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2025.02.13

アフターピル(緊急避妊薬)代わりになるものは市販されている?

「アフターピルは市販薬でも購入できる?」

アフターピルは性行為で避妊に失敗した後に使用できる緊急避妊薬です。
できるだけ早く服用することで、予期せぬ妊娠を防ぐのに効果がありますが、市販薬でも代用できるのでしょうか。
この記事では、アフターピルの市販化の現状について解説していきます。

アフターピル(緊急避妊薬)の代わりになるものは市販で入手可能か解説

結論から言うと、現時点では市販薬でアフターピルの代わりになるものはありません。
医師に処方された場合にのみ入手可能です。

理由も含め確認していきましょう。

アフターピル(緊急避妊薬)の代わりになるものは市販されていない

アフターピルの代わりになるものは市販されていません。
アフターピルは医師の診察後、必要と判断された場合に処方され、一部の調剤薬局もしくは医療機関で購入できます。

アフターピル(緊急避妊薬)の代わりになるものが市販されていない理由

アフターピルが市販されていない理由はいくつかあります。

1.医師の診察が受けられない

アフターピルが市販薬として販売された場合、医師の診察を受けずに購入できることになるため、以下のような懸念点が生まれます。

  • 適切な避妊方法に関する情報提供ができない
  • アフターピル使用後の妊娠への対応が遅れる可能性がある
  • 薬の副作用に関する説明が受けられない

医師の診察を受けて処方される場合、服用時の注意点や服用後の妊娠の可能性、服用後の適切な避妊方法など、さまざまな情報提供がされます。
医師の診察がなくなると必要な情報提供がなくなる可能性があるため、アフターピルは市販薬として販売されていません。

2.転売や性暴力へ悪用される可能性がある

アフターピルが市販されていた場合、以下のリスクが生じます。

  • 性行為に関わった男性が処方を求める
  • 性行為に関わった男性が服用を強要する
  • 指定された以上の量を服用する
  • 不適切な目的のために繰り返し購入する

市販される場合は購入に制限がなくなるため、一度に複数購入して転売したり、性暴力の加害者がアフターピルを飲ませて対処したりするなどデメリットがあります。

アフターピルは緊急時に使用するものであって、アフターピルを前提に避妊しないのは適切ではありません。

3.性犯罪やDVへの気づきの機会が減ってしまう

現在、産婦人科医がアフターピルを処方する際には、処方が必要となった背景について聞き取りを行う場合があります。
その際に、アフターピルが必要になった背景を確認することで性犯罪やDVについて本人が気づくきっかけになるのです。
例として、以下のような背景は、状況が性犯罪やDVに該当していることに本人が気づいていないこともあります。

  • 自分は妊娠を希望していないけどパートナーが避妊に協力してくれなかった
  • 顔見知りの男性に同意のない性行為を強要された

アフターピルの処方を希望する理由はさまざまです。
医師の診察があれば性犯罪やDVに気づく場合でも、市販薬として購入すると気づく機会が減る可能性があるのも、市販薬にならない一つの理由でしょう。
出典:厚生労働省「日本産婦人科医会 緊急避妊薬の処方における課題」

アフターピル(緊急避妊薬)の代わりになるものが市販される可能性

今後、日本でアフターピルの機能をもった市販薬が販売される可能性があります。2023年11月から一部の薬局でアフターピルの試験販売が始まりました。
試験販売となるため、現段階では販売できる薬局が限られており、購入者にも条件があります。
市販化されるまで時間がかかる可能性はありますが、今後市販される可能性はあるでしょう。
出典:厚生労働省「令和5年度 緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業報告書(概要)」

アフターピル(緊急避妊薬)を購入する方法

アフターピルを購入する方法は以下のとおりです。

▪︎産婦人科

一般的なクリニックや病院の産婦人科で処方可能です。
診療時間内に受診する配慮が必要だったり、受診に躊躇したりする場合もありますが、対面診療で薬以外の相談もできるメリットがあります。

▪︎オンライン診療

休日や夜間などで医療機関を受診できない、産婦人科の診療時間内に受診できない方などはオンライン診療もひとつの方法です。
アフターサービスや薬処方にかかる費用など、クリニックによりさまざまな特徴があります。
自分にあったオンライン診療を検討してください。

当院のオンライン診療では、LINEでも予約でき、診察は24時間可能です。

2024年12月現在、大手ドラッグストアでは販売はありません。
アフターピルを入手したい場合は、必ず医師や薬剤との対面で診察を受ける必要があります。


ネットで販売している場合もありますが、多くは海外の医薬品を含む個人輸入品です。
海外で流通している薬は、日本の基準での安全性が確認されていない可能性があります。
品質に問題のある医薬品の場合もあるため、ネット通販での購入は避けましょう。

病院やクリニック、オンライン診療で処方される場合は、どの方法も薬の安全性に違いはありません。
自分にあった方法を選択しましょう。

出典:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」

低用量ピルはアフターピル(緊急避妊薬)の代わりになる?

低用量ピルはアフターピルの代わりにはなりません。

アフターピルは、1回服用するだけで高い避妊効果が得られますが、低用量ピルは、毎日飲み続けることで排卵を抑えられ、結果として避妊効果が得られます。

そのため、避妊に失敗した際に低容量ピルを1回服用しても、アフターピルほどの高い避妊効果は期待できません。

まとめ

アフターピルの代わりとなるものは現在、市販薬として販売されていません。
ただ、市販化されるような試験的な取り組みは始まっているため、今後条件付きで市販化される可能性はあるでしょう。

アフターピルは現時点で医療機関でのみ処方されています。
しかし、対面での診療は恥ずかしい、休日で病院が開いていないといったこともあるでしょう。

その場合は、オンライン診療がおすすめです。当院では、オンライン診療でアフターピルの処方も承っており、決済後、最短翌日でご自宅にお届けしております。医師と状況を相談のうえ、処方を判断してもらえるため、まずはお気軽にご相談ください。

【参考文献】

オンライン診療における緊急避妊薬の調剤の手順
厚生労働省 オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤について薬局での対応について
日本産婦人科学会 緊急避妊法の適正使用に関する指針 (平成28年度改訂版)
厚生労働省HP「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく薬局における対応について
厚生労働省HP 緊急避妊に係る取組について
東京都福祉局HP 緊急避妊について
日本産婦人科医会 緊急避妊薬の処方における課題
厚生労働省 緊急避妊薬に関する海外実態調査 結果概要
厚生労働省HP 第二章 緊急避妊薬 (レボノルゲストレル単剤
厚生労働省 緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けての要望
 日本産科婦人科学会編 低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン (改訂版)2005.12
あすか製薬株式会社 ノルレボ錠1.5mg
産婦人科診療ガイドライン外来編 CQ404 緊急避妊法の実施法とその留意点は?