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2025.05.13
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
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中学生や高校生のお子さんが思春期ニキビに悩んでいませんか?
おおよそ10代ごろの思春期は、皮脂が過剰に分泌される関係でニキビができやすくなる時期ですが、なかにはブツブツしたニキビの存在によって精神的に辛い状況を招く場合も。
この記事では思春期ニキビの特徴や原因、治療方法について解説していきます。
目次
思春期ニキビは、成長ホルモンや性ホルモンが活発になる「第二次性徴期」に、皮脂が過剰に分泌されることで起こる肌トラブルです。男女関係なく、小学校高学年ごろからおでこや頬に現れ始め、その後、あごや首、胸、背中など皮脂腺が多い部位にも症状が広がります。思春期を過ぎると自然に治ることが多いものの、大人になっても続く場合があります。(参考1)
思春期ニキビの主な原因は皮脂の過剰分泌です。成長期に分泌されるホルモンが皮脂腺を刺激し、過剰に分泌された皮脂が毛穴を詰まらせます。
毛穴の詰まりがアクネ菌(体内にいる常在菌)を増殖させ、炎症を引き起こしてニキビが形成されます。さらに、不適切な洗顔や過度なストレスもニキビが悪化する要因となるため、適切なケアが必要です。
思春期ニキビは高校生で最も多く見られ、その後徐々に減少します。しかし、ホルモンバランスの乱れや生活習慣などの影響で、大人になってから肌トラブルとして残るケースも少なくありません。
思春期ニキビと大人ニキビ(思春期後痤瘡)の発症メカニズムは似ていますが、原因や発症条件には違いがあります。思春期ニキビは主にホルモンバランスによる過剰な皮脂が原因で、おでこや鼻などの皮脂腺が多い部位にできやすいです。
一方、大人ニキビは不規則な生活や不適切なスキンケアによって毛穴が詰まりやすくなることで口周りなどに発生します。特に女性では乾燥肌や化粧品残りが影響することが多く、なかには多嚢胞性卵巣症候群(※)などの疾患が隠れている場合もあります。
大人ニキビの情報はこちらでも確認できます。詳しく知りたい場合は、ぜひご覧ください。
(※)多嚢胞性卵巣症候群:女性の体内で男性ホルモンが過剰に作られて排卵や月経に異常をきたしたり、ニキビが発生しやすくなったりする疾患
思春期ニキビは数年間続くため、以下のような多くの心理的な悩みを引き起こします。
思春期ニキビが続くとこういった外見へのコンプレックスが深刻化することがあります。また、放置すると炎症が悪化し、治療困難なニキビ跡として残るリスクもあります。
そのため、思春期ニキビには早めの治療や予防策を講じることが重要です。適切なスキンケアや医療機関での治療を受けることで改善しやすくなります。
思春期ニキビは主に4つの種類に分類されます。
ニキビの初期段階で、面皰(めんぽう)とも呼ばれます。毛穴に皮脂や古い角質が詰まった状態で、小さな白い粒として見えます。炎症は起きていません。
白ニキビが進行し、毛穴にたまった皮脂や角質が空気に触れて酸化した状態です。黒い点として見えますが、この段階でもまだ炎症は起きていません。
アクネ菌の増殖により毛穴で炎症が起こり、赤く盛り上がった状態です。赤みや腫れが見られ、触れると痛みを感じることがあります。
赤ニキビがさらに悪化し、毛穴に黄色い膿がたまった状態です。黄ニキビを潰すと、ニキビ跡が残る可能性が高くなります。
これらの段階を理解し、適切なケアを行うことが思春期ニキビの管理に重要です。
思春期ニキビの治療では、薬物療法が基本となり、主に以下が使用されます。
皮脂や古い角質が毛穴に詰まるのを防いで、面皰の形成を抑える塗り薬です。
毛穴の詰まりを解消するだけでなく、アクネ菌の繁殖も抑える塗り薬です。
赤ニキビや黄ニキビが多くある場合は、クリンダマイシンなどの抗生物質が飲み薬や塗り薬として処方されることがあります。クリンダマイシンは炎症を引き起こすアクネ菌に直接作用します。
さらに、アダパレンと過酸化ベンゾイルを組み合わせた配合薬や、クリンダマイシンと過酸化ベンゾイルを配合した薬も効果的です。多発している赤ニキビや黄ニキビが改善した後は、再発予防としてアダパレンや過酸化ベンゾイルなどを継続的に使用します。
そのほか、医療機関では毛穴の皮脂を針で押し出す「面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)」や、薬剤で古い角質を剥がして肌のターンオーバーを促す「ケミカルピーリング」などが行われる場合もあります。
これらの治療法を組み合わせたり、日常生活のケアを徹底することで、思春期ニキビの改善や再発予防が期待できるのです。ニキビ治療薬は市販薬でも提供されていますが、できるだけ早く治療効果を得たい場合は、医師の元で個々の状態に合わせた治療を受けるべきでしょう。
ニキビの治し方についてより詳しく知りたい場合は、こちらもご覧ください。
「ニキビの治し方 | 薬を使った治し方やセルフケア方法を詳しく解説」 はこちらから
思春期ニキビを予防する日常生活のケアについてご紹介します。
思春期ニキビの予防には、適切な洗顔とスキンケアが不可欠です。余分な皮脂や汚れを落とすために、1日2回、朝晩に洗顔料で丁寧に洗顔しましょう。(参考1)
洗顔料をよく泡立てて、指で肌に優しく転がし、ぬるま湯で十分に洗い流します。洗顔後は、化粧水や乳液などで保湿することが大切です。保湿剤はノンコメドジェニックやハイポコメドジェニックと表示されているものを選ぶと良いでしょう。(参考1)
また、外出時は紫外線による刺激を防ぐために、日焼け止めを塗ることをおすすめします。
思春期ニキビの予防には、規則正しい生活習慣も重要です。栄養バランスの取れた食事を毎日3食摂りながら、十分な睡眠を心がけましょう。また、ストレスをためないことも重要です。睡眠不足や過剰なストレスによりホルモンバランスが乱れると、皮脂が過剰に分泌される原因になります。
ニキビをコンシーラーやファンデーションで隠すのは、さらに悪化させる原因になる可能性があります。どうしても使用したい場合は、ノンコメドジェニックやハイポコメドジェニックの製品を選びましょう。
化粧をした後はクレンジングで十分に落とした後、洗顔することが大切です。化粧品の油分が肌に残ったままだと、酸化して肌の炎症の原因となる可能性があるため、丁寧なクレンジングと洗顔を心がけましょう。
ニキビを刺激することは悪化の原因となります。髪の毛やマフラー、長時間のマスク着用などはニキビを刺激する可能性があるため注意が必要です。普段の生活では髪を束ねるなどして、顔に触れないようにしましょう。
また、ニキビを触る癖があったり、潰したりすることはNG行動です。ニキビを無理に潰すと炎症が悪化することがあり、最悪の場合、ニキビ跡が残る可能性もあります。
ニキビの予防対策はこちらでより詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
思春期ニキビは小学校高学年から高校生にかけて発生するニキビで、成長期によって起こる過剰な皮脂分泌が原因で見られるのが特徴です。思春期ニキビは外見へのコンプレックスにより、学校生活で辛い想いをする可能性もあるため、放置するのは控えましょう。医師の元で適切な治療を受けながら、適切なセルフケアを行ってみてください。
また、学校生活や部活で皮膚科に受診する時間がない場合は、デジタルクリニックのオンライン診療をご利用ください。デジタルクリニックのオンライン診療はパソコンやスマートフォンがあれば場所や時間を問わず受診可能で、ニキビ治療薬の処方や、ご自宅への薬の郵送にも対応しています。一人ひとりのニキビの状態に適した治療法をご提案しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
(参考1)公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A:にきび」
(参考2)日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」
(参考3)公益社団法人日本皮膚科学会「皮膚科Q&A:ケミカルピーリング」
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