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便秘が続くと大腸がんに?危険な症状や治し方、解消方法を詳しく解説

2025.04.29

便秘が続くと大腸がんに?危険な症状や治し方、解消方法を詳しく解説

大腸がんは、かつては欧米で多いとされていましたが、近年日本でも増加しており、過去40年で男性は4倍、女性は3倍に増えています。長期間の便秘が大腸がんの原因になるという噂を耳にしたことがある方もいるかもしれません。この記事では、長期間の便秘と大腸がんの関係や、便秘を予防・解消する方法について詳しくご紹介します。(参考1)

便秘が続くと大腸がんになるリスクがある?

結論から言うと、便秘が続いても大腸がんのリスクが上がることはありません。しかし、便秘が続く場合、大腸がんの可能性があります。(参考2)

日本で約6万人の男女を対象に9年間かけて行われた研究で、便通が1日2回以上ある人、1日1回の人、週に2~3回しかない人の3つのグループを比較したところ、男女ともに大腸がん(結腸がん・直腸がんを含む)のリスクに差は見られませんでした。したがって、「便秘が続くと大腸がんになる」という関係性は現時点では報告されていません。(参考3)

便秘が続くと大腸がんになると言われている理由

「便秘が続くと大腸がんになる」と言われる背景には、主に2つの要因が考えられます。

  1. 便秘と大腸がんを引き起こす生活習慣が類似している

便秘自体が大腸がんの直接的な原因になるわけではありませんが、食物繊維の不足や運動不足といった生活習慣は、どちらのリスクも高める可能性があります。これらの共通点があるため、便秘が大腸がんを引き起こすと言われることがあります。(参考4)

  1. 大腸がんの症状に便秘がある

大腸がんが進行すると腸内の通路が狭くなり、便の通過が妨げられることで便秘が生じることがありますさらに、腸が閉塞すると「腸閉塞」を引き起こす可能性もあります。また、血が混ざっている便は、大腸がんの症状のひとつでもあるため注意が必要です。こうした症状の類似性から、便秘と大腸がんが関連していると誤解されることがあるのでしょう。(参考5)

このように便秘と大腸がんは関連があるため、便秘が続くと大腸がんになるという噂も広まっていると考えられます。また、便秘ではなく、下痢は大腸がんと関連があるとされています。(参考3)このように消化器症状と大腸がんは関連があることが多いですが、その関係性を正しく理解することが重要です。

大腸がんになる原因

大腸がんになる原因として知られているものは、生活習慣と遺伝性のものに分けられます。生活習慣では、以下のようなものがあります。

・加齢

・牛肉と豚肉の摂取

・食物繊維の不足

・葉酸の不足

・アルコール摂取

・喫煙

・肥満

・運動不足(参考1)

特に日本人の研究では、タバコとアルコールが大腸がんの原因の46%を占めるとされており、重要な原因であると考えられます。予防には、飲酒や喫煙を控えつつ、食生活の改善や運動が効果的でしょう。(参考1)

遺伝性のものでは、「家族性大腸ポリポーシス」と「遺伝性非ポリポーシス大腸がん」という2つのがん遺伝家系があり、がん発生の原因となる遺伝子を持っていることが知られています。(参考6)

便秘の危険な症状

便秘の危険な症状には下記のようなものが挙げられます。

・強い腹痛

・吐き気

・発熱

・便に血が混ざっている(血便)

このような症状は、生活の質が低下するだけでなく、腸閉塞や潰瘍、炎症性疾患のクローン病や、大腸がんの可能性もありますので、詳しい検査を受けるために医師へ受診することがおすすめです。(参考7)

便秘の危険な症状についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

「便秘 危険な症状」内部リンク

便秘の治し方

便秘の薬を用いた治療には、下記のような種類があります。

  • 塩類下剤:腸管内の水分を増やし、便を柔らかくして排便を促進します。
  • 膨張性下剤:腸管内で膨張し、腸の運動を促進して排便を助けます。
  • 刺激性下剤:便の中に水分を染み込ませ、柔らかくすることで排便を促します。
  • 浸潤性下剤:大腸を刺激して腸の運動を促進するタイプや、直腸を刺激して排便を促進するタイプがあります。
  • 副交感神経刺激薬/遮断薬:腸管の運動をコントロールする副交感神経の作用を調整します。
  • 漢方薬:症状に合わせて組み合わせて使うことができます。(参考8)

便秘は原因に合わせて最適な薬を選んで治療することが重要です。便秘と薬についてより詳細が気になる方は、こちらの記事をご覧ください。

「便秘治療に使われる薬 | 服用方法や選ぶ時に注意するべきことを解説」の記事はこちらから

便秘の解消方法

便秘の解消方法で自分ができることとして挙げられるのは、下記のようなものがあげられます。

・規則正しい食生活

・食物繊維の多い食事

・水分補給

・適度な運動

・お腹のマッサージ

・ウォシュレットの適正使用(参考7)

便秘の解消方法についてより詳細を知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

「便秘の解消方法 | 日々できることや便秘の種類を詳しく解説」内部リンク

まとめ

研究によると、便秘が続いても大腸がんのリスクが上がらないとされていますが、便秘と大腸がんのリスクを高める生活習慣には共通点があります。便秘が長く続くと、大腸がんの症状と似た状態になることがあり、不安を感じる人も少なくありません。便秘を改善するためには、食物繊維をしっかり摂り、適度な運動や水分補給を心がけることが大切です。日々の生活習慣を見直し、便秘も大腸がんも予防できる健康的な暮らしを目指しましょう。

「自分の便秘は何か大きい病気の症状なのではないか…」という悩みを抱えている人もいることでしょう。そのような場合は、オンライン診療で医師に相談してみるのも一つです。デジタルクリニックグループでは、オンラインで24時間365日診療が可能です。オンライン診療をご希望の場合、下記からご予約ください。

(参考1)日本生活習慣病予防協会「41. 大腸がん 原因の半分はたばことアルコール」

(参考2)大腸癌研究会「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版」

(参考3)国立研究開発法人国立がん研究センター「がん対策研究所 予防関連プロジェクト」

(参考4)吉田貞夫(2018)「腸内フローラが乱れると何か病気になるの?」Nutrition Care

(参考5)筒井敦子 et al. 「2 便秘がもたらす疾患」White

(参考6)東京都保健医療局「大腸がん」

(参考7)一般社団法人日本臨床内科医会「便秘」

(参考8)浜田康次(2007)「便秘のくすり」Nursing College