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2025.02.12

トレチノインの効果 | 効果的に効くシミや正しい使い方を解説

「トレチノインにはどんな効果がある?」「歳を重ねてもシミやシワのない肌を保ちたい」

トレチノインは日本国内では未承認の医薬品ですが、海外ではシミやニキビの治療薬として認可されています。
さまざまな肌トラブルのケアに効果的ですが、安全に使用するためには正しい使用方法を知っておくことが大切です。

この記事では、トレチノインの効果や正しい使い方、副作用などについて詳しく解説します。

トレチノインに期待できる効果

トレチノインは肌の新陳代謝やコラーゲンの生成、皮脂の分泌抑制を促すことで、シミやシワ、ニキビなどの改善が期待できます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

シミの改善

トレチノインの効果のひとつは、肌の生まれ変わりを促すことによるシミ改善を期待できるというものです。

シミは表皮の一番深いところにある「基底層」にメラニン色素が沈着することで生じます。基底層には「メラノサイト」というメラニン色素を作る細胞があり、肌が紫外線の刺激を受けることによって、さらにメラニン色素が生成されます。

メラノサイトによって生成されたメラニン色素は通常、約4週間ほどの時間をかけて表面へと押し上げられ、皮膚からはがれ落ちます(ターンオーバー)。
しかし、加齢によって表皮の細胞の機能が低下し、ターンオーバーのサイクルが遅れると、メラニン色素が排出されず、徐々に肌表面にシミが生じてしまうのです。

トレチノインには、表皮の細胞を活発にし、皮膚の生まれ変わりを促す効果があります。
その結果、メラニン色素の排出が促進され、シミの改善につながります。

シワの改善

トレチノインには、コラーゲンの生成を促す働きによって、肌にできたシワにも改善効果があります。

シワは、加齢や乾燥などによって皮膚の最も表面にある「角層」の水分保持能力が低下し、外部から刺激が入りやすくなって、肌の柔軟性が低下することで発生します。
普段、肌の柔軟性をキープするために働いているのは、角層より深い部位に存在する「コラーゲン繊維」です。

トレチノインにはコラーゲンの生成効果があり、適切に使用することで、加齢や乾燥などによる肌のシワが目立たなくなります。
シワ改善だけでなく、肌のハリも増え、若々しい肌に導かれるのが魅力です。

ニキビの改善

トレチノインは皮脂の分泌を抑制することで、肌にできたニキビの改善効果も期待できます。

ニキビは、生活習慣などで肌の新陳代謝が乱れて増加した皮脂が肌の毛穴に詰まり、細菌が増殖することで発生します。

トレチノインは皮脂腺を縮小させて、皮脂の過剰な分泌を防ぐ作用によって、毛穴が詰まりにくい肌環境を作る効果もあるのです。
さらにターンオーバーを促すため、毛穴に詰まった汚れや古い角質を排出させることで、より毛穴をきれいに保てる効果があることがわかっています。

トレチノインに含まれる皮脂の分泌抑制や肌の新陳代謝の作用が、ニキビによる赤みや腫れに対し、より良好な効果を発揮します。

トレチノインが効果的に効くシミは?

あらゆる肌トラブルに悩む方にとってうれしい効果がたくさんあるトレチノインですが、どのシミにも効果があるわけではありません。
特に効果を示すシミは主に以下の3つです。

  • 老人性色素斑(年齢を重ねることで顔や手にできる茶色のシミ)
  • 炎症性色素沈着(ニキビ跡やキズの炎症後にできるシミ)
  • 日光性色素斑(紫外線ダメージによりできる茶色のシミ)

また、肝斑やそばかす、生まれつき存在するシミ、茶色のホクロなどにも、時間はかかりますが、トレチノインの効果が得られることがわかっています。

トレチノインが効果的なシミは皮膚の表面にできるシミです。
「真皮」という皮膚の深い部位にできるシミはレーザー治療を併用することをおすすめします。

トレチノインとよく一緒に使用されるのがハイドロキノンで、併用することでより効果の高いシミ改善効果が期待できます。
ハイドロキノンについてはこちらの記事で詳しく解説しているのでご参考になさってください。
「ハイドロキノンの効果 | 改善を期待できるシミの種類や使い方を解説」

トレチノインの正しい使い方

トレチノインを使用するときは本来の効果をより発揮するために、正しい使用方法を守りましょう。

  • 使用前に洗顔する
  • 化粧水で肌を整える
  • トレチノインをシミの部分に綿棒などで薄く塗布する

トレチノインの使用中は肌が刺激に敏感な状態になるため、スキンケア用品は低刺激のものを選び、十分に肌を保湿しましょう。

トレチノインの基礎知識

トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)は、ビタミンAの誘導体のひとつです。

ビタミンAは、皮膚や粘膜を健康に保つ効果や抗酸化作用によって肌を若々しく保つ効果があります。しかし、ビタミンAは体内で作られないため、食事やサプリメントなどで摂取しなければなりません。

トレチノインの医薬品は、美容外科や皮膚科で処方可能です。トレチノインの効果を手軽に試してみたい方は、同じビタミンAの誘導体である「レチノール」を含んだ市販のスキンケア商品や化粧品から始めるのもいいでしょう。

トレチノインは、体の中の特定の反応を引き起こす生理活性作用が、レチノールの50〜100倍程度だと言われています。そのため、レチノールよりも高い効果を得たい方に人気です。

しかし、使用するときは副作用などの注意点があります。

トレチノインの副作用

トレチノインの副作用は主に2点です。

  • 肌が赤くなりほてる
  • 肌がボロボロと垢のようにむける

トレチノインは角質をはがす働きがあるため、使い始めは皮膚が剥がれてボロボロとしたり、赤くなったりすることがあります。数日使用すると落ち着きますが、皮膚の薄い目や口の周りは症状が出やすいため注意しましょう。

これらの副作用は、ターンオーバーが活性化されることにより起こるケースが多いため、無理に冷やす必要はありません。最初は毎日使用せず、数日に1回ほどの頻度で使用し、肌の状態を確認しながら徐々に塗る頻度を増やしましょう。また、塗るときは薄く塗るようにすると副作用が起きるリスクが低くなります。

トレチノインを使用する上での注意点

トレチノインを使用する際には以下の点に注意しましょう。

全顔面に塗布しない
トレチノインは全顔面への使用は推奨されていません。気になる部分にのみ使用しましょう。

妊娠中は使用を避ける
トレチノインは妊娠中に使用すると、産まれてくる赤ちゃんが奇形や障害になるリスクがあると言われています。また、妊娠中は肌が敏感になっており、肌トラブルも増えるため使用は避けましょう。

使用後のトレチノインは冷蔵庫で保管する
トレチノインは熱や光に弱く、成分が分解されやすいため、冷蔵庫での保管が推奨されています。

開封後1ヶ月以上経過したら廃棄する
トレチノインの使用期限は1ヶ月程度と短く設定されていることが多いです。使用を続ける場合は、毎月処方してもらうようにしましょう。

紫外線対策をする
トレチノイン使用中は肌が敏感になるため、紫外線を浴びると色素沈着になるリスクが高まります。日焼け止めを使用したり、帽子やサングラスを着用したりして、紫外線対策を徹底しましょう。特に日中の外出時には、こまめな日焼け止めの塗り直しをおすすめします。

症状が強い場合は使用を中止し医師に相談する
トレチノインの使用中に以下の症状がみられたらすぐに使用を中止し、医師に相談しましょう。

  • 非常に強い痛みが生じる
  • 肌の赤みが強く腫れている
  • 血がにじむ部分がある

トレチノインは自己判断で中止すると、色素沈着になるリスクが高くなるため、中止するときにも必ず医師に相談し、指示に従いましょう。

まとめ

トレチノインはビタミンAの誘導体の一種で、シミやシワ、ニキビの改善に効果的な医薬品です。
肌に対する効果が高いため、使いはじめは副作用が出やすい傾向にあります。
トレチノインを使用するときは、本来の効果をより安全に発揮させるために必ず医師の指示に従いましょう

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【参考文献・資料】

KEGG 医療用医薬品 : ベサノイド
KEGG トレチノイ
立研究開発方人 科学技術振興機構報 第283号 開発した技術概要
厚生労働省 スイッチ OTC 医薬品の候補成分の成分情報等
安定で有効なトレチノインゲルとヒドロキノン軟膏との併用
シワ形成メカニズムと抗シワ製品 日本香粧品学会誌 Vol. 43, No. 2, pp. 113–118 (2019)
皮膚科医が考えるアンチエイジング皮膚老化の予防法と対応について 順天堂大学 2006,52,P429~436