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ラベルフィーユの副作用 | 服用時の注意点や正しい服用方法を解説

ラベルフィーユは避妊を目的とした低用量ピルで、正しく服用することで高い避妊効果が期待できます。しかし、メリットだけでなく、副作用や服用時の注意点も存在します。本記事では、ラベルフィーユの服用方法、副作用のリスク、飲み忘れた場合の対処法、そして避妊効果について、詳しく解説します。

ラベルフィーユの代表的な副作用

ラベルフィーユの副作用の中でも、特に注意すべきは血栓症です(頻度:不明)(参考1)。

血栓症とは、血液が血管内で固まり血流を妨げる病気で、命に関わることもあるため注意が必要ですが、頻度は極めて低いです(参考1)。血栓症の主な症状は以下のとおりです(参考1)。

  • 下肢の急激な痛み・腫れ、胸の痛み、激しい頭痛
  • 突然の息切れ
  • 手足の脱力や麻痺、言葉がうまく話せない(構語障害)、急な視力障害

このような症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師の診察を受けてください(参考1)。

また、以下のような症状が現れた場合も、血栓症の可能性があるため、投与中止や追加の医療措置が検討されます(参考1)。

  • 下肢の痛みや腫れ、痺れ、赤みや熱感
  • 頭痛や吐き気・嘔吐

どんなに軽度であっても、上記の症状が現れた場合は必ず医師に相談してください(参考1)。また、血栓症の疑いで他の医療機関を受診する場合、ラベルフィーユを服用していることを伝えることが重要です(参考1)。

他にも、比較的よく見られる副作用として吐き気(頻度:29.4%)や、以下のようなものがあります(参考1)。

  • 下腹部痛、乳房の張り、嘔吐、頭痛(頻度:5%以上)
  • むくみ、下痢、片頭痛、めまいなど(頻度:1%~5%)
  • 眠気、抑うつ症状、食欲不振など(頻度:1%未満)

ラベルフィーユ服用時の注意点

本剤を服用する際は、以下の点に注意が必要です(参考1)。

  • 性感染症の予防にはならない

ラベルフィーユは避妊薬として使用されますが、性感染症を防ぐ効果はありません。HIV(エイズ)、梅毒、クラミジアなどの性感染症から身を守るためには、コンドームの使用が推奨されます。

  • 血栓症のリスクに注意

ラベルフィーユの服用は、血栓症のリスクを高める可能性があります。特に、体を動かせない場合や血圧が上昇している場合、脱水状態や手術などは血栓症のリスクが高くなるケースであり、服用を中止することが検討される可能性があります。

  • 年齢や喫煙による副作用のリスク増大

40歳以上の女性や喫煙者は心血管系の副作用リスクが高くなる可能性があります。なお、35歳以上で一日15本以上の喫煙者の場合は、本剤を服用してはいけません。

  • 検診の重要性

ラベルフィーユは服用者の病歴調査や検診を経て処方されます。服用中は6か月ごとの定期検診が必要です。

本剤投与開始前及び服用中は、1年に1回以上、子宮や卵巣などの検査を実施します。また、1年に1回、子宮頚部の細胞診の実施が考慮されます。

さらに、乳がんの早期発見のために自己検診を行うよう指導されます。

  • 不正性器出血があった場合

服用中に不正性器出血が見られることがありますが通常は時間とともに収まります。ただし、出血が長期間続く場合には、検査を行い悪性疾患ではないことを確認した上で服用を継続します。

ラベルフィーユを服用できない人の特徴

本剤は以下の条件に該当する方が禁忌のため、服用できません(参考1)。

  • アレルギーや免疫系の問題がある方

本剤に対する過敏性素因がある方、抗リン脂質抗体症候群の方は服用できません。

  • 原因が特定されていない異常性器出血がある方
  • エストロゲン依存性悪性腫瘍(乳がん・子宮内膜がんなど)、子宮頸がん及びその疑いがある方
  • 血栓症や心血管系の問題がある方

血栓性素因がある方、血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患の既往歴がある方、肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の方、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の方、血管病変を伴う糖尿病(糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症など)の方、高血圧の方(軽度を除く)は服用できません。

  • 前兆を伴う片頭痛(閃輝暗点・星型閃光など)がある方
  • 肝機能障害がある方

重篤な肝機能障害や肝腫瘍がある方、脂質代謝異常のある方は服用できません。

  • 耳硬化症の方
  • 35歳以上で1日15本以上喫煙する方
  • 手術前後や長期間の安静が必要な方

血栓症のリスクが高まるため、手術前4週以内・術後2週以内の方、産後4週以内の方、長期間の安静が必要な方は服用できません。

  • 妊娠中・授乳中

妊娠中や授乳中の方、妊娠中に黄疸や持続性そう痒症、妊娠ヘルペスの既往歴がある方も服用を控える必要があります。

  • 骨の成長が終了していない可能性がある方

ラベルフィーユの正しい服用方法

ラベルフィーユ錠は毎日一定の時刻に服用することが必要です(参考1)。

経口避妊剤を初めて服用する場合は、月経の一日目から服用を開始する必要があります(参考1)。服用開始日が月経第一日目から遅れた場合、飲み始めの最初の一週間は他の避妊法を併用することが重要です(参考1)。

ラベルフィーユには21錠タイプと28錠タイプがあり、服用は以下のように進めます(参考1)。

  • 21錠タイプ(ラベルフィーユ21錠剤)

赤褐色糖衣錠から飲み始め、1日1錠を21日間連続で服用し、その後7日間の休薬期間を設けます。以上28日間を1周期として、29日目からは次の周期の服用を開始し、以後同様に繰り返します。

  • 28錠タイプ(ラベルフィーユ28錠剤)

赤褐色糖衣錠から飲み始め、1日1錠を28日間連続で服用します。以上28日間を1周期として、29日目からは次の周期の錠剤の服用を開始し、以後同様に繰り返します。休薬期間は設けません。

ラベルフィーユを飲み忘れた場合

ラベルフィーユを飲み忘れた場合の対処法は以下の通りです(28錠製剤の赤色糖衣錠は除く)(参考1)。なお、飲み忘れた周期では妊娠の可能性が高くなるため、その期間中は他の避妊法を併用することが重要です(参考1)。

飲み忘れが1日の場合

もし翌日までに1日分飲み忘れたことに気づいた場合は1錠服用し、その日の分も通常通り服用します(参考1)。

2日以上連続して飲み忘れた場合

2日以上連続で飲み忘れた場合、服用を中止し、次の月経を待ってから再開します(参考1)。

ラベルフィーユの基礎知識

ラベルフィーユは避妊を目的として処方される低用量ピルの一種です(参考1)。なお、飲み忘れなどを含めた一般的な使用では、避妊の失敗率が9%であると報告されています参考1)。

ラベルフィーユは「3相性ピル」と呼ばれるタイプの低用量ピルです(参考3)。1シートに3種類の錠剤があり、決められた順番で服用することで、生理周期に近い形でホルモンバランスを調整します。

ラベルフィーユに期待できる効果

ラベルフィーユを服用すると、以下の作用による避妊効果が期待できます(参考4)。

  • 排卵の抑制:卵子の排出を抑え、排卵が起こりにくくなります。
  • 子宮内膜の変化:子宮内膜が薄くなり、受精卵が着床しにくくなります。
  • 精子の侵入防止:子宮頸管の粘液が変化し、精子が子宮に入りにくくなります。

まとめ

ラベルフィーユは、正しく服用することで高い避妊効果を発揮する低用量ピルですが、血栓症やその他の副作用のリスクがあります。服用中に異常を感じた場合はすぐに医師に相談し、定期的な検診を受けることが推奨されます。

参考文献

(参考1)医療用医薬品:ラベルフィーユ(レボノルゲストレル)  添付文書

(参考2)黄宏駿他, Prog Med., 11, 349-361, (1991)

(参考3)低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)

(参考4)患者向け医薬品ガイド ラベルフィーユ21錠、ラベルフィーユ28錠