fbpx

ラメルテオン(ロゼレム)が効かない?考えられることや影響を解説

ラメルテオン(ロゼレム)は、体内時計を整えて自然な眠りを促す効果が期待される薬ですが、思ったように効かないこともあります。

この記事では、ラメルテオンの効果を感じられない理由、服用時の注意点、そしてその効果を最大限に引き出す方法を詳しく解説します。

ラメルテオン(ロゼレム)が効かない時に考えられること

ラメルテオン(ロゼレム)はメラトニン受容体作動薬に分類される薬です(参考1)。

私たちの体内には、メラトニン受容体という「眠りのスイッチ」があり、メラトニンというホルモンがそのスイッチを押すことで、眠りに導かれます。

ラメルテオンは、このメラトニンのようにスイッチを押す働きをするため、自然な眠りを促す効果が期待できます。(参考2)。

しかし、以下のような理由でその効果を実感しにくいことがあります(参考1)。

  • 服用タイミングが適切でない

ラメルテオンは就寝の直前に服用することが推奨されています。タイミングが早すぎたり遅すぎたりすると、眠気が生じるタイミングにズレが生じ、効果が十分に発揮されないことがあります。

また、食事中や食後に服用すると、薬の吸収が悪くなり、効果が弱くなる可能性があります。

  • 他の薬との組み合わせ

他の薬と一緒に服用することで、ラメルテオンの効果が弱まる場合があります。

特に、リファンピシン(結核治療薬)はラメルテオンの代謝を早めるため、一緒に服用すると効果が減少する可能性があります。

また、ベンゾジアゼピン系薬剤(例えば、ジアゼパムなど)を服用していた場合、効果が感じられないことがあります。

  • 精神疾患(統合失調症、うつ病等)の影響

統合失調症やうつ病などの精神疾患がある場合、ラメルテオンの効果が十分に得られなかったり、安全性が保証されていない点に注意が必要です。

  • 効果が出るまでに時間がかかることもある

ラメルテオンは体内時計を調整する薬のため、効果が安定するまで一定時間かかることがあります
ただし、服用を始めてから2週間が経過しても効果が感じられない場合は、医師に相談しましょう。

  • 睡眠環境や生活習慣の影響

ラメルテオンは自然な眠りをサポートする薬であり、睡眠環境や生活習慣の影響を受けやすい薬です。

そのため、規則正しい生活を送ることで、効果を実感できる可能性があります。

ラメルテオン(ロゼレム)の効果を最大化するために

ラメルテオンの効果をしっかり得るためには、以下の点を意識することが大切です(参考1)。

  • 就寝直前に服用する

薬は寝る直前に服用することで、薬の効果が最大限に発揮される可能性が高くなります(参考3)。

  • 空腹時に服用する

食事中や食後に服用すると、薬の吸収が遅れ、効果が弱まる可能性があります。

空腹時に服用してください

  • 他の薬との組み合わせを確認する

ラメルテオンを服用している場合、他の薬との飲み合わせが影響を与えることがあります。現在服用している薬について、医師に相談しておくと安心です。

ラメルテオン(ロゼレム)の運転への影響

ラメルテオンは、眠気を引き起こす可能性があるため、服用後は車の運転や危険を伴う作業は避けるべきです(参考1)。

さらに、薬の効果が翌日以降に続く場合があり、注意が必要です(参考1)。

ラメルテオン(ロゼレム)の基礎知識

  • 効能・効果

ラメルテオンは、体内時計を調整し、自然な眠りを促進します。主に、寝つきが悪い場合や眠りが浅い場合など不眠症の改善効果が期待できます(参考3)。

  • 作用機序

ラメルテオンは、メラトニンに似た働きをします。メラトニンは夜になると自然に分泌され、眠気を感じさせます。ラメルテオンはこのメラトニンが作用する部分(メラトニン受容体)に働きかけて、眠りやすい状態に導いてくれます(参考3)。

ラメルテオン(ロゼレム)の特徴

  • 副作用が少ない(参考4)
  • 依存性・薬剤耐性が比較的少ない(参考5)
  • ふらつきや転倒リスクが比較的低い(参考6)

ラメルテオン(ロゼレム)の禁忌

以下に該当する方はラメルテオンを服用しないでください(参考1)。

  • ラメルテオンの成分に対する過敏症の既往歴がある方
  • 高度な肝機能障害がある方
  • フルボキサミンマレイン酸塩を服用中の方

また、以下の方は慎重に服用する必要があります(参考1)。

  • 睡眠時無呼吸症候群や脳の器質的障害、軽度~中等度の肝機能障害がある方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 小児や高齢者

ラメルテオン(ロゼレム)の服用方法

通常、1回8mgを寝る直前に服用します(参考1)。

ラメルテオン(ロゼレム)服用上の注意事項

  • 睡眠途中で起きる可能性がある場合は服用を避ける

仕事や育児など、途中で目覚める必要がある場合は服用を避けてください(参考1)。

  • 翌朝の影響に注意

服用後、翌朝まで眠気や集中力の低下が続くことがあります(参考1)。特に、長時間運転や細かい作業をする日は、その影響を考慮しましょう。

  • ホルモンへの影響

ラメルテオンの服用によって、「プロラクチン」というホルモンの値が上昇することがあります(参考1)。

これにより、月経異常、乳汁分泌、性欲減退などの症状が現れることがあります。異常を感じた場合は、医師に相談してください。

  • アルコールとの併用は避ける

アルコールとの併用は注意力・ 集中力などが低下する可能性があります(参考7)。

ラメルテオン(ロゼレム)の副作用

ラメルテオンは、GABA神経系*に作用しないため、他の睡眠薬(ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系)で見られる副作用が少ないのが特徴です(参考3)。

*GABA神経系とは、脳内で「GABA」というリラックスや落ち着きをもたらす物質が関与するシステムです。

多くの睡眠薬は、GABA神経系を活性化させて眠りを促進しますが、その分、副作用が出やすくなります。

一方、ラメルテオンは、GABA神経系には作用せず、メラトニン受容体という別の場所に働きかけます。これにより、副作用が比較的少なく、より自然な眠りを促す効果が期待されます(参考3)。

ラメルテオンの副作用は比較的少ないですが、以下のような副作用があります(参考1)。

  • 重大な副作用

アナフィラキシー(じん麻疹、血管浮腫など)(頻度不明)

  • その他の副作用

めまい、頭痛、眠気、発疹、便秘、悪心、倦怠感など(頻度0.1%〜5%未満)

また、頻度不明の副作用として、自殺企図、悪夢、プロラクチン上昇があります。

「ラメルテオン 副作用」内部リンク(https://digital-clinic.life/column/3522/

まとめ

ラメルテオン(ロゼレム)は、メラトニン受容体に作用し、自然な眠りを促進する薬です。適切に使用すれば睡眠の質の改善が期待できますが、服用タイミングや併用薬の影響で効果を感じにくいことがあります。

また、ラメルテオンはGABA神経系に作用しないため、副作用が比較的少ないとされています。しかし、まれに重大な副作用や不明な副作用が現れることもあるため、使用時には医師の指導に従い、慎重に観察を行うことが大切です。

(参考1)医療用医薬品 : ラメルテオン

(参考2)メラトニン受容体のシグナル伝達複合体の構造を解明 〜 睡眠や概日リズムの構造基盤の理解と睡眠薬の開発に貢献 〜

(参考3)厚生労働省 ラメルテオン(ロゼレム錠8mg) スイッチOTC医薬品の候補成分の成分情報等 

(参考4)不眠症治療薬とQOL: MT1/MT2受容体作動薬ラメルテオンの研究開発

(参考5)ラメルテオンによりアルツハイマー型認知症患者の 周辺症状が軽減できた2症例の検討

(参考6)ラメルテオン・スボレキサントを含めた睡眠薬の服用と転倒への影響症例対照研究

(参考7)薬物相互作用 (38―新規睡眠薬:ラメルテオン, スボレキサントの相互作用)