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2025.04.14

高血圧の基準はいくつから?年代別の血圧の平均値や降圧目標値を解説

高血圧とは特定の基準値より血圧が高い状態が続くことです。しかし、年齢によって平均値が異なるため「どのくらいが正常?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

この記事では高血圧の基準値や、年代別の平均値、予防方法などについて解説します。正しい知識を得て、日常生活に役立てましょう。

高血圧の基準は?

血圧には、医療機関で測定する「診察室血圧」と、自宅で測定する「家庭血圧」があり、それぞれ数回測定した値が以下の基準に当てはまると高血圧と診断されます。

収縮期血圧(mmHg)拡張期血圧(mmHg)
診察室血圧≧140かつ/または≧90
家庭血圧≧135かつ/または≧85

高血圧は「I度」「II度」「III度」の3段階に分類されており、段階が上がるほど脳卒中や心臓病のリスクが上昇します。I度〜III度までの基準は以下の通りです。

診察室血圧家庭血圧
I度収縮期血圧:140〜159かつ/または拡張期血圧:90〜99収縮期血圧:135〜144かつ/または拡張期血圧:85〜89
II度収縮期血圧:160〜179かつ/または拡張期血圧:100〜109収縮期血圧:145〜159かつ/または拡張期血圧:90〜99
III度収縮期血圧:≧180かつ/または拡張期血圧:≧110収縮期血圧:≧160かつ/または拡張期血圧:≧100

引用:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019

年代別の血圧の平均値

血圧は年代別に平均値が異なります。それぞれの平均値を表にまとめました。

年代男性(収縮期血圧/拡張期血圧)女性(収縮期血圧/拡張期血圧)
20代115.9/68.1105.7/63.8
30代117.2/73.8108/66.4
40代125.4/80.6113.7/70.9
50代129.7/81.0121.8/78.3
60代134.1/78.3130.6/76.7
70代以上133.9/74.5133.1/73.9

参考:厚生労働省「令和元年国民栄養基礎調査」(降圧剤を使用している人を除外した血圧の平均値)

年代別に見ると、年齢が上がるほど血圧の平均値が高くなることがわかります。20代や30代でもストレスや不規則な生活習慣によって高血圧になる可能性があるため、注意しましょう。

目指すべき降圧目標値

日本高血圧学会のガイドラインによると、病気や年代により降圧目標は異なります。

対象診察室血圧家庭血圧
75歳未満<130/80<125/75
75歳以上<140/90<135/85

引用:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019

上述したのが一般的な降圧目標値ですが、脳卒中や心臓病、糖尿病などの合併症、降圧剤による副作用の有無などによっても異なります。また、高齢者などは急激に降圧すると体に負担が生じる可能性があるため、ある程度の期間を設けて降圧治療を行います。

血圧の測り方

血圧は測定する時間や環境などさまざまな要因で変動します。誤った方法で測定していると、正確な血圧の値を得られないため、正しい測定方法を知ることが大切です。

血圧計により測り方や注意するポイントが異なります。

■測定方法(上腕式血圧計)

1:自動血圧計を振動が少ない場所に安定させ置く

2:背もたれのあるイスにもたれてリラックスして座る

3:カフを素肌もしくは薄手の衣類の上から、ひじより1-2㎝ほど上に巻く

4:腕の力を抜いて、手のひらを上向きにしてテーブルの上に置く

5:両足を床につける

6:測定ボタンを押し、測定する

■測定方法(手首式血圧計)

1:カフを手首の骨にかからないよう、手首から1-1.5㎝離して巻く

2:背もたれのあるイスに座り、もたれてリラックスする

3:手の力を抜いて、手のひらは上向きにする

4:ひじはテーブルにつけて軽く曲げ、血圧計の高さを心臓の高さと同じぐらいの高さにする

5:両足を床につける

6:測定ボタンを押し、測定を開始する

■血圧測定前の注意点

血圧測定に影響しないよう、以下の点に注意しましょう。

毎日同じ時間に測定する

起床後は1時間以内にトイレを済ませ、薬を飲んだり、食事をしたりする前に測定する

就寝前は入浴してから1時間以上の時間をあけて測定する

リラックスする

測定の前は5分以上座って安静にする

左右差が出る場合もあるため、左右同じ腕(手首)で測定する

高血圧とはどんな状態?

高​​血圧とは、動脈が厚く硬くなったり、心臓から送り出される血液量が増加したりすることで、血管にかかる圧力が慢性的に高くなる状態です収縮期血圧で140mmHg以上または拡張期血圧で90mmHg以上の血圧が続くと、高血圧と診断されます。放置すると血管に負担がかかり、動脈硬化や心臓病などの合併症のリスクが上がります。

高​​血圧は自覚症状が少ないため、定期的に測定し、生活習慣の改善や適切な治療をすることが大切です。

高血圧の原因

高血圧の原因は生活習慣の乱れや遺伝的要因と言われています。ストレスや睡眠不足、不規則な生活、過度な飲酒、喫煙などは血圧があがりやすくなる要因です。また、親が高血圧の場合も、高血圧になる確率が高くなります。

他にも加齢によって、血管が硬くなったり弾力性が低下したりして血流が悪くなり、血圧が上がることもあります。

このように高血圧にはさまざまな要因があります。詳しくはこちらの記事で解説していますので、ご覧ください。

高血圧の予防方法

高血圧の予防には生活習慣の改善が大切です。日頃から意識し、高血圧を予防しましょう。

1:減塩

日本人は食塩摂取量が多いと言われており、2022年の国民栄養調査では、食塩摂取量の平均値は男性10.6g、女性8.9gとなっています。

「日本人の食事摂取基準報告書(2025年度版)」によると、推奨される1日の塩分量は健康な男性で7.5g、女性で6.5g未満となっており、男女ともに塩分摂取量が多いことがわかります。

そのため、日頃の食生活で減塩を意識することが大切です。

2:生活習慣の改善

高血圧はストレスや睡眠不足、運動不足、過度な飲酒、喫煙などの生活習慣が原因となることが多くあります。高血圧予防のためには、生活習慣の改善も大切です。

1日30分以上の有酸素運動をしたり、自分に合ったストレス発散方法などを取り入れたりしましょう。

その他、高血圧の予防についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ

高血圧の基準は、収縮期血圧で140mmHg以上または拡張期血圧で90mmHg以上とされ、血圧の高さによって3段階に分類されます。高血圧を放置すると、血管に負担がかかり、脳卒中や心臓病などの合併症リスクが高まります。そのため、定期的に健康診断を受け、早めの対策を心がけることが重要です。

血圧が高いことが判明したら、医師のアドバイスを受けて適切な治療を行い、生活習慣の改善にも取り組みましょう。

高血圧 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

高血圧治療 ガイドライン2019 | 日本内科学会雑誌109巻4号

超高齢社会における – かかりつけ医のための 適正処方の手引き | 日本医師会

一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子|日本高血圧学会

我が国における血圧の推移|日本循環器病予防学会

栄養・食生活と高血圧| e-ヘルスネット(厚生労働省)

高血圧症を改善するための運動| e-ヘルスネット(厚生労働省)