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2025.05.26

膀胱炎の予防方法 | 症状や種類、治療方法を詳しく解説

膀胱炎は膀胱に細菌が入り込んで炎症を起こす病気で、特に女性に多いと言われています。排尿時の痛みや残尿感などが主な症状で、一度発症すると再発を繰り返すこともあるため、予防法を知っておくことが大切です。(参考1)(参考2)(参考3)

この記事では、膀胱炎の予防方法と症状、治療方法について詳しく解説します。膀胱炎に関する正しい予防方法を取得し、日常生活に役立てましょう。

膀胱炎を予防する方法

膀胱炎を予防するためには、尿道への細菌の侵入を防ぐこと、または侵入しても排出しやすい環境をつくることが大切です。具体的な方法は以下になります。

尿をしっかり出す

尿意を感じたらトイレで尿をしっかり出す習慣をつけましょう。尿意を我慢して膀胱に尿が長時間たまると、細菌が増えて膀胱炎が生じやすくなります。

仕事や家事などで忙しい方は、こまめにトイレに行けない場合もあるかもしれません。しかし、少なくとも数時間おきにはトイレに行き、尿意を我慢しないようにしましょう。(参考1)

水分補給を適度にする

膀胱炎を予防するには、こまめに水分を補給することが重要です。(参考1)水分をとらないと尿が出ず、膀胱内にある細菌を体の外へ出すことができません。そのため、膀胱内の細菌を洗い流すために、水分を補給して体内で尿を多く作る必要があります。

トイレの回数が増えることを懸念して水分補給を控える方もいますが、それは逆効果です。水分補給を控えると尿の回数が減るため、細菌を体の外に出す機会が少なくなります。

水分補給の適量には個人や季節によって差がありますが、1日2〜2.5Lの水分を目安にし、十分に尿を排出できるようにしましょう。(参考1)特に尿の色が濃い黄色や茶色の場合、量が少ない場合は水分不足のサインになるため、意識的に水分をとることが大切です。(参考4)

また、コーヒーや緑茶などのカフェインを含んだ飲料は利尿作用が強く、膀胱を刺激するため、過剰に摂取するのは控えてください

陰部を清潔に保つ

外陰部の清潔は細菌の侵入を防ぐために大切です。とくに女性の尿道は長さが短く、膣や肛門と近いため、細菌が簡単に膀胱まで入ってしまいます。尿道への細菌の侵入を防ぐために、以下の生活習慣を心掛けましょう。

  • 外陰部を拭く方向に気をつける

排便後は肛門から排出された大腸菌などが尿道に入りやすくなります。肛門にいる菌が尿道のまわりに付着しないように、前から後ろへ拭きましょう。

  • ナプキンやおりものシートこまめに取り替える

女性はおりものシートや生理用品に雑菌がつきやすいため、長時間同じナプキンをつけたままにすると菌が繁殖しやすくなります。(参考1)こまめに取り替えるようにしましょう。

  • 性行為の後はトイレに行き、シャワーを浴びる

尿道付近の粘膜にこすれて傷がついたり、尿道口に細菌がつきやすくなったりするため、性行為後は膀胱炎になりやすいと言われています。性行為後すぐに排尿すると、菌の侵入を予防できます。また、シャワーで外陰部を清潔にするとより効果的です。

クランベリー

クランベリーに含まれるプロアントシアニジン(PAC)は、大腸菌などの細菌の付着を防ぐと言われています。そのため、膀胱炎の予防にはクランベリーを摂取することも効果的です。(参考5)

クランベリーは酸味が強いため、取り入れる場合は、クランベリージュースもしくはサプリメントでの摂取がいいでしょう。しかし、クランベリーの効果には個人差があり、すべての人に同じような効果が期待できるわけではありません。(参考5)

詳しい情報については以下のページをご覧ください。

「膀胱炎 クランベリー」内部リンク

膀胱炎はどんな病気?

膀胱炎は膀胱粘膜が炎症を起こす病気です。大腸菌などの細菌が尿道から膀胱に入り込んで増殖し、炎症を起こします。とくに女性の尿道は男性に比べると短く、肛門や膣と近いため、雑菌が入りやすい構造になっています。

そのため、膀胱炎はとくに若い女性と高齢者に多い傾向です。一度改善しても再発するリスクが高く、放置すると腎臓に炎症が起きて「腎盂腎炎(じんうじんえん)」に進行する可能性があります。

膀胱炎の症状

膀胱炎の一般的な症状は以下のとおりです。(参考1)(参考2)(参考3)

  • 頻尿:1日に何度も尿意を感じる
  • 排尿時痛:尿を出すときに痛みや違和感がある
  • 残尿感:トイレ後も尿意が残る
  • 尿のにごり:尿に細菌が混じって白っぽくなる
  • 血尿:尿に血液が混じる

症状の程度や現れ方には個人差があります。また、発熱や腰の痛みがある場合は、膀胱炎が進行して腎盂腎炎になっている可能性があります。その場合はすぐに医師に相談しましょう。(参考1)(参考2)(参考3)

膀胱炎の症状や注意点についての詳しい情報については以下のページをご覧ください。

「膀胱炎の症状 | 原因や種類、治療方法や予防方法を詳しく解説」はこちらから

膀胱炎の種類

膀胱炎には、大きくわけて以下の種類があります。

  • 急性(単純性)膀胱炎

膀胱炎のなかで最も多く、大腸菌などの細菌が原因で発症します。(参考1)(参考2)

  • 複雑性膀胱炎

尿路結石や糖尿病、前立腺肥大症といった病気が原因で発症する膀胱炎です。(参考1)(参考2)

  • 間質性膀胱炎

細菌感染以外で起こる膀胱炎です。原因不明の膀胱炎症状が起こり、尿検査でも異常が出ないことがあります。「ハンナ型」という病変が確認されることもあります。(参考1)(参考6)(参考7)

そのほかの種類として、放射線治療によって起こる「放射線性膀胱炎」や、薬の副作用で起こる「薬剤性膀胱炎」などもあります。

膀胱炎の治療方法

膀胱炎の治療方法は、抗生剤の服用が一般的です。(参考2)抗生剤を数日服用すると、症状の改善がみられる場合が多いですが、症状がなくなっても指示どおりの期間服用し、飲み切るようにしましょう。

途中で抗生剤の服用をやめてしまうと、菌が完全に排除されないまま体内に残り、症状が再び現れることがあります。さらに、残った菌が薬に対して強くなってしまい(耐性菌)、治療効果が低下する恐れもあるため、医師の指示通りに最後まで服薬を続けることが大切です。(参考8)

膀胱炎は完治後も繰り返しやすいため、再発させないように日々予防法に努めましょう。こまめな水分摂取と排尿、デリケートゾーンの清潔保持などを心掛けてください。尿道への細菌の侵入と増殖を予防することが大切です。

まとめ

膀胱炎は大腸菌などの細菌が、尿道や膀胱に侵入することによって炎症が起きる病気です。とくに女性は発症しやすいため、膀胱炎を予防するような生活習慣を日々心掛けましょう。

具体的には、こまめな水分補給や排尿習慣、陰部の清潔保持、クランベリーの摂取などが大切です。もし、膀胱炎の症状が見られた場合は医師に相談し、早めに対処するようにしましょう。

参考文献

(参考1)やっかいでしつこい膀胱炎 | 千葉県医師会

(参考2)JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015―尿路感染症・男性性器感染症― | 日本感染症学会

(参考3)尿路感染症(膀胱炎、腎盂腎炎) | 全国健康保険協会

(参考4)尿の色で脱水症状チェック | 厚生労働省HP

(参考5)クランベリーの薬効を裏付けるプロアントシアニジン(J-STAGE)

(参考6)間質性膀胱炎・膀胱痛症候群診療ガイドライン | 日本泌尿器学会

(参考7)女性下部尿路症状診療ガイドライン [第2版] | 日本感染症学会

(参考8)耐性菌を増やさないための抗菌薬の使用方法のポイントについて教えてください