fbpx

2025.05.15

ダイエットで便秘に?原因や正しい運動方法、治療方法を詳しく解説

ダイエット中、なぜかお腹の調子が悪いし、便秘気味……

そんな経験はありませんか? 実は、ダイエットが原因で便秘になることは少なくありません。この記事では、ダイエット中の便秘の原因や、便秘解消・予防のための運動法、治療方法について詳しく解説します。

ダイエット中に便秘になってしまう原因

ダイエットによる便秘は決して珍しいことではありません。便秘になりやすいダイエット法とその理由を以下で詳しく解説します。

便秘になるおそれがあるダイエット方法

  • 食事量を減らしすぎる

ダイエットでよく行われるのが「食事量を減らす」方法ですが、極端に摂取量を制限すると、便の材料となる食べ物の量が減ってしまいます。便のかさが減ると、腸が刺激を受けにくくなり、腸の動き(蠕動運動)が鈍くなります。その結果、便が腸内にとどまりやすくなり、便秘を引き起こします。

  • 分をとらない

「むくみたくないから」と水分を控える人もいますが、水分は便の柔らかさを保つために重要です。十分な水分が腸内に届かないと、便が硬くなり、排出が困難になる場合があります(参考1)。

  • 食物繊維を摂らない

野菜、果物、海藻、豆類、全粒穀物などに多く含まれる食物繊維は、便のかさを増し、腸を刺激して排便を促す働きがあります。しかし、ダイエット中にそれら食物繊維を避けると、便秘を招きやすくなります(参考1)。

便秘にならないための正しいダイエット方法

便秘にならないための正しいダイエット方法は、腸の動きを活性化させるために重要です。以下の運動が効果が期待できると考えられます。

  • 有酸素運動

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、腸の動きを活発にし、便通を改善するのに役立ちやすいとされています(参考1)。

  • お腹のマッサージ

腸の動きを直接刺激するために、お腹のマッサージも有効です。特に、おへそを中心に「の」の字を描くように右回りにマッサージする方法がおすすめです。1日15分、週5回程度の実施で、便秘改善が期待できます(参考2)。

「便秘 運動」内部リンク

便秘の治療方法

便秘の治療方法は、原因や症状の重さに応じてさまざまな手段がとられます。以下に、主な治療方法を紹介します(参考3)。

  • 基礎疾患の治療

便秘が基礎疾患(例:糖尿病や甲状腺機能低下症など)によるものであれば、まずその疾患の治療が重要です。疾患が改善することで、便秘も改善する可能性があります。

  • 薬の調整

便秘を引き起こしている薬(例:抗うつ薬や降圧薬など)を服用している場合、その薬の中止や変更が推奨されることがあります。薬剤の見直しが必要な場合もあるため、医師に相談することが大切です。

  • 予防と生活習慣の改善

便秘予防には、規則正しい生活、運動、十分な水分摂取、高繊維食の摂取が効果的です。これらを組み合わせることで、便秘を改善する可能性が高まります。

  • 下剤や浣腸

下剤や浣腸は一時的な便秘解消に効果が期待できます。

便秘の治療薬

便秘の治療に使われる主な薬は、次のような種類があります(参考1)。

  • 浸透圧性下剤

便に水分を引き込むことで、便を柔らかくして排便をスムーズにする薬です。刺激が少なく、便が硬くて排便がつらい場合に使われます。

  • 上皮機能変容薬

腸内の水分を増やして便を柔らかくする薬です。腸の働きが長期的にサポートされるので、安定した効果を得やすいのが特徴です。

  • 胆汁酸トランスポーター阻害薬

腸での胆汁酸の再吸収を抑え、水分を腸内に増やすことで、腸の動きを良くする薬です。これによって便通の改善が期待できます。

  • 漢方薬

体質や便秘の種類に合わせた自然由来の薬です。症状に合わせて選ばれるため、便秘の改善に効果が期待できる場合があります。

  • 刺激性下剤

腸を直接刺激して便意を起こさせる薬です。即効性があり、便秘がひどいときに使われますが、長期間使うと腸が弱くなる可能性があるので、必要な時だけ使用するのが良いです。

一般的に便秘の治療に用いられる薬について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

「便秘治療に使われる薬 | 服用方法や選ぶ時に注意するべきことを解説」の記事はこちらから

便秘とはどんな状態?

便秘は、腸の動きが弱くなったり、水分が足りずに便が硬くなったりすることで、便がスムーズに出にくくなる状態です(参考4)。これにより排便回数が減ったり、排便後にすっきりしない感じが残ることがあります(参考4)。

また、便が硬くなって出しにくくなったり、排便時に強くいきまないと便が出ないといった不快な症状を伴うこともあります(参考4)。こうした症状が続くと、日常生活に支障をきたすことがあるため、便秘を解消するための対策が早期に必要です。

便秘の基準について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

「便秘の基準 | 解消方法や治療に使われる薬を詳しく解説」はこちらから

便秘治療に使われる漢方薬

便秘治療に使われる漢方薬は、体質に合わせて選ばれます。体力がある「実証タイプ」と、体力がない「虚証タイプ」に分け、それぞれに適した漢方薬が使われるのが一般的です。

以下は、実証タイプと虚証タイプに対応した漢方薬です(参考5)。

実証タイプの便秘に用いられる漢方薬

  • 大黄甘草湯

特に便秘以外の症状がない場合に使用されます。

  • 桃核承気湯

のぼせや頭痛、神経症状が見られ、下腹部に張りがある方に適しています。

  • 防風通聖散

体が太鼓腹のような症状を示す場合に使われます。特に女性に適応されることが多いです。

  • 調胃承気湯

大黄甘草湯では効果が不十分な場合に使用されます。

虚証タイプの便秘に用いられる漢方薬

  • 潤腸湯

高齢者向けの薬で、便がコロコロしており、手足のほてりが伴う場合に使われます。

  • 麻子仁丸

便秘以外の特別な症状がない場合に使われることが多く、硬便の多い高齢者に向いています。

  • 桂枝加芍薬大黄湯

腹痛など他の症状もあるときに用いられます。

  • 大建中湯

極度に体力が低下している状態で、冷えや腹部の膨満感がある場合に用いられます。

「漢方薬 便秘」内部リンク

まとめ

ダイエット中に起こる便秘は、適切な知識と対策で改善が期待できます。食事内容の見直しや水分摂取の工夫、軽い運動の継続が便秘改善の第一歩となります。症状が長引く場合には、医師への相談も選択肢です。思うように痩せない時も、無理なダイエットは禁物です。ダイエットを行う際は、健康面を考慮した方法を選択することが重要です

自分に合った便秘対策を相談したい場合は?

ダイエットを頑張っているのに、便秘が続いてつらい…。そんな悩みを抱えていませんか?

このような不調は、ダイエット方法が自分の体に合っていない可能性もあります。便秘のタイプや体質に合った治療を見つけたい場合は、内科や消化器内科などで相談してみるのが安心です。

しかし、

「平日は忙しくて病院に行く時間がない…」
「薬や漢方をすぐに処方してほしい…」

という声も少なくありません。そんなときは、オンライン診療を活用するのも一つの方法です。

デジタルクリニックグループでは、24時間365日、医師の診療をオンラインで受けることができます。

ダイエット中の便秘について相談したい方は、以下からご予約ください。

オンライン診療はこちらから

参考文献

(参考1)便秘について-便秘治療の進歩 市川雪

(参考2)Lämás K, Graneheim UH, Jacobsson C. Experiences of abdominal massage for constipation. Journal of clinical nursing、2012; 21 (5-6): 757-765.

(参考3)MSD家庭マニュアル

(参考4)便通異常症診療ガイドライン 2023 慢性便秘症

(参考5)慢性便秘の治療―漢方薬の種類とその使い方―