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2025.04.14

高血圧性頭痛とは | 起きるメカニズムや対処方法を詳しく解説

高血圧の患者は約4300万人いると言われ、日本人の3人に1人が高血圧と言われています。高血圧は自覚症状がないケースが多いですが、なかには頭痛の症状を訴える方もいます。

この記事では、高血圧による頭痛が起きるメカニズムと対処方法について詳しく解説します。予防方法や対処方法など正しい知識を得て、日常生活に役立てましょう。

高血圧性頭痛の特徴

高血圧性頭痛は頭重感(重い痛み)や偏頭痛のようなズキズキとした脈をうつような痛み、頭全体を締めつけられるような重い痛みが特徴です。後頭部のあたりを中心とした痛みが多いと言われています。一般的に、収縮期血圧が180mmHg以上または(かつ)拡張期血圧が120mmHg以上の場合に起こりやすく、頭痛の持続時間は1時間未満のことが多いです。

高血圧が原因で頭痛が起こるメカニズム

高血圧が原因で頭痛が起こるのは、血圧上昇による脳の血流異常が関係しています。血圧が高い場合、脳の血流が乱れて血管に強い圧力がかかったり、血管に炎症が起きたりすることで、周囲の神経が刺激されて頭痛が発生します。

また、急激な血圧上昇が起こると、脳の血管が拡張して圧迫感のある頭痛が起こりやすく、朝方に後頭部やこめかみにズキズキとした痛みを感じることが多いです。

頭痛が起きたときの対処方法

高血圧による頭痛やめまいを感じた場合は、安静になり血圧を測定し、必要に応じて医療機関の受診が必要です。とくに今まで感じたことのないような強い痛みを感じた場合は、ためらわずに救急車を呼ぶ必要があります。

高血圧により脳の血管が破れたり(脳出血)、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)すると頭に強い痛みを感じることがあります。どちらも命にかかわる病気で、後遺症が残る可能性もあるため、早期の対応が重要です。

高血圧による頭痛と他の頭痛との違い

高血圧による頭痛は、単純な体調不良ではなく、深刻な病気のサインであることがあります。それぞれの頭痛の特徴と見分け方について簡単に解説します。

頭痛の種類症状高血圧性頭痛との違い
片頭痛・こめかみ当たりがズキズキ痛む・脈打つように痛む・両側が痛む場合もある・頭痛以外にも症状が出る(吐き気、嘔吐、下痢など)・頭の位置を変えると痛みが増す・光や音、気圧や温度の変化を受ける痛みの持続時間が異なる(片頭痛は数時間〜数日続く)
緊張型頭痛・後頭部から首筋を中心に痛みが出る・頭全体が締めつけられるように痛む・頭痛以外の症状は出ない痛みの特徴や現れ方が異なる

その他、くも膜下出血の場合は「ハンマーで殴られたような激痛」と表現されるほど強い頭痛を伴い、嘔吐が見られることもあります。

頭痛の症状が現れても、高血圧による頭痛か他の頭痛かを自己判断するのが難しい場合は、ためらわずに医療機関を受診しましょう。

高血圧の主な自覚症状

高血圧は自覚症状がない方が多いです。自覚症状がないまま進行していることが多いため「サイレントキラー」と呼ばれるほどです。

しかし、血圧が前述したように過度に高いと、頭痛やめまいやふらつき、肩こり、耳鳴り、息切れ、視界の異常(ぼやける・チカチカする)などの症状が出る場合もあります。急激な血圧上昇により起こる高血圧性脳症では、けいれん発作や意識障害などが起こる場合もあります。

高血圧が引き起こす可能性のある合併症

高血圧は、脳や眼(網膜)、心臓、腎臓などに合併症を引き起こします。血管が多く分布する臓器ほど高血圧による影響を受けやすく、合併症が起きやすいと言われています。

臓器合併症や症状
・脳梗塞:脳の血管がつまる・脳出血:脳の血管が破れて出血する→麻痺やめまい、嘔吐、意識障害などが起こる
眼(網膜)・眼底出血:眼底部(眼球の後ろ側)で出血する→視力が低下する可能性がある
心臓・動脈硬化:血管が硬くなる・狭心症:心臓の血管が狭くなる・心筋梗塞:心臓の血管が詰まる→心臓に酸素がいき渡らなくなり、強い胸痛や動悸などが起こる
腎臓・腎機能低下→尿にたんぱくが出てむくみなどの症状が出る

適切に血圧が管理されていない場合、合併症が発生するリスクが高まります。合併症の症状や程度は人によりさまざまです。

合併症予防のために、塩分を減らした食事や有酸素運動などの生活習慣を確立したり、医師の指示のもと薬を適切に服用したりすることを心がけましょう。合併症の早期発見のために、定期的に健康診断を受けることも大切です。詳しくはこちらの記事で解説しています。

まとめ

高血圧は自覚症状がない場合が多いですが、頭痛がある場合、危険な病気のサインである可能性があります。普段感じないような強い頭痛が突然起きたり、視界がぼやけたりする場合は要注意です。放置すると命に関わる病気へ進行する可能性があります。

高血圧による頭痛を軽く考えず、健康診断などで血圧を定期的に測定し、異常を感じたら医療機関を受診しましょう。

高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

高血圧治療 ガイドライン2019 | 日本内科学会雑誌109巻4号

超高齢社会における – かかりつけ医のための 適正処方の手引き | 日本医師会

一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子|日本高血圧学会

我が国における血圧の推移|日本循環器病予防学会

栄養・食生活と高血圧| e-ヘルスネット(厚生労働省)

高血圧症を改善するための運動| e-ヘルスネット(厚生労働省)

高血圧| 日本臨床内科医会

頭痛 | 日本臨床内科医会

高血圧性頭痛 | 賀藤均 | 国立成育医療センター循環器科 | 小児内科 40(5): 892-895, 2008.