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2025.04.20

ヒルドイドでニキビ治療 | 効果や使い方、副作用や禁忌を詳しく解説

「ヒルドイドでニキビの治療をしたい」「ヒルドイドの効果や使い方を知りたい」

と、お考えの方へ。

ヒルドイドは、肌の乾燥を防ぎ、バリア機能(肌を守る力)を高めることで、ニキビの悪化を防ぐ効果が期待できます。

効果を最大限に活かすためには、肌の状態に合った剤型の選び方と正しい使い方が大切です。

当記事では、ヒルドイドの効果や使い方、副作用、注意点とニキビの治療方法について詳しく解説します。

ヒルドイドでニキビ治療 | 効果や使い方、副作用や禁忌を詳しく解説

ニキビ治療に使われるヒルドイド(ヘパリン類似物質)とは

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の効果

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の使い方

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の副作用

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の禁忌

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)以外のニキビの治療方法

ニキビの対策方法

ニキビの基礎知識

ニキビができる原因

まとめ

ニキビ治療に使われるヒルドイド(ヘパリン類似物質)とは

ニキビの治療に使われるヒルドイドは、ドイツ生まれの薬でヘパリン類似物質という成分が使われた医薬品の一種です。(参考5)

ヒルドイドに含まれるヘパリン類似物質は、もともと体に存在するムコ多糖という物質から作られます。

「ヘパリン」は、肌がみずみずしく潤う高い保湿力が特徴的です。


ヒルドイドには、ローション・クリーム・ソフト軟膏・フォーム・スプレー・泡状スプレーがあり、ニキビの状態や塗布する箇所によって最適な剤型は異なります。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の効果

ヒルドイドは、ニキビの治りを助ける効果が期待できます。

ニキビに効くヒルドイド(ヘパリン類似物質)の有効成分は、以下の3つです。(参考1、5)

  1. 高い保湿力:肌の水分を保ち、乾燥を防ぐ
  2. 血行促進作用:炎症を抑え、肌のターンオーバーを促す
  3. 抗炎症作用:炎症を抑え、赤みや腫れを軽減

以上の効果により、ヒルドイドはニキビの改善に役立つと考えられています。

ニキビの治療薬には、肌の乾燥を引き起こす成分が多いため、ヒルドイドと併用することで、乾燥を防ぎながらニキビの治療が可能です。

また、血行促進作用によりニキビ跡の赤みや色素沈着を改善する効果も期待できます。

ニキビが赤く腫れて炎症している際にも、ヒルドイドの抗炎症作用で症状を和らげることが可能です。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の使い方

ヒルドイドは、1日に数回、適量を患部に塗るのが基本的な使い方です。使用順序を以下に示します。(参考1、5)

  1. 症状に合わせたヒルドイドの剤型を選ぶ
  2. 患部を清潔な状態にする
  3. 患部に優しくなじませるように塗布する 

また、剤型により使用方法は異なります。

・クリームとソフト軟膏:患部に直接塗るか、ガーゼにのばして使用

・ローションとフォーム:患部に直接塗る

顔のニキビには、伸びが良くべたつきにくいローションタイプがおすすめです。

乾燥が気になる箇所や炎症が強い部分には、保湿効果が高いクリームや軟膏タイプが良いでしょう。

いずれの剤型を使う場合も、強くこすらず、やさしくなじませるように塗るのがポイントです。

ヒルドイドの効果を最大限に引き出すために、ニキビの状態や部位にあわせて剤型を選び、正しい使い方を熟知しましょう。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の副作用

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は、皮膚の弱い赤ちゃんから高齢の方まで使える安全性が高い薬ですが、ごくまれに副作用が起こる可能性があります。

副作用の症状としては、以下の例が報告されています。(参考1)

  • 皮膚の炎症(かゆみ、赤み、発疹)
  • 紫斑(皮膚の内出血)
  • 皮膚の刺激感

副作用が心配な場合は、まず腕の内側や足の内側など目立たない場所に少量だけ薬を塗って試してみるのがおすすめです。

使用中に異常を感じたら、すぐに水で洗い流し、かかりつけの病院へ受診しましょう。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の禁忌

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)は、血をサラサラにする働きがあるため、使用時に注意点があります。

特に注意すべき方は、血友病や血小板減少症、紫斑病(※1)などの出血性血液疾患(血が止まりにくい病気)をもつ方です。(参考1、4、5)

該当する方がヒルドイドを使うと、出血が止まりにくくなる可能性があります。

また、大怪我や手術直後など、少しの出血でも体に負担がかかる場合は、ヒルドイドの使用は避けるべきです。

なお、ヒルドイドと併用が禁止されている塗り薬はありません。

しかし、複数の塗り薬を同時に使う場合は、塗る順番や間隔について医師または薬剤師に確認してから使うことをおすすめします。

薬の種類や治療方針によっては薬を塗る順番が異なります。ご自身で判断せずに、必ず医療機関の指示に従ってヒルドイドを使用しましょう。

(※1)紫斑病(しはんびょう):血小板という血を止める成分が減少し、出血しやすくなる病気。

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)以外のニキビの治療方法

ニキビ治療には、ヒルドイド(ヘパリン類似物質)以外にも、有効な治療法がいくつかあるため、以下の表にて紹介していきます。(参考2)

種類方法特徴
塗り薬抗炎症成分(アダパレン(参考3)、グリチルリチン酸ニカリウムなど)毛穴の詰まりを解消しニキビの進行を抑制
外用抗菌薬(過酸化ベンゾイル、レゾルシンなど)ニキビの原因菌を減らし炎症を鎮め悪化を防ぐ
飲み薬内服抗菌薬重症のニキビや広範囲の炎症に体の内側から原因菌を攻撃
ホルモン療法女性特有のニキビにホルモンバランスを整える
ピーリング古い角質を取り除き毛穴の詰まりを改善
その他レーザー治療ニキビ跡を目立たなくする
面皰圧出専門家がニキビの中身を押し出し炎症を抑える

実際の治療では、個々のニキビの症状や副作用の程度を考慮し、最適な方法を選択します。

ニキビの治し方について、さらに詳しく知りたい方は【「ニキビ治し方」内部リンク】の記事も参考にしてください。

ニキビの種類別の対策や予防法についても解説しています。

ニキビの対策方法

ニキビの対策方法として、以下の7つのポイントを意識しましょう。

ニキビ予防のポイント具体的な対策
①適切なスキンケア洗顔と保湿を丁寧に行う
②バランスの取れた食生活ビタミン豊富で栄養バランスの偏らない食事を摂る
③十分な睡眠規則正しく、質の高い睡眠を確保する
④ストレスの軽減ストレスを溜めないようリラックス方法を見つける
⑤清潔な環境枕カバーやシーツなど肌に触れるものは常に清潔に保つ
⑥肌の乾燥を避けるこまめな水分補給と保湿を心がける
⑦皮膚への刺激を避ける基本的に肌は触らない、擦らない


上記を意識して生活することで、肌だけでなく体の内側から健康的になり、ニキビのできにくい状態を維持できます。

また、ニキビができた場合は、自己判断で治療すると悪化の恐れやニキビ跡・色素沈着のリスクが高まるため注意が必要です。

必ず皮膚科専門医に相談し、ニキビの種類や症状の程度に合った治療を受けましょう。

ニキビの対策について、さらに詳しく知りたい方は【「ニキビ 対策」内部リンク】の記事も参考にしてください。

日頃のスキンケアや生活習慣の改善など、ニキビ予防のための情報が満載です。

ニキビの基礎知識

ニキビは、医学的に言うと「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」という皮膚の病気です。

ニキビの初期段階では、毛穴が詰まることで「面皰(めんぽう)」と呼ばれるものができます。 

面皰には、以下の2種類があります。(参考2)

  • 閉鎖面皰(白色面皰):毛穴が閉じていて白く見えるもの
  • 開放面皰(黒色面皰):毛穴が開いていて先端が黒く見えるもの

開放面皰の先端が黒くなっているのは、毛穴に詰まった皮脂が空気と触れて酸化したためです。 リンゴを切っておくと茶色くなるのと同じようなイメージです。

最初は、小さな白い点や黒い点として現れますが、進行すると赤く腫れ、膿を持つ場合があります。

面皰が悪化すると、紅色丘疹(※2)、膿疱(※3)、硬結(※4)へと進行します。 

ニキビは、段階的に症状が進行していくため、初期の段階で適切なケアを取り入れて、悪化を防ぎましょう。

(※2)紅色丘疹(こうしょくきゅうしん):炎症して赤く盛り上がった状態の小さいブツブツ

(※3)膿疱(のうほう):皮膚にできる膿(うみ)が溜まった小さな膨らみ

(※4)硬結(こうけつ):体の組織(当記事ではニキビを指す)が部分的に硬くなった状態

ニキビができる原因

ニキビができる原因を、以下の表にまとめました。(参考2)

原因内容
皮脂分泌の増加男性ホルモンの影響で皮脂分泌が活発皮脂の過剰分泌は毛穴を詰まらせるTゾーン(額から鼻にかけてのライン)はニキビができやすい
毛穴の閉塞毛穴の出口が角化(固い状態)して皮脂が溜まる角化は肌のターンオーバーの乱れや乾燥などが原因
アクネ菌の増殖毛穴の中でアクネ菌(ニキビの原因菌)が増殖アクネ菌は皮脂を栄養源にして繁殖し炎症を引き起こす物質を生成する
炎症反応アクネ菌によりニキビは赤く腫れて膿を持つ炎症がひどくなると、膿疱や硬結といった重症のニキビになることもある

ニキビができる原因は人それぞれですが、上記の要因が複雑に絡み合っていると考えられます。

改善するためには、それぞれの要因を理解し、当記事で紹介したニキビの対策を試しましょう。

ニキビの原因についてさらに詳しく知りたい方は【「ニキビ 原因」内部リンク】の記事をご覧ください。

まとめ

ヒルドイドには、多くの剤型があり、高い保湿力や血行促進作用、抗炎症作用により、ニキビの改善を助ける効果が期待できます。

また、ヒルドイドは安全性の高い薬ですが、ごくまれに皮膚の炎症(かゆみ、赤み、発疹)や皮膚刺激感などの副作用が出現することも解説しました。

ニキビに悩んでいる方は、当記事を参考に、ヒルドイドの使い方や注意点を理解したうえで、自分に合った治療法を見つけて理想の肌を目指しましょう。

【参考文献】

(参考1)マルホ株式会社「血行促進・皮膚保湿剤」

(参考2) ニキビの発症メカニズム,治療,予防.pdf

(参考3)PubMed「アダパレンで治療されたにきび患者のアドヒアランスに対する保湿剤の有用性の研究 」

(参考4)健栄製薬「ヒルマイルド製品情報 | 乾燥肌治療薬ヒルマイルド 」

(参考5) ヒルドイドクリーム₋ソフト軟膏₋ローションフ.pdf