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2025.04.27
当記事はデジタルクリニックグループ医師による監修のもと、正確な情報提供に努めています。
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痛風は足の親指の付け根や関節に、突然激しい痛みがあらわれる病気として知られています。深夜から早朝にかけて突然起こることが多いため、対処に困ることも少なくありません。尿酸値が高い方や肥満の方、食生活が乱れがちな方や激しい運動を習慣にしている方は痛風になるリスクが高いため注意が必要です。この記事では、痛風の初期症状や発作が起きたときの対処方法、気になる原因や特徴などについて解説します。
目次
足の親指の付け根、足の甲、アキレス腱の付け根、足関節、膝関節、手関節などに症状があらわれます。足の付け根に起こることがもっとも多く、複数のカ所に同時に症状があらわれることはほとんどありません。どのような症状がどのようにあらわれるのかなど、初期症状について詳しくご紹介します。
発作が起こる前兆として、発作が起こる半日~1日ほど前に関節に痛みを感じることがあります。痛風発作のような激しい痛みはありませんが、ピリピリ・チクチクする不快感に悩まされてしまいます。痛み以外に、ムズムズするような違和感があらわれることもあります。前兆の有無には個人差があり、必ずあらわれるものではありません。発作を繰り返すことで、前兆に気付きやすくなるといわれています。
尿酸が結晶化して炎症を起こすことで、発赤や腫れ、熱感や痛みなどの症状があらわれます発赤は炎症反応によって血管が拡張し、血液量が増加することで生じます。腫れは拡張した血管から白血球などの成分が、組織に漏れ出ることで生じてしまいます。発赤や腫れの程度は人によって異なりますが、目に見えて赤く腫れあがることが多く、突然の変化に驚く方も少なくありません。
発赤や腫れとともに熱感もあらわれます。患部にじんじんとした熱を感じたり、手で触れると他の部位よりも熱くなっています。炎症反応の一つである熱感は、血管が拡張して血液量が増加することで起こり、他の症状とともに炎症が落ち着くまで続きます。
「痛風」という名の通り、風が吹くだけで痛むほど激しい痛みが突然生じます。好発部位である足の親指の付け根に発症した場合には、痛みが強すぎて歩くのが困難になるほどです。深夜から早朝の間に起こることが多いため、激しい痛みで睡眠を妨げられて目覚める方も少なくありません。痛みなどの症状はどんどん強くなり、多くは発作が起きてから24時間以内にピークを迎えます。激しい痛みに耐えられず、市販の鎮痛剤を服用したり医療機関を受診する方も多いのが特徴です。痛みはピークを迎えた後少しずつ和らいでいき、1~2週間ほどすると痛みのピークが去り気にならなくなります。
代表的な合併症に、痛風結節と尿路結石があります。これらは必ず発症するわけではありませんが、尿酸値が高いまま経過すると発症リスクが高くなります。痛風結節は尿酸が結晶化したものが皮膚や関節、耳介などに沈着し、痛みを伴わないしこりを形成する病気です。しこりの大きさは個人差が大きく、豆粒大のものもあればリンゴ大にまで大きくなるものもあります。また、単一でできることもあれば複数できることもあります。しこり自体に痛みはありませんが、指や膝などの関節にできた痛風結節が関節を変形させて動きを妨げたり、神経を圧迫したりするおそれがあるため注意が必要です。尿路結石は尿の通り道である腎臓や尿管、尿道などに結石ができる病気です。できた結石が尿管に詰まると、背中や腰などに激しい痛みがあらわれます。痛風は尿酸値が高いため、尿酸結石(主な成分が尿酸の結石)ができやすくなることが要因です。それだけでなく、シュウ酸カルシウム結石もできやすくなるといわれています。結石によって尿の流れが妨げられると腎機能の低下を招いてしまうため、きちんと治療することが大切です。
尿酸が足の付け根や関節で結晶化し、炎症を起こすことで症状があらわれます。尿酸が体内で過剰につくられたりスムーズに排出できなくなると、血液中の尿酸が増えて飽和溶解度を超え、関節などで結晶化(尿酸塩結晶)してしまいます。そして白血球が異物である尿酸塩結晶を排除しようとするときに、炎症を起こす物質などを放出するため発作が起こるのです。血液中の尿酸値が正常値(7.0mg/dl)を超えている状態を高尿酸血症といい、高尿酸血症があると痛風を起こしやすくなるため注意しましょう。高尿酸血症を起こす要因には、次のようなものがあげられます。
・白子やレバー、干物、肉や魚などプリン体の多いものをよく食べる・果糖が含まれているソフトドリンクなどをよく飲む・飲酒習慣があり、特にビールや紹興酒などプリン体の多いものを好む・暴飲・暴食したり、食事内容に偏りがあるなど食生活が乱れている・体重や体脂肪が多く肥満状態にある・激しい運動をよく行う・ストレスがたまっている
痛風発作は深夜から早朝にかけて突然起こることが多いため、どうすればいいか分からず困ってしまうことも少なくありません。発作が起こったら、症状があらわれている部分を冷やしましょう。患部を冷やすことで、炎症を落ち着かせて症状を和らげることができます。冷水に浸したハンカチやタオルなどを絞ってから、患部にそっと当ててください。氷や保冷剤を使用するときには、肌に直接触れないようタオルなどでくるんでから当てましょう。1回に冷やすのは15~20分ほどを目安にし、患部が熱を持ち始めたら再度冷やすようにしましょう。逆に患部を温めると血流が増加して炎症が強くなるおそれがあるため、温め過ぎないようにしましょう。炎症しているときは熱い湯での入浴を避け、ぬるめのお湯に短時間つかるかシャワーで済ますことをおすすめします。患部を心臓よりも少し高い位置に上げるのも効果的です。高くすることで患部への血流量を減らし、腫れや発赤などの症状を抑えることができます。患部が手足の場合は横になり、手足の下に枕やクッションなどを当てて挙げるのがおすすめです。痛みを軽減するために、常備している鎮痛剤などを服用するのもいいでしょう。痛風は症状が治まるまでに1~2週間ほどかかり再発する可能性も高いため、医療機関で適切な治療を行うことが大切です。早期に治療を開始することで回復を早め、合併症が起こるのを防ぐこともできるため、早めに内科や整形外科を受診するようにしてください。
男性に多くみられる病気で、痛風患者のうち9割以上が男性です。男性に多く女性に少ない理由には、女性ホルモンが関係しています。女性ホルモンには尿酸の排出を促す働きがあるため、女性ホルモンの分泌が多い女性は男性よりも血液中の尿酸値が低く保たれ痛風にかかりにくくなります。しかし閉経後は女性ホルモンの分泌が減少して尿酸値が上がりやすくなるため、女性も油断できません。また、痛風は再発率が高いことでも知られています。適切な治療を行わずに放置すると、半年~1年ほどで再発することが多いといわれています。痛風結節や尿路結石などの合併症も起こしやすくなるため、薬物療法による継続した治療が必要です。薬物療法では、発作が起こっているときは消炎鎮痛剤を使用し、発作が治まってから尿酸値をコントロールする薬の内服を開始します。また、尿酸値の上昇には食生活や飲酒習慣、運動習慣などが大きく影響するため、生活習慣の見直しが欠かせません。痛風について、こちらの記事でも詳しく解説しているのでご参考になさってください。「痛風とは | 原因や症状、予防と治し方を詳しく解説」
痛風の初期症状には発赤や腫れ、熱感や疼痛などがあり、足の親指の付け根や関節などに突然あらわれます。人によっては発作が起こる半日~1日ほど前に、関節がピリピリ痛むなどの前兆を感じることもあります。腫れや痛みなどの症状は、冷やしたり患部を心臓より少し高く挙げたりすることで和らげることができるため、お困りのときに試してみてください。症状は1~2週間ほどで治まりますが、適切な治療を行わないと再発したり合併症を起こすおそれがあるため、早めに内科や整形外科を受診しましょう。
【参考文献】高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン.indb – c00476-1.pdf痛風|原因・症状・対策・予防法|大正健康ナビ|大正製薬「痛風」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
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