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2025.02.13

アフターピル(緊急避妊薬)を服用しても妊娠した?正しい服用方法も解説

「アフターピル(緊急避妊薬)を服用しても妊娠したケースがある?」

「なぜ避妊に失敗したのだろう…」

アフターピルの服用を検討している方のなかには、アフターピルの使用後に妊娠した場合の原因について気になる方も多いのではないでしょうか。
アフターピル(緊急避妊薬)は原則72時間以内に服用することで高い避妊効果が期待できますが、服用時期が遅れるなど、いくつかの原因で避妊に失敗する場合があります。

この記事では、アフターピル服用後に妊娠してしまった原因と、確実な避妊効果を得るための正しい服用方法について紹介します。

アフターピル(緊急避妊薬)を服用しても妊娠する原因

アフターピル(緊急避妊薬)を服用しても妊娠する可能性はゼロではありません。
日本産科婦人科学会の『緊急避妊法の適正使用に関する指針』によると、緊急避妊薬は100%の避妊効果はないとされています。(参考1)
妊娠してしまう主な原因は、以下の5つのケースが挙げられます。

服用するのが遅かった

アフターピルは性行為が済んでから服用までの時間によって、効果が大きく左右される特徴があります。

アフターピルの主な働きは、排卵を抑制する、受精卵の着床を阻止する作用です。
例えば、すでに排卵が始まっている場合は効果が得られにくくなります。
また、アフターピルを服用するまでに受精卵が子宮内膜に着床した場合は、妊娠がすでに成立しているため効果が得られません。
アフターピルは服用のタイミングが遅くなるほど、避妊効果が低下してしまうのです。

そのため、レボノルゲストレル製剤(ノルレボ)は性行為から72時間以内、ウリプリスタル酢酸塩製剤(エラワン)は120時間以内の服用が望ましいとされています。
(参考1)(参考2)(参考3)

個人輸入の偽薬を服用した

インターネットでの個人輸入には、偽薬や品質が保証されていない薬を購入してしまうリスクが潜んでいます。
このような薬を服用すると避妊効果が得られない可能性があるだけでなく、健康被害を引き起こすリスクもあります。
そのため、必ず医師の処方を受けて、正規品のアフターピルを使用することが大切です。

服用後に嘔吐した

アフターピルを服用した後、2時間以内に嘔吐した場合、薬の成分が十分に吸収されず効果が得られない可能性が高いとされています。
(参考1)
吐いてしまった際には、医師に相談の上で再度服用する必要があります。

あらかじめ副作用による嘔吐が心配な場合は、吐き気止めを処方してもらえることもあるため、
アフターピルの処方を受けるときに相談してみましょう。

併用不可のサプリと飲んでしまった

セイヨウオトギリソウを含む食品など、一部のサプリメントには緊急避妊薬の効果を弱める作用があります。
また、抗けいれん剤やHIVの治療薬など、一部の医薬品との相互作用も報告されています。
(参考1)
そのため、服用時には医師に使用中の薬剤やサプリメントについて必ず伝えることが重要です。

BMI25以上の場合も

欧米のデータによると、BMIが25以上の場合、緊急避妊薬の効果が低下する可能性が報告されています。
(参考4)
ただし、あくまで限定的なデータであり、BMIに関わらずアフターピルの服用は推奨されているのが現状です。

アフターピル(緊急避妊薬)の正しい服用方法

アフターピルで確実な避妊効果を得るためには、正しい服用方法を守ることが重要です。

1.服用のタイミング
アフターピルは性行為で避妊に失敗したタイミングから、できるだけ早く服用を開始します。
レボノルゲストレル製剤は72時間以内、ウリプリスタル酢酸塩製剤は120時間以内が服用の目安です。

2.服用方法
医師から処方されたアフターピルを、コップ1杯の水またはぬるま湯で服用します。
食事の有無は問いません。薬の成分の吸収を確実にするため、服用後2時間は嘔吐に注意しましょう。
(参考1)

3.服用後の避妊
アフターピルは、服用後の性行為に対する避妊効果はありません。
そのため、次の月経まではコンドームなどアフターピル以外の避妊が必要です。(参考2)

4.副作用と対処法
アフターピルの副作用には、頭痛やめまい、吐き気などの症状があります。
特に服用後24時間以内は安静にすることがおすすめです。
副作用が強い場合は、処方された医療機関に相談しましょう。

アフターピルの詳しい服用方法については、こちらの記事でも詳しく解説しているのでご覧ください。
「アフターピル(緊急避妊薬)を服用しても妊娠した?正しい服用方法も解説」

アフターピル(緊急避妊薬)の効果を確認する方法

アフターピルの避妊効果は、消退出血や妊娠検査薬の使用により確認できます。
アフターピルの服用後、1〜2週間ほどで消退出血が見られた場合は、避妊に成功した可能性が高いとされています。
(参考1)
消退出血とは、アフターピルの作用によって子宮内膜から起こる出血で、通常2~3日間程度続くことが多いです。

アフターピルの服用後、消退出血がしばらくこない、もしくは消退出血なのか見分けがつかないといった場合などは、妊娠検査薬の使用や医療機関の受診をおすすめします。

アフターピル(緊急避妊薬)服用後に妊娠検査薬を使用する

アフターピルを使用した後も、以下の場合は妊娠している可能性が考えられるため、妊娠検査薬を使用してみましょう。(参考3)

  1. アフターピルを服用した後、3週間経っても消退出血がこない場合
  2. 通常と異なる出血、腹痛や吐き気などの症状がある場合

性行為後にアフターピルを使用しても、すでに受精卵が子宮内膜に着床してしまった場合などは、妊娠が成立する可能性があります。
そのため、上記のような妊娠に関連する体の変化が起きている場合は、妊娠を疑っても良いでしょう。

医療機関での検査する

前述した内容のほかにも「出血したけど消退出血なのか判断に迷う」「妊娠検査薬で陽性がでた」などの場合は、妊娠の有無を確実に判断するために、医療機関で検査を受けることをおすすめします。
医療機関では異所性妊娠(子宮外妊娠)や婦人科疾患の有無も確認できます。(参考3)

まとめ

アフターピル(緊急避妊薬)を使用しても完全に避妊効果が得られるわけではありません。
アフターピルを使用するときは、より高い避妊効果を得るために、性行為後、できるだけ早く服用することが重要です。
安全に服用するために、個人輸入などの偽薬は避け、必ず医師の処方を受けましょう。
また、服用後2時間以内に嘔吐した場合や、特定の薬剤やサプリメントを併用する場合は、避妊効果を低下させる恐れもあるため、注意が必要です。

アフターピルの服用後、避妊効果を確認するためには、消退出血の有無を確かめ、妊娠検査薬も使用してみましょう。
妊娠検査薬が陽性であった場合や少しでも不安がある場合は、医療機関での検査をおすすめします。

【参考文献】
日本産科婦人科学会「緊急避妊法の適正使用に関する指針」
「ノルレボ錠1.5mg」添付文書
ellaOne Package leaflet
Appendix J_ Classifications for Emergency Contraception _ Contraception _ CDC