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2025.04.29
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
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この記事を読まれている方は「私、便秘かも…」など、お通じのことで気になることがあるという方が多いのではないでしょうか?本記事では、どのような状態を「便秘症」と呼ぶのかに焦点をあて、皆様に便秘について正しく理解していただくことを目標としています。
目次
2023年に発表された便通異常症診療ガイドラインによると、便秘は「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便、排便回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な怒責、残便感、直腸肛門の閉塞感、排便困難感を認める状態」と定義されています。そして、上記で定義された便秘の状態が慢性的に続き、日常生活に影響を及ぼす症状をきたし、検査、食事・生活指導または薬物治療が必要な状態を「慢性便秘症」と呼んでいます。(参考1)
つまり、「コロコロとした兎のフンのような便や、カチカチの便が出る」、「排便の回数が少ない」といった状態に加えて、「いきんでもなかなか出ない」、「出たあとにスッキリしない(残便感がある)」、「出すのがつらい、出にくい」、こういった症状があってつらい場合に便秘症が疑われる訳です。
さらに詳しく診断基準を知りたいという方向けに、日本で適応されている便通異常診療ガイドラインの診断基準を以下に記載しました。この診断基準は国際的に機能性消化管疾患の診断や治療を規定するRoma Ⅳ基準に準じて作成されています。
以下の6項目のうち、2項目以上を満たす。
6か月以上前から症状があり、最近3か月間は上記の基準を満たしていること。ただし、「日常診療」においては、患者を診察する医師の判断に委ねる。
便秘の定義に、何日以上排便がなかったら便秘という明確な決まりはありません。
ただし、週に排便が1、2回しかない人は、お腹のはりや排便困難に悩むことが多いとされており、こういった場合には便秘といえます。
一つの目安として、週に3回以上、つまりおおよそ2〜3日に1回の頻度で排便があるかどうかを目安に、ご自身の排便回数をチェックしてみてください。(参考1)
便秘や下痢などの症状を評価する際に用いられる指標が、以下の図に示されるブリストール便形状スケールです。上記、「慢性便秘症の診断基準」で示されているように、硬便とされているのはブリストールスケールType1とType2、つまりコロコロした兎のような便やコロコロ便が集まったような便です。便の形に関しても、硬い便がでたから絶対便秘と言い切ることはできません。硬便のでる頻度や、便を出す際のいきみや残便感といった症状を伴っていることが便秘と判断する上で重要です。(参考1)
(画像引用:https://www.kango-roo.com/ki/image_1747/)
厚生労働省の国民生活基礎調査によると便秘の症状がある人は女性43.7%と男性27.5%より多い結果となりました。女性に便秘が多い原因は、①筋肉量、②ホルモン、③食事量の3つの影響と主に考えられています。
女性は男性に比べて筋肉量が低い傾向にあり、骨盤の形状が異なります。さらに、月経前や妊娠中にはプロゲステロンというホルモンの分泌量が増え、腸のぜんどう運動が抑制されることで便秘になりやすいです。最後に食事量に関しても女性の方が少ない傾向にあり、特にダイエットをしている女性はより便秘になりやすいと考えられています。(参考2)
多くの場合、便秘は食習慣、睡眠など生活習慣の乱れやストレスに由来すると言われており、運動、食事、生活習慣を見直すことで便秘の解消につながります。さらに近年、内服薬の種類も多様となり、症状に応じて便秘薬を選ぶことができます。便秘の解消法について以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
「便秘の解消方法 | 日々できることや便秘の種類を詳しく解説」はこちらから
便秘の基本的な知識、症状や便秘のタイプなどについて、以下の記事でわかりやすく解説しています。より詳しく便秘について知りたいという方は是非ご参照ください。
「便秘とは | 症状や原因、治療方法や解消方法を詳しく解説」はこちらから
便秘の多くが生活習慣が原因と言われていますが、便秘を引き起こす薬剤や病気も存在します。便秘の原因に関して詳しく知りたいという方は以下の記事もご参照ください。
「便秘の原因 | 並行して起こりうる症状や改善方法を詳しく解説」はこちらから
便秘治療に用いられる薬には内服薬、坐薬、かん腸があげられます。内服薬は刺激性便秘薬、非刺激性便秘薬、漢方薬の3種類に大まかに分類されています。以下の記事で便秘薬について詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
「便秘治療に使われる薬 | 服用方法や選ぶ時に注意するべきことを解説」はこちらから
気になる症状があるけど、上記の基準に当てはまっていないからといって治療が不要というわけではありません。上記の診断基準に当てはまっていそうな方はもちろん、当てはまっていない方も排便に関して気になる症状があるという方は是非病院で相談してみてください。便秘の中には重大な病気が隠れている場合もありますし、正しい診断・治療を受けることで症状の改善、生活の質の向上が期待できます。
デジタルクリニックグループでは、オンラインで24時間365日診療が可能です。オンライン診療をご希望の場合は下記からご予約ください。
https://digital-clinic.life/online/constipation/
(参考1)便通異常症診療ガイドライン2023 慢性便秘症
(参考2)2022年(令和4年)国民生活基礎調査の概況
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