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2025.03.31

ドライアイとは | 症状や原因、治療方法や対策方法を詳しく解説

近年では、ドライアイな人の割合が上昇しています。

2011年の研究では、女性の76.5%、男性の60.1%がドライアイ確定、またはドライアイの疑いがあったと報告されています。(参考1)

そのほかにも、国や調査の方法にもよりますが、各国でドライアイの人の割合が増えてきています。(参考2)

また、電子機器の普及に伴って、長時間パソコンなどの画面を注視することによる影響も大きいです。

この記事では、そんなドライアイについて、症状や原因などの概要を解説していきます。

ドライアイとはどんな状態?

ドライアイについては、日々研究が進められています。

中には、ドライアイに関する研究をすすめ、診療の質を良くするために発足した「ドライアイ研究会」という団体もあり、様々な形で貢献しています。

この研究会によると、「ドライアイは、さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」と定義されています。(参考3)

涙液層とは、目の表面を構成する層の一種です。涙液層はさらに粘液・水・油の三層からできています。その涙液層における水分や脂質成分などが不足することで、涙液層の安定性が低下する、すなわち眼が乾燥することが、ドライアイの本質的な状態といえます。

ドライアイの症状

ドライアイの症状としては、

・目がかすむ

・目ヤニがよく出る

・目が痛い、かゆい

・目が疲れやすい

といったものがあげられます。(参考2)

基本的にはドライアイの症状は軽く済みます。しかし、場合によってはより強い痛みや合併症の恐れがあります。また、症状は左右どちらの目にも表れることがあります。

詳しくはこちらの記事で確認できます。

「ドライアイ 症状」内部リンク

ドライアイの原因

ドライアイの原因としては、様々なものがあります。

代表的なものには、コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズの装用があります。コンタクトレンズは涙の上に乗っていて、長時間使用していると涙を吸い上げてしまいます。目の乾燥につながり、ドライアイになりやすいとされています。

詳しくはこちらの記事で確認できます。

コンタクトはドライアイの原因?コンタクトの選び方や対策方法を解説   の記事はこちらから

他にも、パソコンを使用したVDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)作業や、エアコンの長時間使用、シェーグレン症候群のような自己免疫疾患など、原因となりうることは数多くあります。(参考2)(参考4)

詳しくはこちらの記事で確認できます。

「ドライアイ 原因」内部リンク

ドライアイの治療方法

ドライアイの治療法には、点眼薬を使用するものや、涙の排出口に栓をする「涙点プラグ」を用いた治療などがあります。

点眼薬は、症状が軽い場合においては潤いを持たせるために用いられることがあります。人工涙液やヒアルロン酸製剤などで乾燥を防いだり、粘液であるムチンや水分の分泌・産生を促進したりすることで、ドライアイを緩和する効果が期待できます。(参考5)

重度のドライアイで、症状が強い場合は、ステロイド点眼薬を併用する場合があります。

「涙点プラグ」とは、眼の表面から涙を排出するための排出口である、涙点という部位に挿入する栓のことです。涙点プラグを用いることで、涙の排出を抑え、涙を眼の表面にとどめる治療法です。また、この涙点に作用する治療法には、涙点を手術で閉鎖するものもあります。(参考2)

現在、涙点プラグ治療は保険適用のため、治療の選択肢の一つにしやすくなっています。

これらのほかにも、角膜表面についた傷に対して眼軟膏が処方されたり、涙の蒸発を防ぐ保護メガネを使用したりするなど、選択肢は多岐にわたります。

詳しくはこちらの記事で確認できます。

「ドライアイ 治療方法」内部リンク

ドライアイの対策方法

ドライアイの改善には、医療機関で治療を受けるほかにも、以下のような対処法も効果的と考えられています。これらは病院で指導され、自宅でも可能な対処法となっています。

対処法の一つに、まぶたを温める方法があります。蒸しタオルを数分間目に当てることで、目の乾きやかすみなどのドライアイ症状が改善したという報告があり、目の機能が改善したことが分かりました。ホットアイマスクなどを活用して、自宅でも簡単にできる対処法の一つと言えます。(参考6)

また、長時間の電子機器使用を極力控えるようにしましょう。電子機器を用いた作業が続いていると、涙の分泌量が落ちており、涙腺の機能低下と関連しているという報告があり、目の乾きを誘発しやすくなるためです。(参考7)

職場での作業があり、どうしても電子機器を長く使う方もいると思います。厚生労働省もこれに対して「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を定めており、これを参考にして作業環境を整えることも効果的と考えられます。(参考8)

そのほかの対処法について、詳しくはこちらの記事で確認できます。

「ドライアイ 対策」内部リンク

まとめ

ドライアイとは、涙液層の安定性が崩れた状態で、眼の表面が乾燥することによりさまざまな症状がみられます。症状には、目のかすみや痛み、かゆみ、疲れ目などがあげられます。基本的には軽い症状ですが重い症状が出る可能性もあり、注意が必要です。治療法としては、人工涙液などを用いた点眼薬や、涙点プラグを挿入する方法があり、そのほかにも自宅でできる対策としてまぶたを温めたり、電子機器利用時間を抑えたりすることも効果が期待できます。

本記事では、ドライアイの概要についてまとめました。

参考文献

(参考1) Prevalence of Dry Eye Disease and its Risk Factors in Visual Display Terminal Users: The Osaka Study

(参考2) ドライアイ診療ガイドライン

(参考3) 日本のドライアイの定義と診断基準の改訂(2016年版)

(参考4) シェーグレン症候群(指定難病53)

(参考5) アスゲンうるおい点眼薬 添付文書

(参考6) VDT作業者の蒸しタオル装用による目の愁訴,視機能,作業効率改善効果

(参考7) Shigeru Nakamura, “Lacrimal Hypofunction as a New Mechanism of Dry Eye in Visual Display Terminal Users,” 2010.

(参考8) 情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン