずつ低くなる。
高血圧の診断は1回の測定だけでなく、診察室や家庭で数回測定した値で判断されます。
高値血圧の段階でも注意が必要で、正常血圧の人と比較して脳卒中や心筋梗塞などの合併症のリスクが高くなることが解明されています。そのため、定期的に血圧を測定して早めに気づくこと、規則正しい生活習慣を心がけることが重要です。
まずは、高血圧の予防と早期発見のために、定期的な血圧測定を習慣にしましょう。
拍動する耳鳴りが続く場合は、高血圧の存在を疑いましょう。高血圧によって耳鳴りが起こっている場合は、血管の疾患が隠れている可能性があるため、できるだけ早めに医療機関を受診し診療することがおすすめです。高血圧による耳鳴りは食生活などを気をつけることで予防可能なので、明るい毎日を過ごすためにできることから実践してみてください。
日本医師会「超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き」
非定非常利活動法人日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン 2019(JSH2019)」
非定非常利活動法人日本高血圧学会「高血圧の話」
一般社団法人「日本聴覚医学会 耳鳴診療ガイドライン2019年版」
厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
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