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2025.03.25

膀胱炎と性病の見分け方 | 検査方法や治療方法を詳しく解説

膀胱炎は女性に多い病気で、排尿時痛、残尿感、頻尿などの症状があり、重症になると血尿や発熱を伴うこともあります。

原因菌としては大腸菌や腸球菌など、腸の中にいる常在菌が高く検出されます。

膀胱炎は尿検査を行うことで診断ができ、抗菌薬を服用することで比較的短期間で症状が改善されます。

一方、性感染症とは、性行為によって感染を起こす病気の総称です。

性感染症の症状の中には膀胱炎と似た症状があり、膀胱炎と誤診されて治療が遅れることがあります。

膀胱炎と性感染症の症状、治療の違いについて解説していきます。

膀胱炎のような症状で性病の可能性はある?

性感染症のクラミジア感染症や淋病は、膀胱炎に似た症状があります。

淋病は1回の性行為による感染率が30%、クラミジア感染症は30〜50%です。(参考1)

クラミジア感染症や淋病は性感染症の中でも感染例が多い疾患で、多くの場合、自覚症状がありません。

クラミジアや淋病は、尿道に感染し、その後膀胱に広がることがあります。

これにより、膀胱炎と同様の症状(排尿時の痛みや頻尿)を引き起こすことがあるので、中には膀胱炎と思って受診する人がいます。

膀胱炎は女性に多い疾患なので膀胱炎と勘違いして病院に行くのは女性が多いですが、普通の膀胱炎と誤診して放置すると、将来、不妊や流産等の深刻な問題の原因となる事があります。

 一方男性は、淋病・クラミジア感染症になると尿道炎となることが多いです。

クラミジア菌や淋菌自体は非常に弱く、人間の身体の中以外では長く生きることができません。そのため、性行為など粘膜同士の接触で感染し、細菌が体内へ侵入します。

男性の場合は尿道の長さもあり、淋菌やクラミジア菌が膀胱まで広がらずに尿道にとどまることが多いため、尿道炎を引き起こします。(参考1)

膀胱炎のセルフチェック方法

膀胱炎は、膀胱や尿道の粘膜の炎症にともない、痛みや排尿に関するトラブルが生じます。

・排尿痛:排尿時、特に排尿の後半にツーンとした、しみるような痛みがあります。

・頻尿:普段よりトイレに行く回数が多くなります。10分前後の短い時間で尿意を感じることもあります。

・残尿感:排尿後も尿が残っている感じや尿が出きっていない感じがあるなどの違和感があります。

・尿の濁り:炎症による尿中の白血球の増加や炎症部分から剥がれ落ちた組織などが尿に混ざって濁ってみえることがあります。(参考2)

症状を自覚したら医療機関へ受診をし、早めの治療により改善が見込めます。

性病のセルフチェック方法

セルフチェックの方法としては、症状による判断と、検査キットの利用などがあります。

クラミジア感染症と淋病は症状が似ていますが、男性・女性ともに無症状のことも多いです。

女性の場合は膣と外陰部に炎症を起こすことがあるのでおりものや外陰部の症状が見られます。

・おりものの量が増えて、おりものが黄色や白っぽくなり悪臭がする

・下腹部や上腹部に痛みがある

・不正出血がある

・性交時に痛みがある

・尿が近くなる(もしくは出にくくなる)

・排尿後にも関わらず残尿感がある

・のどに痛みや違和感がある

男性の症状としては

・比較的さらっとした尿道分泌物(膿)がでる

・排尿時の軽い痛み

・性器のかゆみ

・のどに痛みや違和感がある

オーラルセックスにより、クラミジア感染症や淋病はのどに感染することがあるので、のどに症状が出るのが膀胱炎の症状との大きな違いです。

しかし無症状のことが多いうえ、かぜの症状と誤診されることもあるので、医療機関へ受診した際には総合的に症状を伝えることが、早期診断と治療につながります。(参考3)

また、近年は自分で行える検査キットが充実しています。

症状があるけれど、医療機関へ受診するかを迷った場合に誰にも知られずに検査ができるのが利点です。

また、自治体によって保健所での検査や電話相談ができることがあります。

検査で感染が発覚した場合や、自覚症状、リスク行為を認識していたりする場合には必ずパートナーと同時に検査を受け、治療を行って完治させましょう。(参考4)

膀胱炎と性感染症の検査方法の違い

膀胱炎の検査方法は主に尿検査になります。中間尿(尿の出はじめと終わりを除いた中間の尿)を使って、尿沈渣法あるいは尿培養を行います。

膀胱炎を繰り返す場合は、血液検査や膀胱鏡などで詳細な検査を行うことがあります。(参考5)

性感染症の検査方法は、女性は子宮頸部をスワブでこすって検体採取、男性の場合は初尿あるいは尿道分泌物を検査します。

また、咽頭部感染は咽頭部をスワブで拭って検体採取をするか、生理食塩水で10〜20秒ガラガラうがいした後に吐き出したうがい液を採取します。

膀胱炎の治療方法

膀胱炎の治療薬には、ニューキノロン系やセフェム系の抗生物質、漢方薬などがあります。

抗生剤

ニューキノロン系抗生物質:レボフロキサシン、クラビットなど

・セフェム系抗生物質:セフカペンピボキシル塩酸塩、フロモックス、ケフラールなど

ニューキノロン系抗生物質は、抗菌力が強く、1日1回3〜4日の服用で膀胱炎が治癒します。

セフェム系抗生物質は、1日3回7日間服用します。(参考6)

漢方薬

猪苓湯、五淋散、八味地黄丸など、利尿作用や抗菌作用があるものが使用されます。(参考7)

性感染症の治療方法

クラミジア感染症は抗生物質を服用することが必要です。

1.ジスロマック(250mg)4錠を1回服用

2.ジスロマックSR成人用ドライシロップ2gを1回服用

 3.クラビット(500mg)1錠を1日1回7日間服用

 4.クラリスまたはクラリシッド(200mg)1錠を1日2回7日間服用

上記のいずれかの治療法が選択されます。

ジスロマックは、錠剤とシロップともに1回で済むので好まれますが、下痢の副作用があります。

妊娠している場合は、クラリスまたはクラリシッドよりも奇形のリスクが低いため、ジスロマックを服用します。(参考3)

淋病の治療は内服薬が効きにくいため、筋肉注射や点滴などで行います。

1.セフェム系抗生剤の点滴投与

2.アミノグリコシド系抗生剤の筋肉注射

3.アジスロマイシンを1回4錠内服(淋病とクラミジアが同時感染している場合に有効)

淋病は薬剤耐性菌が多数あることから、完全に治ったことを確認するため、治療後に再検査を受けることがあります。

基本的に、治療3週間後に再検査を受けて、陰性の結果が出れば完治とみなされます。(参考8)

膀胱炎を繰り返す時の対処方法

膀胱炎の原因は尿道や膀胱に雑菌が侵入することです。予防方法として有効なのは陰部を清潔に保つことと、免疫力を落とさないことになります。

・生理ナプキンはこまめに替える

・尿を我慢しすぎない

・性行為の後に排尿する習慣をつける

・水分を多くとる

・疲労をためない

・温水便座を使いすぎない

・排便後は前から後ろに拭く

・体を冷やさない(特に下半身)(参考9)

まとめ

膀胱炎と性病は、症状が似ていることがあり、互いに関連している場合もありますが、根本的な原因や治療方法は異なります。

淋病やクラミジア感染症を放置すると、子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎、骨盤内炎症性疾患などの症状を引き起こす可能性があり、不妊症の原因になることもあります。

どちらの症状も放置すると健康に重大な影響を及ぼすことがあるため、早期の医療機関での受診が推奨されます。

【参考文献】
(参考1)「性感染症 診断・治療 ガイドライン2016」日本性感染症学会誌 Vol.27,No1Supplement 
(参考2)武村綾奈(浜松医科大学医学部付属病院)「膀胱炎の原因、症状、治し方」小林製薬
(参考3)「クラミジア感染症といわれたら?」健康ひとくちメモ 杏林大学医学部付属病院
(参考4)「性感染症について」東京都性感染症ナビ 東京都保健医療局
(参考5)「尿路感染症」日本臨床検査医学会
(参考6)荒川創一(神戸大学大学院医学研究科地域社会医学・健康科学講座)「尿路感染症の診断・治療・予防-単純性尿路感染症、急性性器感染症を中心に―」
(参考7)「一般漢方製剤・一般用医薬品」ツムラ
(参考8)「淋病感染症の治療」MSDマニュアル
(参考9)「膀胱炎を繰り返す原因と予防策&対処法」小林製薬