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2025.05.03
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
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中途覚醒とは睡眠中に何度も目が覚めてしまう症状で、問題視される不眠症のひとつです。「夜中に何度も目が覚める」「目が覚めた後の寝つきが悪い」などの症状で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。中途覚醒の症状が続くと日常生活に支障をきたす場合があるため、早めに対処することが大切です。この記事では、中途覚醒の原因や基礎知識、熟睡できない場合の対処法などについて解説します。中途覚醒でお悩みの方や、対処法が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
中途覚醒は不眠症のひとつで、就寝時の眠りが浅く、途中で何度も目が覚める状態です。不眠症は、夜間に正常に眠れない状態が続くだけでなく、日中にこころや体の不調を感じ、生活に影響を及ぼすことが認められた場合に診断されます。中途覚醒などの不眠症が起こると、日中に疲れやすさや、食欲、意欲、集中力の低下などが起こり、日常生活に支障をきたします。不眠が続くことで入眠への緊張や不安が大きくなり、さらに眠れなくなる「不眠恐怖」の悪循環が起こるケースも多いです。慢性的な中途覚醒は適切な治療を受けなければ回復できないことがあります。精神科や心療内科では中途覚醒の原因に合わせた治療法を提案してもらえます。睡眠の状態に合った睡眠導入剤の処方や、適切な睡眠指導をしてもらえるため、ためらわず受診してみましょう。
中途覚醒で目が覚める原因には、以下のような要因が考えられます。
ストレスを抱えている場合は、中途覚醒を引き起こす可能性が高いです。ストレスにより自律神経が乱れると、交感神経が刺激されて緊張状態が続くため、脳が興奮した状態になります。脳が興奮することによって、寝ようと思っても寝付けなくなったり、眠りが浅い状態になったりするため、中途覚醒が起こりやすくなります。特に、神経質な方や真面目な方はストレスを感じやすく、眠れないことも気にし過ぎてしまうため、中途覚醒が起こりやすい傾向にあります。
アルコールの摂取も、中途覚醒を引き起こす原因です。アルコールの分解途中で生成されるアセトアルデヒドという物質には、覚醒作用があります。さらに、アルコールには利尿作用もあるため、尿意で目が覚めることも中途覚醒の原因のひとつです。また、カフェインなども摂取後3時間ほど覚醒作用が続くため、睡眠前はできるだけ控えましょう。
加齢も中途覚醒の原因です。年齢が上がるにつれて、浅い眠りのレム睡眠が増加し、深い眠りのノンレム睡眠が減少する傾向にあります。熟睡できる時間が少なくなり、他者のいびきや尿意などでも目が覚めてしまうため、中途覚醒につながります。また、年齢と共に持病が発症するリスクが高まることにより、病気の不快感や薬の副作用などが生じることも中途覚醒を引き起こす要因のひとつです。
うつ病などの精神疾患がある場合も、睡眠障害が現れます。うつ病は憂鬱な気分が続いたり、食欲や性欲などが低下したりするだけでなく、身体的にも症状が現れます。身体に現れる症状のひとつに睡眠障害があり、途中で目が覚めたり寝つきが悪くなったりするなどの中途覚醒を引き起こすケースも多いです。
中途覚醒が、睡眠時無呼吸症候群によって起こるケースもあります。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる症状です。繰り返し症状が現れることで息苦しさにつながり、中途覚醒を引き起こして睡眠の質が下がります。特に、睡眠中に1時間あたりで10秒以上の呼吸停止が20回以上出現するような症状がある場合は注意が必要です。放置することで心筋梗塞や脳梗塞などの症状や、眠気による事故などを引き起こす可能性もあるので注意が必要です。場合によっては医師の治療が必要な場合もあります。
中途覚醒は生活習慣の改善や適度な運動の習慣、飲酒や喫煙、カフェインを控えることで改善することがあります。これらの対処法で治らない場合は、睡眠薬の導入も改善方法のひとつの方法です。
不規則な生活は中途覚醒に大きな影響を与えるため、生活習慣を整える意識を持つことが大切です。毎日できるだけ決まった時間に就寝し、起床時間も一定にすることで体内時間を規則正しくする習慣をつけましょう。朝に太陽の光を浴びることも効果的です。栄養バランスのとれた食事や、ストレスをためないリラックスした生活を心がけることも、睡眠の質が向上し中途覚醒の改善につながります。
適度な運動は体にほどよい疲れを与えるため、寝つきが良くなり、中途覚醒の改善につながります。運動は午前中よりも午後に少し汗ばむ程度の有酸素運動をするのがおすすめです。激しい運動は体内の交感神経を興奮させ、寝つきを悪化させる可能性があるため控えてください。
飲酒や喫煙も中途覚醒に大きな影響を与えるため控えましょう。アルコールは一時的に寝つきを良くすることもありますが、短時間しか効果が続かないことがわかっています。特に寝る前の飲酒は中途覚醒の回数を増やす原因になります。タバコに含まれるニコチンも脳を刺激し、寝つきを悪化させるため控えるとよいでしょう。
就寝前のカフェイン摂取を控えることで、睡眠の質が上がり、中途覚醒を改善できる可能性があります。コーヒーや緑茶などのカフェインを多く含む飲み物は、脳の覚醒を促して深い眠りをさまたげるため、できるだけ控えましょう。
上述した方法を試しても中途覚醒の改善が見られない場合は、睡眠導入剤の使用を検討してみるのもひとつの選択肢です。自然な眠りを促したり、脳の興奮を抑えたりする睡眠導入剤を処方してもらうことで、中途覚醒が治ることもあります。睡眠導入剤は医師の指示に従い、正しく使用することが大切です。近年では認知機能障害や依存性の心配が少ない薬剤も開発されており、適切に服用すれば安全に使用し続けられることもわかっています。中途覚醒の症状がなかなか治らない場合は、精神科や心療内科に受診し、睡眠導入剤の使用を相談してみましょう。睡眠導入剤についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考にしてください。「睡眠薬の種類を徹底比較 特徴や市販薬との違いも解説」はこちらから
中途覚醒は過度なストレスやアルコール、睡眠時無呼吸症症候群など、さまざまな原因で発症し、誰にでもなりうる病気です。中途覚醒の症状が慢性的に続くと日常生活に支障をきたすため、生活習慣などで改善しない場合は、一度専門家に相談してみましょう。医療機関では状態に応じて睡眠導入剤の処方などを検討してもらえます。医療機関に受診する時間がない場合はオンライン診療がおすすめです。デジタルクリニックでは、24時間365日オンラインによる診療をおこなっています。医師が対面の診療によって中途覚醒の原因について考え、適切な治療法を提案します。中途覚醒などの不眠症状に悩まれている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
【参考文献】厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」厚生労働省「睡眠時無呼吸症候群 / SAS(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)」e-ヘルスネット 厚生労働省「不眠症」e-ヘルスネット 厚生労働省「睡眠と生活習慣病との深い関係」e-ヘルスネット 厚生労働省「快眠と生活習慣」
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