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2025.04.29
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
デジタルクリニックグループは、オンライン診療と対面診療を提供するクリニックです。 オンライン診療なら来院不要でスマホから24時間365日、全国どこでも受診できます。 20以上の幅広い診療科目に対応しており、お薬は最短で当日発送、翌日に自宅に届きます。
腸内に便やガスがたまって大腸が圧迫されるなどの腸内への異常刺激が、腰や背中の痛みとして認識される可能性があるとする報告があります(参考1)。つまり、便秘と腰痛は必ずしも無関係とは言い切れないと考えられています。
また、慢性的な便秘はこのような腹痛や下痢を招く可能性があるだけでなく、大腸がんなどの深刻な病気リスクとも関連しているのです。本記事では、便秘が腰痛を引き起こす原因とその対処方法、さらに便秘改善策や便秘の種類などの基礎知識をまとめて解説します。
目次
便秘によって腸内に便が長く留まると、直腸や大腸が硬く膨張し、周囲の神経や筋肉、背骨を圧迫します。この圧迫が腰や背中の痛みを誘発し、内臓への負担増加が自律神経の乱れを招いて腰痛を悪化させる場合もあります。加えて、便秘に伴う腹痛が反射的に腰部へ広がり、全身のバランスを崩すといった因果関係も考えられるでしょう(参考2,3)。
便秘を放置すると、前述の通り腸内に残った便がさらに硬化してぜん動運動が低下し、内臓への圧迫が強まります。その結果、背骨周辺の神経や筋肉に慢性的な痛みが定着しやすくなります。
さらに腸内環境が悪化して悪玉菌が増えることで有害物質の吸収が進み、大腸がんなど重篤な疾患リスクも高まるため、早めに受診して原因を確認することが大切です(参考4)。
ここまでの内容を踏まえると、便秘と腰痛の両方の症状がある場合には、便秘症状を改善することで腰痛も改善する可能性があります。もし腰痛の症状がつらいときは、以下の方法で緩和を図ってみましょう。
便秘を根本から改善するには、生活習慣の見直しが欠かせません。次のポイントを意識して日々取り組みましょう(参考7)。
これらは医療機関での治療と並行して行うことも可能です。まずは無理なく続けられる方法から試してみましょう。
便秘の解消方法については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
「便秘の解消方法 | 日々できることや便秘の種類を詳しく解説」の記事はこちら
いわゆる慢性便秘は、一般的には「排便の回数」だけでなく便の硬さや残便感なども含めた状態を指します。
日本消化管学会が編集した慢性便秘症診療ガイドライン2023では、慢性便秘症を「本来排泄すべき糞便が大腸内に滞ることによる兎糞状便・硬便、排便回数の減少や、糞便を快適に排泄できないことによる過度な努責、残便感、直腸肛門の閉塞感、排便困難感を認める状態」と定義しています(参考7)。
慢性的な便秘は腹痛や腰痛を招くだけでなく、日常生活の質を下げ、重篤な病気リスクも高めます。
便秘にはいくつかの種類があり、長期間続く「慢性便秘症」はその原因や腸の動きによってタイプが分かれます。代表的なものに「弛緩性便秘」「痙攣性便秘」「直腸性便秘」があります(参考7)。
このように、便秘にはいくつかのタイプがあり、それぞれ原因が異なります。自身の症状に合った対策が大切です。
なお便秘の種類については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
「便秘の種類 | 便秘になってしまう原因や解消方法も詳しく解説」の記事はこちら
便秘による腰痛は、便やガスによる大腸の圧迫、筋肉の緊張、自律神経の乱れなどが重なって起こっている可能性があります。まずは生活習慣の改善や温熱療法、軽い運動などで便秘の緩和を図ってみましょう。
症状が長引く場合や血便・激痛がある場合は、大腸がんなど重篤な病気を早期に発見するためにも医療機関での検査・受診が不可欠です。自分の体調に耳を傾け、便秘と腰痛を両面からケアして健やかな毎日を取り戻しましょう。
なお、デジタルクリニックグループでは、オンラインで24時間365日便秘に関する治療相談が可能です。オンライン診療をご希望の場合、下記からご予約ください。
便秘の症状をオンライン受診で相談する
(参考1) Whorwell PJ. “Back pain and irritable bowel syndrome.” Gastroenterology. 2004;127(5):1648‑1649. (参考2) Ness TJ, Metcalf AM, Gebhart GF, et al. “A psychophysiological study in humans using phasic colonic distension as a noxious visceral stimulus.” Pain. 1990;43(3):377–386.(参考3) Bordoni B, Morabito Bほか. 「Symptomatology Correlations Between the Diaphragm and Irritable Bowel Syndrome」. Cureus. 2018;10(7):e3036.(参考4) Dang Y, He X, Liu X, Wang Y, Geng S, Cheng Y, Ma H, Zhao X. “Causal associations between constipation and pan‑cancer: a bidirectional Mendelian randomization study.” Front Oncol. 2024;14:1428003.(参考5) Nagashima Y, Igaki M, Suzuki A, et al. “Application of a Heat‑ and Steam‑Generating Sheet Increases Peripheral Blood Flow and Induces Parasympathetic Predominance.” Evid Based Complement Alternat Med. 2011;2011:965095.(参考6) Cui J, Xie F, Yue H, et al. “Physical activity and constipation: A systematic review of cohort studies.” J Glob Health. 2024;14:04197.(参考7) 日本消化管学会. 「便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症」. 南江堂. 2023年7月13日.(参考8) 佐野村誠ほか. 「慢性便秘症診療における大腸内視鏡の役割」. 日本消化器内視鏡学会雑誌. 2021;63(1):7–17.
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