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2025.04.29
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
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マーベロンは避妊を目的とした低用量ピルで、適切に服用することで高い避妊効果が期待できます。ただし、副作用や注意すべき点もあります。この記事では、マーベロンを飲み始めるタイミングはいつからにすべきかといった正しい服用方法に関する知識や、飲み忘れた場合の対処法、期待できる効果や副作用の症状について詳しく解説します。
目次
マーベロンは、毎日決まった時間に飲むことが大切です(参考1)。
また、経口避妊剤を初めて服用する場合は、月経の1日目から服用を開始する必要があります(参考1)。服用開始日が月経初日から遅れた場合、飲み始めの最初の一週間は他の避妊法を併用する必要があります(参考1)。
マーベロンには21錠タイプ(マーベロン21)と28錠タイプ(マーベロン28)があり、飲み方はそれぞれ次の通りです。
1日1錠を21日間続けて飲み、その後7日間は薬を飲まない休薬期間を設けます(参考1)。休薬期間が終わった29日目からは新しいシートの服用を始め、同じサイクルを繰り返します(参考1)。
1日1錠ずつ、まず白色錠を21日間続けて飲み、その後、緑色錠を7日間飲みます(参考1)。以上28日間を1周期として、29日目からは2シート目の白色錠を服用し、以後同様に繰り返します(参考1)。通常、緑色の錠剤を飲んでいる間に消退出血(月経)が起こります(参考1)。
マーベロンを飲み忘れた場合の対処法は以下の通りです(28錠製剤の緑色錠を除く)(参考1)。
翌日までに気づいた場合は、飲み忘れた1錠をすぐに服用し、その日の分も通常通り服用します(参考1)。なお、飲み忘れた周期では妊娠の可能性が高くなるため、その期間中は他の避妊法を併用することが重要です。
2日以上服薬を忘れた場合、気づいた時点で前日分の1錠を服用し、その後は当日の錠剤を通常の服薬時刻に服用してください(参考2)。その後は、当初の服薬スケジュール通りに服用を継続してください。(参考2)。
他の経口避妊剤から本剤に切り替える場合は、以下の通りにしてください(参考1)。
・21錠タイプの経口避妊剤から切り替える場合
前に服用していた薬剤をすべて服用し7日間の休薬の後、続けて本剤の服用を開始します。服用開始が遅れた場合、妊娠の可能性があるので注意してください。
・28錠タイプの経口避妊剤から切り替える場合
前に服用していた薬剤をすべて服用後、続けて本剤の服用を開始します。服用開始が遅れた場合、妊娠の可能性があるので注意してください。
マーベロンは避妊を目的として処方される低用量ピルの一種です。「1相性ピル」と呼ばれるタイプの低用量ピルで、1シートのすべての錠剤に同じ量のホルモンが配合されています(参考2)。正しく継続的な使用をした場合の避妊の失敗率は0.3%です(参考3)。一方で、飲み忘れなどを含めた一般的な使用では、避妊の失敗率が9%であると報告されています。(参考1)。
なお、この薬は自己判断で服用を中止したり、量を加減すると避妊効果が十分に得られない可能性があります(参考4)。医師の指示に従い、適切に服用を続けることが重要です。
マーベロンを服用すると、以下の作用による避妊効果が期待できます(参考1)。
卵子の排出を抑えることで、排卵が起こりにくくなり、避妊効果が期待できます。
子宮頸管の粘液が変化し、精子が子宮に入りにくくなるため、妊娠の可能性が減少します(参考5、6)。
子宮内膜が薄くなり、受精卵が着床しにくくなるため、避妊効果が期待できます(参考6)。
マーベロンの副作用の中でも、特に注意すべきは血栓症です(頻度:不明)(参考1)。血栓症は血液が血管内で固まり、血流を妨げる状態のことで、命に関わる症状があらわれる場合もあるため、慎重な対応が必要ですが、発生頻度は非常に低いとされています(参考1)。血栓症の主な症状は以下の通りです(参考1)。
これらの症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師の診察を受けることが重要です(参考1)。
さらに、以下の症状が現れた場合も血栓症の可能性があるため、服用中止や追加の医療措置が検討されます(参考1)。
どんなに軽度であっても、上記の症状が現れた場合は必ず医師に相談してください(参考1)。また、血栓症の疑いで他の医療機関を受診する場合、マーベロンを服用していることを伝えることが重要です(参考1)。
他にも、比較的よく見られる副作用として以下のようなものがあります(参考1)。
本剤は以下の条件に該当する方が禁忌のため、服用できません(参考1)。
本剤に対する過敏性素因がある方、抗リン脂質抗体症候群の方は服用できません。
血栓性素因がある方、血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患の既往歴がある方、肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の方、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の方、血管病変を伴う糖尿病(糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症など)の方、高血圧の方(軽度を除く)は服用できません。
重篤な肝機能障害や肝腫瘍がある方、脂質代謝異常のある方は服用できません。
血栓症のリスクが高まるため、手術前4週以内・術後2週以内の方、産後4週以内の方、長期間の安静が必要な方は服用できません。
妊娠中や授乳中の方、妊娠中に黄疸や持続性そう痒症、妊娠ヘルペスの既往歴がある方も服用を控える必要があります。
本剤を服用する際は、以下の点に注意が必要です(参考1)。服用するうえで気になることがある場合は、医師へ相談してください。
マーベロンは避妊薬ですが、HIV(エイズ)やクラミジアなどの性感染症を防ぐ効果はありません。それらの性感染症予防にはコンドームの使用が推奨されます。
マーベロンの服用により、血栓症のリスクが高まる可能性があります。特に、体を動かせない場合や血圧が上昇している場合、脱水状態や手術などは血栓症のリスクが高くなるケースであり、服用の中止が検討される場合があります。
また、マーベロンは他の経口避妊剤(レボノルゲストレルなど)を服用した場合に比べて静脈血栓症のリスクが高い可能性があり、他の避妊薬が適さない場合の選択肢として用いられます。
40歳以上の方や喫煙者は、心血管系の副作用リスクが高まります。特に35歳以上で1日15本以上喫煙する人は、服用してはいけません。
マーベロンは服用者の病歴調査や検診を経て処方されます。服用中は6か月ごとの定期検診を受けたり、本剤投与開始前及び服用中に1年に1回以上子宮や卵巣などの検査を受けることが重要です。また、1年に1回、子宮頚部の細胞診の実施が考慮されたり、乳がんの早期発見のために自己検診を行うよう指導されることがあります。
服用中に不正出血が見られることがありますが、多くは時間とともに収まります。長く続く場合は医師に相談し、悪性疾患がないか確認した上で服用を継続します。
マーベロンは、適切に使用することで高い避妊効果が期待できる低用量ピルです。ただし、血栓症をはじめとする副作用のリスクがあるため注意が必要です。服用中に異常を感じた場合はすぐに医師へ相談してください。
参考文献
(参考1)医療用医薬品:マーベロン 添付文書
(参考2)用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)
(参考3)医薬品インタビューフォーム マーベロン21 マーベロン28
(参考4)患者向け医薬品ガイド マーベロン
(参考5)Mall-Haefeli M,et al., Geburtshilfe Frauenheilkd., 44, 177-9, (1984)
(参考6)Viinikka L,et al., Acta Endocrinol., 83, 429-38, (1976)
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