AGA治療の後悔 | よくある後悔と対処方法を解説

AGA治療は、遺伝やホルモンバランスの変化によって進行する脱毛の抑制・改善を目的とした
専門的な治療法です。

AGA治療は薄毛に悩む方に希望をもたらしますが、
「思ったような効果が出ない」「治療費が高額」など、
治療後に後悔するケースも少なくありません。

この記事では、AGA治療で後悔するポイントと後悔したときの対処法を解説します。

後悔しないために知っておきたい基礎知識も紹介するので、AGA治療を検討中の方や現在治療している方はぜひ参考にしてみてください。

AGA治療の基礎知識

AGA治療は男性型脱毛症に対する治療を指します。

AGAは主に遺伝的要因と男性ホルモンの影響で発症し、特にDHT（ジヒドロテストステロン）という
男性ホルモンが、髪の毛の成長サイクルに大きく影響します。

通常、髪の毛は2～6年かけて成長する「成長期」、数週間続く「退行期」、2～4ヶ月の「休止期」という
サイクルを繰り返しますが、AGAでは成長期が著しく短いことが特徴です。

治療方法は薬物療法が中心で、内服薬と外用薬を組み合わせるのが一般的です。

内服薬には「フィナステリド」や「デュタステリド」などDHTの生成を抑える薬剤があり、
外用薬には血行を改善して発毛を促す「ミノキシジル」があります。
これらの薬剤は基本的に医師の処方箋が必要です。

個人輸入によって購入できる場合もありますが、副作用のリスクが高いため避けましょう。

また、AGAの進行度によっては、植毛やメソセラピー（有効成分を直接頭皮に注入する治療法）を
することもあります。

AGAの症状の進行は人によってさまざまで、前頭部の生え際が後退する「M字型」や、頭頂部が薄くなる「O字型」などのパターンがあります。

早期発見のためのセルフチェックポイントとして挙げられるのは「産毛のような細い髪が増える」「抜け毛の量が増加する」「頭皮が透けて見える」などです。

AGAは進行性の症状であり、早期発見・早期治療が効果的です。
治療の開始が遅れるほど回復に時間がかかり、費用面でも負担が大きくなります。
気になる症状がある場合は、できるだけ早く専門医への相談をおすすめします。

詳しく知りたい方は、こちらでもAGA治療について詳しくご説明しておりますので参考にしてみてください。
デジタルクリニック 男性AGA

出典：日本薬理学雑誌　男性型脱毛症治療薬の研究動向

AGA治療で後悔するポイント

AGA（男性型脱毛症）治療は、脱毛の進行を防ぎ発毛も期待できる治療法として注目されていますが、
治療開始後にさまざまな要因で後悔を感じる方も少なくありません。

AGA治療で後悔しやすいポイントを見ていきましょう。

薄毛の原因がAGA以外だった

薄毛の原因がAGAではなく、ストレスや栄養不足、ホルモンバランス、生活習慣の乱れなどによって起きている場合は、AGA治療を続けても期待する効果は得られません。

AGA治療は、専門医による正確な診断を受けてから始めることが重要です。

診断を誤ったままAGA治療を続けていると本来必要な治療が遅れることで、症状が悪化するリスクもあります。
薄毛に悩む場合は自己診断や推測に頼らず、まずは専門医の診断を受けましょう。

初期脱毛により一時的に抜け毛が増えた

AGA治療を始めると、多くの方が初期脱毛の時期に戸惑いを感じます。
初期脱毛とは、治療開始後に新しい髪の毛が生える準備段階として一時的に抜け毛が増える現象で、治療薬（ミノキシジルやフィナステリドなど）の作用によって起こる正常な反応です。

毛髪には「成長期」「退行期」「休止期」のサイクルがあり、治療薬の影響で休止期の髪が一時的に抜け落ちます。
新しい健康な毛髪が生えるには、古い髪が抜け落ちてスペースを作る必要があるからです。

初期脱毛がおこる可能性があると事前に理解し、心の準備をしておけば治療中の不安を軽減できます。

しかし、突然の抜け毛の増加は心理的な負担となりがちです。不安を感じるようなら担当医に相談しましょう。

AGA治療薬使用により副作用が起きた

AGA治療薬による副作用として、以下の症状が報告されています。

• 気分の落ち込み
• 性的欲求の低下
• 勃起機能の低下
• 息苦しさ
• 肝臓の機能異常

男性ホルモンに作用するAGA治療薬（フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど）では、性機能への影響として性欲減退や勃起不全が報告されています。
勃起不全は、夫婦関係や妊活に影響を与える可能性があるため、家族との事前の相談が重要です。

発生頻度の低い副作用として呼吸困難や肝機能障害も報告されています。
動悸や息切れを感じた場合は、速やかに医師への相談が必要です。

肝機能障害の発生率は極めて低いものの、肝機能検査で中程度以上の異常値が出ている方は、事前に医師に申告しましょう。

出典：日本薬理学雑誌　男性型脱毛症治療の現状と今後の展望

個人輸入したAGA治療薬を使用した

海外の医薬品販売サイトから個人輸入した薬は、偽造品や品質の劣る模倣品である可能性が高く、
健康被害につながる恐れがあります。

正規品と同じように見える偽造薬であっても、実際の有効成分の含有量が表示と異なっていたり、
有害な不純物が混入していたりするケースが報告されています。
そのため治療効果が得られないだけでなく、健康被害が起こる可能性もあるのです。

個人輸入の医薬品は医師による処方箋なしで購入できることもあり、自己判断による服用量の調整や副作用への対応も必要です。
個人輸入のAGAの治療薬は避け、医師の診察を受けてからAGA治療を始めましょう。

治療費が継続的にかかり高額だった

AGA治療は長期的な継続が必要となり、治療費の負担が予想以上にかかる可能性があります。
診察料や薬剤費、追加の治療オプションなど、さまざまな費用が必要になるからです。

クリニックや治療方法によって大きく異なり、発毛促進のための注射治療やレーザー照射などを組み合わせると、月々の費用は大きく変動します。

内服薬や外用薬は継続的な使用が必要であるため、長期的な費用計画が重要です。
経過に応じて新たな治療法が推奨され、想定以上の出費になる可能性もあります。

AGAは保険適用外の治療が多いため、支払い方法についても、事前にクリニックに確認することをおすすめします。
クリニック選びの際は、治療費の内訳を十分に把握し、長期的な費用計画を立てることが重要です。

出典：日本臨床毛髪学会　男性型脱毛症と薬治療　

AGA治療で後悔したときの対処方法

AGA治療で期待していた結果が得られない場合でも、適切に対処すれば改善が可能です。
まず医師に相談し治療方法を見直しましょう。

治療薬の種類や投与量などを調整し、自分に合った治療計画を再検討することで、副作用の軽減につながる可能性があります。

AGAの治療費に負担を感じる方も、治療方法を一度見直してみましょう。
薄毛の状態によっては「発毛プラン」ではなく「予防プラン」に変更することで、薬の種類が変わり、費用が抑えられる可能性があります。

また、経済的な負担を抑えながら治療を継続するためには、ジェネリック医薬品を扱っているクリニックに変更するのも一つの手段です。

クリニックに対する不満がある場合は、セカンドオピニオンを検討することも方法の一つですが、クリニックを変更する際にはこれまでの治療経過や使用薬剤の情報を記録し、新しい医師に内容を正確に伝えることが重要です。

まとめ

AGA治療は男性型脱毛症に対する効果的な治療法ですが、初期脱毛や副作用、治療費の負担などで結果的に後悔する可能性もあります。
AGA治療で後悔したときは、治療方法を見直してみたり、セカンドオピニオンを検討したりすることが大切です。

AGA治療に関する正しい知識と適切な準備を備えることで、適切で負担の少ない治療計画を立ててください。

【参考文献】
日本皮膚科学会ガイドライン　男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版　
日本皮膚科学会　皮膚科Q＆A 
JCAD　December 2024 Digital Edition　Androgenetic Alopecia Treatment in Asian Men
日本薬理学雑誌　男性型脱毛症治療薬の研究動向
日本薬理学雑誌　男性型脱毛症治療の現状と今後の展望
厚生労働省　プロペシア（PROPECIA）（男性型脱毛症用薬）に関する注意喚起について日本臨床毛髪学会　男性型脱毛症と薬治療