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2025.03.11

アムロジピンの副作用 | 併用が禁忌の薬や服用時の注意点を解説

アムロジピン(アムロジピンベシル酸塩)は、高血圧や狭心症の治療に使用される血圧降下薬です。血管を広げることで血圧を下げ、心臓の負担を軽くする効果が期待されます。

ただし、副作用が出ることがあり、他の薬との飲み合わせにも注意が必要です。

この記事では、アムロジピンの副作用や併用を避けるべき薬、服用時の注意点をわかりやすく解説します。

アムロジピンの副作用一覧

アムロジピンは血管を拡張して血圧を低下させ、心臓の負担を軽減し、血流を改善する効果がありますが、一方で副作用が発生する可能性もあります(参考1)。

特に注意すべき副作用と、比較的よく見られる副作用を分けて紹介します。

アムロジピンの特に注意したい副作用

重篤な症状を引き起こす可能性があるため、以下の症状が出たらすぐに医師に相談してください。

  • 肝臓:劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.1%〜1%未満)、黄疸(0.1%未満)

肝臓の働きが低下し、体調不良や皮膚の黄ばみが起こることがあります。

  • 血液:無顆粒球症(頻度不明)、白血球減少(0.1%未満)、血小板減少(頻度不明)

免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる可能性があります。

  • 心臓:房室ブロック(0.1%未満)

心臓の電気信号が正常に伝わらなくなる可能性があります。徐脈(脈が遅くなる)やめまいなどが初期症状として現れることがあります。

  • 筋肉:横紋筋融解症(頻度不明)

筋肉が壊れ、急性の腎機能障害を起こすことがあります。筋肉痛や脱力感が続く場合はすぐに服薬を中止し、適切な処置を行うことが重要です。

その他の副作用

アムロジピンには以下の副作用及び発生頻度が報告されています。これらの異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うことが推奨されます(参考1)。

  • 0.1%〜1%未満:浮腫(むくみ)、動悸、めまい・ふらつき、頭痛・頭重、便秘など

アムロジピンと併用が禁忌の薬

アムロジピンはジヒドロピリジン系化合物に対して過敏症の既往歴がある方には禁忌です(参考1)。

アムロジピンと併用注意の薬

アムロジピンは特定の薬と併用すると副作用が強く出る可能性があります(参考1)。以下はアムロジピンと併用注意とされる薬とその機序です。

  • 降圧薬:血圧が下がりすぎる可能性があります。
  • CYP3A4阻害剤(エリスロマイシン、ジルチアゼム、リトナビル、イトラコナゾールなど):アムロジピンの血中濃度*が上昇し、副作用が強く出る可能性があります。

*血中濃度とは、血中に薬剤がどれくらい溶けているかを示します。高すぎると副作用のリスクが上がり、低すぎると効果が出ません。

  • CYP3A4誘導剤(リファンピシンなど):血中濃度が低下し、アムロジピンの効果が弱まる可能性があります。
  • グレープフルーツジュース:アムロジピンの分解を遅らせ、血中濃度を上げてしまいます。
  • シンバスタチン(脂質異常症治療薬):血中濃度が上昇し、副作用の可能性が高まります。
  • タクロリムス(免疫抑制剤):血中濃度が上がり、腎障害のリスクが高まります。

アムロジピン服用時の注意点

アムロジピンを飲むと血圧が下がるため、めまいやふらつきが起こることがあります。特に、運転や高所作業などの危険を伴う操作を行う際は注意が必要です(参考1)。

また、アムロジピンは 体内での作用時間が長いため、服用をやめても効果がしばらく続きます。他の降圧薬に切り替える場合は、医師の指示に従ってください。(参考1)。

アムロジピンを過量服用した場合の危険性

アムロジピンを一度に多く飲みすぎると、血圧が下がりすぎてショック状態に陥ったり、心拍数の異常な増加(反射性頻脈)を招くなど、危険な状態になることがあります(参考1)。過剰摂取した場合、すぐに医療機関を受診してください。

また、服用直後であれば、活性炭を使って体内への吸収を抑えることができます(参考2)。

特定の患者への使用に関する注意

アムロジピンはジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴がある方には禁忌です。

また、次の方に関しても特に注意が必要です(参考1)。

  • 心血管系や肝臓・腎臓に異常がある方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 6歳未満の小児や高齢者

アムロジピン服用で副作用が出た時の対処法

アムロジピン服用時に以下の症状が現れる場合は、すぐに服用を中止し、医師に相談してください(参考3)。

  • 全身倦怠感、食欲不振、黄疸(劇症肝炎、肝機能障害)
  • のどの痛み、頭痛、鼻血や歯ぐきの出血(無顆粒球症、白血球減少)
  • 徐脈、失神、めまい(房室ブロック)
  • 手足の筋肉の痛み、こわばり、しびれ(横紋筋融解症)

アムロジピンに期待できる効果と効能

アムロジピンはカルシウム拮抗薬に分類され、血圧を下げる効果が期待できます。

アムロジピンには主に以下の効果が期待できます。

  • 降圧作用

血管を広げ、血圧を下げることで動脈硬化や脳卒中のリスクを減らす効果が期待できます(参考4)。

  • 狭心症の予防

心臓の血管を広げ、狭心症の発作を防ぐ効果が期待できます。ただし、効果の発現が緩やかなため、急性の不安定狭心症には効果が期待できません。

  • 心血管系への保護作用

高血圧が原因で起こる心血管の障害を防ぐ効果が期待されています(参考5)。

まとめ

アムロジピンは、高血圧や狭心症の治療に使われる薬で、血管を広げて血圧を低下させる効果が期待できます。

一方で、服用中は副作用として、肝機能障害や血液の異常、心臓の不調などに注意が必要です。他の薬との併用にも注意が必要で、異常があればすぐに医師に相談してください。

用法・用量を守り、服用中に気になる症状があれば専門家に相談することが大切です

(参考1)医療用医薬品・添付文書情報

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00061496

(参考2)Laine,K.et al., Br.J.Clin.Pharmacol., 43, 29-33, (1997)

Prevention of amlodipine absorption by activated charcoal: effect of delay in charcoal administration – PubMed

(参考3)くすりのしおり

https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=13085

(参考4)山中教造他, 日薬理誌, 97, 115-126, (1991)

[Antihypertensive effects of amlodipine, a new calcium antagonist] – PubMed

(参考5)Suzuki,M.et al., Eur.J.Pharmacol., 228 (5-6), 269-274, (1993)

Long term effects of amlodipine on organ damage, stroke and life span in stroke prone spontaneously hypertensive rats – PubMed