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2025.04.13

酸化マグネシウム便秘薬 | 特徴や効果、副作用を詳しく解説

便秘に悩む方にとって、「酸化マグネシウム」は効果的で手軽な選択肢です。本記事では、酸化マグネシウム便秘薬の仕組みや効果、副作用、服用時の注意点をわかりやすく解説します。自分に合った治療法と安全な服用方法を学びましょう。

酸化マグネシウムの便秘薬としての効果

酸化マグネシウムは、胃酸で塩化マグネシウムに変化し、膵液と反応して炭酸水素マグネシウムとなり、腸内に水分を引き寄せて便を柔らかくし、穏やかに排便を促します。(参考1)また、腹部膨満感や頭痛、肌荒れ、食欲不振などの便秘に伴う症状も軽減します。(参考2)

酸化マグネシウムの特徴

酸化マグネシウムの特徴は以下の通りです。

  • 錠剤や顆粒剤など、さまざまな剤型がある
  • 安価で手に取りやすく、継続しやすい
  • 依存性が低く、長期投与が可能

これらの点から、便秘治療において第一選択薬として用いられています。(参考1)

酸化マグネシウム便秘薬の正しい服用方法

酸化マグネシウム便秘薬の正しい服用方法は以下の通りです。

  • 食前または食後に1日3回に分けて服用するか、就寝前に1回服用する
  • 水またはぬるま湯で服用し、多めの水で飲むとより効果的(参考1)(参考2)
  • 効果発現までの時間には個人差がある(参考2)
  • 初回は少量から始め、症状に応じて適正範囲内で服用量を調整するのが望ましい(参考2)

酸化マグネシウム便秘薬の副作用

酸化マグネシウム便秘薬の主な副作用は高マグネシウム血症で、悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、筋力低下が現れることがあります。重症化すると意識障害や心停止のリスクがあるため、症状が出たら服用を中止し、医師に相談してください。(参考3)長期服用や高齢者では血清マグネシウム濃度の管理が必要で、下痢などの消化器症状も報告されています。(参考4)

酸化マグネシウム便秘薬を服用する際の注意点

酸化マグネシウム便秘薬を服用する際の注意点は以下の通りです。

  • 腎機能障害のある高齢者は高マグネシウム血症のリスクが高いため、低用量から始める
  • 活性型ビタミンD3製剤と併用すると、高マグネシウム血症を引き起こしやすい
  • 一部の抗菌薬や骨代謝改善薬、ジギタリス製剤と併用すると、酸化マグネシウムの効果が弱まる(参考1)
  • 胃酸で活性型に変化するため、胃酸抑制剤を服用している場合は効果が減弱する(参考3)

便秘の基本情報

便秘とは、排便の回数や量が不足している状態を指し、一般的には3日以上排便がない、または週に3回以下の場合を指します。

便秘は主に以下の4つに分類され、それぞれ原因や治療法が異なります。

  • 機能性便秘:生活習慣やストレス、加齢などが影響
  • 器質性便秘:腸の病気や構造的な問題が原因
  • 症候性便秘:全身の病気の一症状として発症
  • 薬剤性便秘:薬の副作用によって起こる

今回紹介した酸化マグネシウム便秘薬は、主に機能性便秘に対して最初に選ばれることが多い薬剤です。(参考5)

便秘薬の種類

便秘薬には、以下の種類があり、それぞれ異なる作用があります。

  • 浸透圧系下剤
    腸内の水分分泌を促し、便を柔らかくして排便回数を増やします。
  • 刺激系下剤
    大腸を刺激してぜん動運動を活発にし、排便を促します。
  • 上皮機能変容薬
    小腸で水分分泌を促進し、便を柔らかくして腸内の便の移動を助けます。
  • 胆汁酸トランスポーター阻害薬
    大腸に届く胆汁酸の量を増やし、水分分泌と消化管の運動を促して排便を助けます。
  • 腸内環境改善薬(整腸剤)
    腸内細菌のバランスを整え、便秘や腹部膨満感などの症状を改善します。
  • 漢方薬
    複数の漢方薬が配合され、腸内の水分調節や腸の運動促進、過剰収縮の抑制などの作用があります。(参考6)(参考7)

通常は、作用の穏やかな薬から始めて自然な排便を目指します。(参考5)

便秘の薬についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

「便秘治療に使われる薬 | 服用方法や選ぶ時に注意するべきことを解説」の記事はこちらから

まとめ

酸化マグネシウムは、効果が穏やかで使いやすく、便秘改善に有効な薬です。正しい服用と注意点を理解することで、安全に使用できます。自分の症状に合わせて、適切な便秘対策を選ぶ参考になれば幸いです。

(参考1)石橋恵美子(2022)「下痢・便秘の治療薬」臨床と研究

(参考2)添付文書「酸化マグネシウムE便秘薬」

(参考3)大田和季(2024)「キャラクターファイル第1回便秘治療薬」消化器ナーシング

(参考4)添付文書「制酸・緩下剤 酸化マグネシウム錠」

(参考5)一般社団法人日本臨床内科医会「便秘」

(参考6)浦田美菜子(2024)「整腸薬」消化器ナーシング

(参考7)浦田美菜子(2024)「緩下剤」消化器ナーシング