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トリキュラーの飲み方 | 飲み忘れた場合の対処方法や効果を解説

トリキュラーは避妊を目的とした低用量ピルで、正しく服用することで高い避妊効果が期待できます。本記事では、トリキュラーの飲み方や飲み忘れた場合の対処方法、副作用や服用時の注意点について詳しく解説します。

トリキュラーの正しい飲み方

トリキュラー錠は毎日一定の時刻に服用することが必要です(参考1)。

なお、経口避妊剤を初めて服用する場合は、月経の一日目から服用を開始する必要があります(参考1)。

服用開始日が月経第一日目から遅れた場合、飲み始めの最初の一週間は他の避妊法を併用することが重要です(参考1)。

トリキュラーには21錠タイプと28錠タイプがあり、それぞれの服用法は以下の通りです(参考1)。

  • 21錠タイプ(トリキュラー21)

1日1錠を21日間連続で服用し(赤褐色糖衣錠から開始します)、その後7日間の休薬期間を設けます。以上28日を一周期とし、29日目からは出血が終わっているか続いているかに関わらず次の周期の服用を開始し、以後同様に繰り返します。

  • 28錠タイプ(トリキュラー28)

1日1錠を28日間連続で服用します(赤褐色糖衣錠から開始します)。以上28日を1周期とし、29日目からは出血が終わっているか続いているかに関わらず次の周期の錠剤の服用を開始し、以後同様に繰り返します。

トリキュラーを飲み忘れた場合の対処方法

もし1日分飲み忘れた場合は(28錠製剤の白色糖衣錠(大)を除く)、翌日までに気づいたならその時点で飲み忘れた分を服用し、その日の分も通常通り服用します(参考1)。

2日以上服薬を忘れた場合、気づいた時点で前日分の1錠を服用し、その後は当日の錠剤を通常の服薬時刻に服用してください(参考2)。その後は、当初の服薬スケジュール通りに服用を継続してください(参考2)。

なお、飲み忘れがあった周期は妊娠率が高くなるため、他の避妊法と併用してください(参考1)。

トリキュラーとはどんな低用量ピル?

トリキュラーとは、女性ホルモンである黄体ホルモンと卵胞ホルモンを含有した錠剤で、正しく服用することにより排卵を抑え、避妊効果が期待できます(参考3)。

経口避妊薬は飲み忘れのない理想的な服用の場合、妊娠する確率は0.3%ですが、飲み忘れを含めた一般的な服用における妊娠率は9%です(参考3)。1周期中で飲み忘れた錠数が増えると、妊娠する確率も増加します(参考3)。

トリキュラーに期待できる効果

トリキュラーに期待できる効果は避妊です(参考1)。主に次の薬効によって、高い避妊効果が期待できます(参考1)。

  • 排卵の抑制:卵子の排出を抑え、排卵が起こりにくくなります。
  • 子宮内膜の変化:子宮内膜が薄くなり、受精卵が着床しにくくなります。
  • 精子の侵入防止:子宮頸管の粘液が変化し、精子が子宮に入りにくくなります。

トリキュラーを服用できない人の特徴

本剤は以下の条件に該当する方が禁忌のため、服用できません(参考1、3)。

  • アレルギーや免疫系の問題がある方

本剤に対する過敏性素因がある方、抗リン脂質抗体症候群の方は服用できません。

  • 原因が特定されていない異常性器出血がある方
  • エストロゲン依存性悪性腫瘍(乳がん・子宮内膜がんなど)、子宮頸がん及びその疑いがある方
  • 血栓症や心血管系の問題がある方

血栓性素因がある方、血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患の既往歴がある方、肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の方、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の方、血管病変を伴う糖尿病(糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症など)の方、高血圧の方(軽度を除く)は服用できません。

  • 前兆を伴う片頭痛(閃輝暗点・星型閃光など)がある方
  • 肝臓の機能障害がある方

重篤な肝機能障害や肝腫瘍がある方、脂質代謝異常のある方は服用できません。

  • 耳硬化症の方
  • 35歳以上で1日15本以上喫煙する方
  • 手術前後や長期間の安静が必要な方

血栓症のリスクが高まるため、手術前4週以内・術後2週以内の方、産後4週以内の方、長期間の安静が必要な方は服用できません。

  • 妊娠中・授乳中の方

妊娠中の方、妊娠中に黄疸や持続性そう痒症、妊娠ヘルペスの既往歴がある方は服用できません。

また、授乳中の方も薬を服用することはできません。母乳中に経口避妊薬の成分が検出されることがあります。また、経口避妊薬は母乳の量・質を低下させることがあるため、授乳期間中は他の避妊法を使用してください。

  • 骨の成長が終了していない可能性がある方

トリキュラーの副作用

トリキュラーの副作用の中で、特に注意が必要なのは血栓症です(頻度:不明)(参考1)。血栓症は、血液が血管内で固まり、血流を妨げる病気です。命に関わることもあるため注意が必要ですが、発生頻度は極めて低いとされています(参考1)。血栓症の主な症状は以下のとおりです(参考1)。

  • 下肢の急激な痛み・腫れ、胸の痛み、激しい頭痛
  • 突然の息切れ
  • 手足の脱力や麻痺、言葉がうまく話せない(構語障害)、急な視力障害

上記の症状が現れた場合はすぐに服用を中止し、医師の診察を受けてください(参考1)。なお、血栓症の疑いで他の医療機関を受診する場合、トリキュラーを服用していることを伝えましょう(参考1)。

また、下肢の疼痛・腫脹・しびれ・発赤・熱感、頭痛、嘔気・嘔吐等がみられた場合も血栓症の疑いがあるため、服用の中止などの処置が検討されます(参考1)。

トリキュラーのその他の副作用

比較的よく見られる副作用には以下のようなものがあります(参考1)。

  • 吐き気(頻度:29.4%)
  • 下腹部痛、乳房の張り、嘔吐、頭痛(頻度:5%以上)
  • 浮腫、体重増加、下痢、腹痛、めまい等(頻度:1~5%未満)

その他にも抑うつ、眠気などの副作用(頻度:1%未満)があらわれることがあるため、ご注意ください(参考1)。

「トリキュラー 副作用」内部リンク

トリキュラーと他の低用量ピルとの違いは?

低用量ピルは、含まれるホルモンの量とその変化の仕方によって「一相性ピル」と「二相ピル」と「三相性ピル」に分類されます。

トリキュラーは、三相性に分類される低用量経口避妊剤です(参考3)。2種類のホルモン(レボノルゲストレルとエチニルエストラジオール)が配合されています(参考4)。これらのホルモンが3段階で変化するため、一相性ピルと比べてより自然なホルモン分泌の変化に近いとされています。

まとめ

トリキュラーは、正しく服用することで高い避妊効果が得られる低用量ピルです。ただし、服用を忘れると妊娠の可能性が高まるため、毎日決まった時間に飲むことが重要です。また、副作用として血栓症のリスクがあるため、服用中に異常を感じたら速やかに医師の診察を受けることが推奨されます。安全に服用を続けるために、定期的な検診を受け、適切な使用を心がけましょう。

(参考1)医療用医薬品 : トリキュラー 添付文書情報

(参考2)用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)

(参考3)経口避妊薬 トリキュラー服用者向け情報提供資料

(参考4)トリキュラー錠21 トリキュラー錠28 総合製品情報概要