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2025.05.26

妊娠初期の便秘 | 原因や妊娠中に使うことができる便秘薬を解説

「妊娠してから急に便秘ひどくなった」「いつもはすぐに良くなるはずの便秘がなかなかが治らない…」

このように妊娠が発覚した途端、便秘で悩み始める方も多いのではないでしょうか?

妊娠初期は、ホルモンバランスの大きく変化などが原因で便秘が生じやすくなります。便秘によって不快な症状につなげないためにも、妊娠中でも使用できる安全な便秘薬などを知っておくことが大切です。

この記事では、妊娠初期の便秘の原因や対処法をわかりやすく解説します。妊娠中のマイナートラブルに悩んでいる方、これから妊娠を予定している方は、ぜひ参考にしてください。

妊娠初期に便秘になる原因

妊娠初期は、ホルモンバランスの大きな変化やつわりなどの影響で便秘が生じやすくなります。特に、妊娠を維持するために分泌される「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の増加が腸の動きを鈍らせることで、便秘の大きな要因となります。(参考1)

妊娠初期の便秘の特徴

妊娠初期は「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌が増加し、便秘が生じやすくなります。プロゲステロンは妊娠を維持するために働きますが、その一方で腸のぜんどう運動を抑える作用があるため、便秘を引き起こしやすくなります。(参考1)排卵期から増加し始めるため、妊娠が発覚する前から便秘の症状を感じる人もいるほどです。(参考2)

個人差はありますが、つわりも妊娠初期の便秘に関係することがあります。つわりによって食事や水分がうまく摂れないと、便のかさが減ったり水分が不足したりして、排便がスムーズにいかなくなる可能性があります。

便秘はお腹の赤ちゃんに影響がある?

妊娠初期の便秘は、基本的に赤ちゃんに直接的な影響を与えることはありません。(参考3)排便時に多少いきんだとしても、通常であれば切迫流産などのリスクはないとされています。しかし、不安が強い場合は無理をせず、医師に相談するのが安心です。

妊娠初期で便秘を放置すると

妊娠初期の便秘を放置すると腸内に長くとどまった便が硬くなり、排便時に肛門を傷つけたり痔になったりするリスクが高まります。(参考1)お腹がパンパンに張って苦しくなる、痛みを感じるといった症状がある場合は、薬の使用も検討しましょう。

妊娠中に使うことができる便秘薬

妊娠中には「酸化マグネシウム」という便秘薬が使用できます。酸化マグネシウムは便を柔らかくし、腸の負担を抑えながら自然な排便を促す薬で、体内に吸収されず作用も穏やかです。医師の指示に従って用量・用法を守れば、長期使用も可能で体への影響も少ないとされています。(参考4)(参考5)

市販の便秘薬のなかには子宮に刺激を与える成分が含まれていることもあるため、自己判断での服用は避け、必ず医師の診察を受けたうえで使用しましょう。(参考5)

妊娠中の便秘薬の使用に関しては、以下の記事でも詳しく解説しております。気になる方はぜひご覧ください。

「妊娠中に使用できる便秘薬 | 解消方法や妊娠中の便秘についても解説」はこちら

妊娠初期にできる便秘改善方法

妊娠初期の便秘を改善するためには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。

意識的に水分補給をしたり、食物繊維を多く含む食べ物を摂ったりすることで便を柔らかく保つようにしましょう。(参考6)(参考7)食物繊維が多く含まれている食材は、海藻類やきのこ、大豆、こんにゃくなどです。

また、無理のない範囲でウォーキングなどの軽い運動を習慣づけると、腸が刺激され排便がスムーズになります。(参考6)毎日決まった時間に食事や就寝、起床を行うことで自律神経のバランスも整い、腸の働きも安定しやすくなります。

これらの方法を日常生活に無理なく取り入れて、妊娠初期の便秘と上手に付き合っていきましょう。しかし、つわりがある場合は無理のない範囲で行ってください。

便秘の解消方法は以下の記事でも解説しています。より詳しい解消方法を知りたい場合はぜひご覧ください。

「便秘の解消方法 | 日々できることや便秘の種類を詳しく解説」はこちら

妊娠中期・後期の便秘の特徴

妊娠中の便秘は、妊娠中期や妊娠後期でも生じやすいです。

妊娠中期になると、プロゲステロンの分泌量がさらに増加し、腸の動きが抑えられて便秘が悪化することがあります。さらに、お腹が大きくなるにつれて運動不足になりやすく、腸の働きが鈍ることで排便がスムーズにいかなくなります。(参考1)

妊娠後期では子宮の拡大によって圧迫された腸が狭くなったり、位置がズレたりすることで慢性的な便秘が生じることも多いです。(参考1)

妊婦が便秘になる原因については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

「妊婦が便秘になる原因 | 各ステージ毎の特徴や解消方法を詳しく解説」はこちら

まとめ

妊娠初期はプロゲステロンの増加やつわりが原因で便秘が起こりやすくなります。便秘が直接赤ちゃんに悪影響を与えることはないですが、不快な症状がある場合は、痔のリスクを防ぐためにも酸化マグネシウムの使用を検討しても良いでしょう。食生活の見直しや軽い運動なども便秘に効果的ですが、つわりがある場合は無理しない範囲で行ってください。

また、つわりなどのマイナートラブルで、便秘薬の処方のために、医療機関を通院するのが難しい方もいるでしょう。そのような方は、オンライン診療を利用するのも手段の一つです。

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参考文献

(参考1)日本臨床麻酔学会誌 ”妊婦の生理学”

(参考2)公益社団法人 女性の健康とメノポーズ協会 ”エストロゲンとプロゲステロン”

(参考3)公益社団法人 母子衛生研究会 ”妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)”

(参考4)KEGG ”医療用医薬品:酸化マグネシウム”

(参考5)健栄製薬 “酸化マグネシウムE便秘薬”

(参考6)公益社団法人 日本助産師会 ”妊娠中の標準的な健康教育”(参考7)日本助産学会誌 ”エビデンスに基づく助産ガイドラインー妊娠期・分娩期・産褥期2024ー”