fbpx

2025.04.14

皮膚カンジダ症 | 起こる原因や症状、治療方法や生活上の注意点を解説

「汗をかいた後の股間部がかゆい」

「指の間の皮膚が赤くなってジクジクする」

このような症状でお悩みの方は、皮膚カンジダ症の可能性があります。

皮膚カンジダ症は、私たちの皮膚に常在するカンジダ菌が過剰に増殖することで起こる感染症です。特に汗をかきやすい夏場や、湿気の多い環境で発症しやすく、早めに治療を行わなければ症状が悪化したり、広がったりする恐れがあります。

この記事では、皮膚カンジダ症の原因や症状、治療方法、日常生活での注意点まで紹介しますので、最後までご一読ください。

皮膚カンジダの基礎知識

皮膚カンジダ症は、カンジダ菌による皮膚の感染症です。カンジダ菌は、健康な人の皮膚や粘膜にも常在している真菌(カビの一種)ですが、通常は体の防御機能によって増殖が抑えられています。しかし、特定の条件下で過剰に増殖することで、皮膚に炎症を引き起こします。(参考1)

皮膚カンジダが起こる原因

皮膚カンジダ症が発症する主な原因は次の3つが挙げられます。(参考1)(参考2)

・環境的な原因

皮膚カンジダ症は、高温多湿な環境で長時間過ごすと発症しやすいことがわかっています。特に夏場は汗をかきやすく、汗が長時間皮膚に付着しやすいため、症状が出やすいです。また、通気性の悪い衣類や、誤ったスキンケアも発症リスクを高めます。

・身体的な原因

糖尿病などの基礎疾患がある方や、免疫力の低下も皮膚カンジダ症の発症に影響します。肥満による皮膚のたるみによって皮膚が密着する部分が多いことや、加齢に伴う皮膚のバリア機能の低下も発症の原因の一つとされています。妊娠中の方は、ホルモンバランスの変化により発症しやすい傾向があるため注意が必要です。

・医療的な原因

ステロイド外用薬の長期使用や抗生物質を継続して服用している方も、皮膚カンジダ症が発症しやすいです。抗がん剤による治療を受けている方は、免疫力の低下により発症リスクが高まることがわかっています。

皮膚カンジダの症状の特徴

皮膚カンジダ症の症状は発症部位によって多少の違いがありますが、鮮やかな赤みを伴う皮膚の炎症が特徴的です。境界がわかりづらい発赤があり、小さな水疱やびらんを伴うことが多く、かゆみや灼熱感を感じます。また、ジクジクとした浸出液が出ることもポイントです。

症状が現れやすい部位として、特に股間部や指の間、おむつ着用部位、乳房下、腋の下などがあります。湿気がこもりやすく、皮膚同士が密着し、汗がたまりやすい場所は要注意です。(参考3)

皮膚カンジダ症と診断された場合

皮膚カンジダ症と診断された場合、医師による治療と、日常生活でのケアが重要です。

皮膚カンジダの治療方法

皮膚カンジダ症の治療の基本は抗真菌薬による外用療法です。軽度から中等度の症状であれば、外用薬の塗布により、2週間程度で改善が期待できます。まず患部を清潔に保ったうえで抗真菌薬を塗布する流れが一般的です。

外用薬で主に使用されるのは、イミダゾール系やアゾール系の抗真菌薬です。(参考3)医師の指示に従って患部に薄く塗ります。

症状が重い場合は、内服薬による治療も行われます。特に、炎症が強い場合は一時的にステロイド外用薬と抗真菌薬の併用が行われることもありますが、副作用のリスクがあるため長期使用は避けなければなりません。(参考2)(参考4)

日常生活上の注意点

皮膚カンジダ症の日常生活での注意点として、体を清潔に保つことが大切です。入浴やシャワーで体を常に清潔に保ち、タオルドライでしっかりと乾燥させましょう。

衣服は通気性の良い素材を選び、皮膚の蒸れを防ぐようにします。暑い季節は特に注意が必要です。下着は綿素材のものがおすすめで、汗で濡れたらこまめに取り替えることをおすすめします。

また、わきの下や股間部など皮膚の密着する部分には、ベビーパウダーなどを使って、摩擦や蒸れを防ぐのも効果的です。

まとめ

皮膚カンジダ症は、医師による治療と生活習慣の改善によって、十分コントロールができる皮膚感染症です。症状が出たら、患部を含む体の皮膚を清潔に保ったり、通気性の良い衣類に変えたりするなど、日常生活でできることから始めましょう。

ただし、皮膚カンジダ症は単なる皮膚の症状だけでなく、他の病気や免疫力の低下が隠れている場合があります。特に、症状が広がりやすい、治りにくい、繰り返し再発するなどの場合は、早期受診が重要です。

なお、お仕事やご家庭の事情で通院が難しい方は、オンライン診療の利用をご検討ください。デジタルクリニックグループでは、24時間365日オンラインでの診療に対応しており、ご自宅に居ながら医師による診察を受けることができます。処方されたお薬は自宅まで配送されるため、プライバシーにも配慮された治療を受けることが可能です。

医師が症状に合わせた治療法をご提案いたしますので、皮膚カンジダ症でお悩みの方は、下記ページからお気軽にご相談ください。

(参考1)皮膚カンジダ症 _ 埼玉県皮膚科医会

(参考2)「皮膚カンジダ症の臨床面」日本医真菌学会

(参考3)「深在性真菌症に対する抗真菌薬」国立感染症研究所

(参考4)「日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン 2019」日本皮膚科学会