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2025.05.02
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
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「カンジダになったらどんな検査をするの?」
体の免疫力が落ちることで発症しやすくなるカンジダですが、医療機関で検査をするときに検査の内容や目的が気になる人もいるのではないでしょうか。カンジダの検査では、カンジダが疑われる検体を採取し、カンジダ菌の有無を調べることで診断につなげます。
この記事では、カンジダの検査の内容や流れ、治療方法などを解説します。
目次
カンジダの検査では、主に以下3つの方法で採取した検体にカンジダ菌が増殖しているかを確認します。
■鏡検法
採取した検体を顕微鏡で直接観察します。比較的早く結果が得られ、簡単におこなえる検査です。カンジダ菌の有無や量は確認できますが、細かい種類までは特定できません。
■培養法
採取した検体を培養によって増殖させ、カンジダ菌の存在や種類を確認します。菌の形態や特徴を詳しく観察できますが、検査結果が出るまでに時間がかかります。
■PCR法
カンジダ菌の遺伝子を増幅して調べる検査です。高感度で迅速な検査が可能ですが、専門的な設備が必要になるため、できる場所は限られています。
カンジダの検査では、問診や視診でカンジダ特有の症状が確認でき、これらの検査方法でカンジダ菌の増殖が確認されると確定診断になります。
また、カンジダの検査は販売されている検査キットを購入しておこなうことも可能です。綿棒で膣分泌物や性器周囲の皮膚を擦るように採取したり、専用カップに尿を採ったりすることで、検体を採取します。採取した検体を検査機関に郵送することで、後日ネットなどで結果がわかる仕組みになっています。
カンジダの検査は、以下の手順でおこなわれます。主に膣カンジダ症であれば婦人科、男性の性器カンジダ症(亀頭など)は泌尿器科、口腔カンジダ症や皮膚カンジダ症は皮膚科がある病院やクリニックで検査できます。
カンジダの症状や経過、日頃の変化などについて詳しく聴取します。
カンジダの症状が出ている部位について詳しく観察します。腟カンジダの場合は、外陰部(性器周辺の皮膚)の炎症やおりものの状態を確かめます。
膣の中に器具を入れて膣内の状態を観察します。
尿道炎を確認するために尿の状態を調べます。
膣カンジダ症の場合は、綿棒で採取した膣分泌液を使用します。そのほかのカンジダは、症状がでている尿や粘膜、皮膚の一部を採取します。
ほかの病気との鑑別に必要になる膣内のpHを測定します。
採取した検体を鏡検法や培養法、PCR法などで分析し、カンジダ菌の有無を確認します。
膣カンジダ症の場合は、これらの検査により類似疾患(トリコモナス膣炎や細菌性膣炎など)との鑑別もおこないます。
カンジダの検査は、症状が現れている時期におこなうのが適しています。カンジダ菌は常在菌で常に体内に存在しているため、目立った症状がないときでも検出される可能性があるからです。
また、カンジダは主に自己感染が原因で起こる感染症ですが、発症者と性行為をしたときに性感染で発症する可能性があります。その場合は性行為が済んだ24時間以降に検査すると良いでしょう。
採取した検体のカンジダ菌を特定し、詳細な結果を得るには、1週間程度の時間がかかることが多いです。しかし、症状によっては医師の判断で早期に治療を開始することもあります。
カンジダは抗真菌薬で治療するのが基本です。カンジダ菌(カンジダ属の真菌)が体内で異常増殖することで発症するため、カンジダ菌の特性に合った抗真菌薬を投与することで、症状の改善が期待できます。
一般的に使用される抗真菌薬には、フルコナゾールやクロトリマゾールなどがあり、内服薬や軟膏、クリーム剤、錠剤などの形態で処方されます。治療方法は症状の部位や程度によって異なるのが特徴です。
膣カンジダ症の場合は膣錠が用いられることが多く、1週間程度の治療期間が設定されます。膣錠は再発時のみ市販薬で入手することも可能です。口腔カンジダ症の場合は、口腔内で溶かす錠剤やシロップが用いられ、1〜2週間程度の時間が必要になります。
カンジダを完治させるために重要なのは、医師の指示どおりに抗真菌薬を使用し、症状が改善しても指定された日数分の治療を完了することです。免疫力を低下させないように規則正しい生活を送ったり、通気性の良い下着を装着して陰部を清潔にしたりするのも、治癒や再発予防につながります。
カンジダの治し方はこちらでも詳しく説明していますので、気になる方はぜひご覧ください。
カンジダは軽症であれば体の自浄作用により自然治癒することもあります。しかし、完全に治癒するケースは少なく、多くの場合、増殖したカンジダ菌は治療が必要になります。
カンジダの症状が治らないまま放置すると、症状が悪化したり慢性化したりする可能性が高いです。日常生活に支障をきたし、かゆみや痛みのある部分をかくことで皮膚に擦過傷ができることもあります。特に口腔のカンジダの場合は放置することで、食道や肺、血液などにカンジダ菌が増殖し、重篤な症状を引き起こす恐れがあります。
カンジダの症状が続く場合は早めに医療機関を受診することが重要です。適切な投薬をおこない、日常の生活習慣を改めることで完治が期待できます。
カンジダ自然治癒についてはこちらの記事もぜひご覧ください。
カンジダは特徴的な症状や、病変部位から採取した検体の状態を調べることによって診断されます。カンジダ菌の検出は検査から1週間程度かかるため、場合によっては検査結果が出る前に治療が開始されることもあります。
カンジダが発症している場合は、抗真菌薬で治療することがほとんどです。医師の判断に応じて症状やカンジダ菌の特性に合った抗真菌薬が選択されます。自然治癒できるケースもまれにありますが、初めて発症した場合や、症状が長引く場合は早めに医療機関に受診するほうが良いでしょう。
(参考1)一般社団法人 日本性感染症学会「性器カンジダ症」
(参考2)東京都保健医療局「性器カンジダ症」
(参考3)北海道HIV/AIDS情報「5−2カンジダ症」
(参考4)公益社団法人 日本皮膚科学会「日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン 2019」
(参考5)NIID国立感染症研究所「国内でよくみられる侵襲性真菌症〜カンジダ症〜」
(参考6)あおぞら研究所「カンジダ検査キット一覧」
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