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2025.04.13

センノシドは市販で購入可能?効果や副作用、他の市販の便秘薬を解説

便秘治療に使われる「センノシド」は、効果が強いことで知られる薬ですが、その一方で副作用や使用時の注意点もあります。この記事では、センノシドの基本情報や効果、市販薬との違い、副作用や正しい服用方法について詳しく解説します。市販薬として手に入る類似薬の紹介もあるため、ご自身に合った便秘薬を選ぶための参考になります。

センノシドは市販で買うことはできる?

便秘薬であるセンノシドは、医師の処方箋が必要な医療用医薬品であり、市販用としては販売されていないため、薬局などで自分で購入することはできません(参考1)。

しかし、市販薬の中には、センノシドと同じ有効成分である「センノシドA・B」を配合している製品があります。代表的なものは以下の通りです。

  • コーラックハーブ(参考2)
  • カイベールC(参考3)
  • スルーラックS(参考4)

市販で買うことができる便秘薬

市販で購入できる便秘薬には、目的や症状に応じてさまざまな種類があります。

  • 便秘を改善したい場合
    • 新ビオフェルミンS錠
    • ビオスリーHi錠
  • 腸内環境を整えたい場合
    • 整腸剤(腸の動きが悪い場合)
    • 酸化マグネシウム(便が硬い場合)
    • 麻子仁丸、オイルデル(コロコロとした便が出る場合)
    • 大建中湯(お腹が冷えやすい場合)
    • コーラック、漢方便秘薬(他の便秘薬で効果が見られない場合)(参考5)

これらの薬は、医師の処方箋がなくても購入できるため、便秘が軽度な場合には、自身の症状に合わせて選ぶことで改善が期待できます

なお、便秘に使える市販薬についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

「便秘 市販薬」内部リンク

センノシドの基本情報

センノシドは、通常、便秘症の治療に用いられる錠剤タイプの下剤です。便秘治療では、まず腸内の水分量を増やして便を柔らかくする「浸透圧性下剤(酸化マグネシウムなど)」が使われますが、これで効果が不十分な場合に、腸を直接刺激して排便を促す「刺激性下剤」であるセンノシドが用いられます(参考6)。

センノシドは、消化管内でタンパク質などと結合して分子が大きくなることで、胃や小腸で吸収されずにそのまま大腸まで届くよう設計されています(参考7)。この仕組みにより、服用後8〜12時間ほどで効果が現れます便秘改善の効果が高く、1日一回就寝前の服用で済むため、患者満足度も高い薬剤とされています(参考8)。

センノシドに期待できる効果

センノシドは、大腸の粘膜を刺激して腸の動きを活発にし、排便を促す働きがありますアントラキノン系に分類される刺激性下剤であり、腸の蠕動運動を促進させるとともに、腸管での水分吸収を抑えることで便を柔らかくし、排便をスムーズにします(参考8)。

このような作用により、センノシドは慢性便秘だけでなく、手術後や妊娠中、高齢者の便秘にも効果が期待されています。実際に日本国内で行われた慢性便秘症患者30例を対象とした試験では、有効率が96.7%(29例/30例)と高い便秘改善効果が報告されています(参考9)。

センノシド錠の詳しい効き目について知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

「センノシド錠 効き目」内部リンク

センノシドの副作用

センノシドには、主に消化器に関連した以下のような副作用が報告されています。

  • 腹痛
  • 下痢
  • 悪心・嘔吐
  • お腹がごろごろなる
  • 腹部不快感

中でも腹痛は5%以上の頻度で見られ、比較的よくある副作用とされています。下痢や嘔吐なども0.1〜5%未満の頻度でみられ、センノシドの副作用としては注意が必要です。また、長期使用によって「大腸メラノーシス」と呼ばれる大腸の色素沈着が起こることもあります

さらに、消化器以外にも以下のような副作用が報告されています。

  • 過敏症による発疹
  • 電解質異常(低カリウム血症、低ナトリウム血症)
  • 脱水
  • 血圧低下
  • 肝障害
  • 腎障害
  • 疲労

このように、センノシドは効果が強い反面、副作用のリスクもある薬剤です。使用中に何らかの異常を感じた場合は、使用の中断も検討しましょう(参考10)

センノシドの正しい服用方法

センノシドは、通常成人では1回1〜2錠を就寝前に1日1回服用します。便秘の症状が強い場合には、最大で1回4錠まで増量されることがあります。服用量は年齢や症状に応じて医師によって調整されます。

ただし、センノシドのような刺激性下剤は効果が強力な一方で、長期間使用すると耐性ができて効果が弱くなる傾向があります。さらに、腸管の神経に障害を与えて便秘を悪化させる可能性や、大腸がんのリスクを高めるといった報告もあり、長期使用は避けることが推奨されています。(参考6)

センノシドの使用が禁忌(使用できない)とされている方は以下の通りです。

  • センノシドに過敏症(アレルギー)の既往歴がある方
  • 急性腹症や痙攣性便秘の方(腹痛や症状が悪化する恐れあり)
  • 長期間便秘が続き、重度の硬結便がある方(服用により苦痛が生じる可能性あり)
  • 電解質異常(例:低カリウム血症など)のある方(下痢のリスクあり)

また、妊娠中の方が大量に使用すると子宮収縮を誘発し、流産や早産のリスクがあるため、使用には十分な注意が必要です。授乳中の方についても、過去の研究においてセンノシドを服用した母親の母乳を通じて乳児に下痢が認められた例があるため、医師と相談し、リスクとベネフィットを慎重に検討することが勧められています。(参考8)

まとめ

センノシドは、便秘改善に高い効果を発揮する一方で、副作用や使い方に注意が必要な薬です。市販薬でも同様の成分を含む製品があり、症状や体質に合わせて選ぶことが大切です。特に長期使用にはリスクがあるため、正しい知識をもとに使用することが望ましいです。自分に合った便秘解消方法を見つけ、健康的な生活を送りましょう。

(参考1)独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医療用医薬品 情報検索」

(参考2)添付文書「コーラックハーブ」

(参考3)添付文書「カイべールC」

(参考4)添付文書「スルーラックプラス」

(参考5)北山雅大(2024)「第14回腸の不調に対する市販薬の選び方」調剤と情報

(参考6)大田和(2024)「第一回 便秘治療薬」消化器ナーシング

(参考7)浅井考介(2024)「腸内細菌の影響を受けるくすり」薬局

(参考8)石橋恵美子 et. al(2022)「下痢・便秘の治療薬」臨床と研究

(参考9)医薬品インタビューフォーム(2024)「センノシド錠12mg『NIG』」

(参考10)添付文書「センノシド錠12mg『NIG』」