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2025.04.14

カンジダはうつる?性交渉を再開できるタイミングや治療期間を解説

女性であれば健康な人でも発症する可能性のあるカンジダ症ですが、周りの人にうつることはあるのでしょうか。カンジダ症は、カンジダ菌が体の中で常に存在している関係で自己感染するケースが多い病気ですが、性交渉などによって周りの人にうつる可能性もゼロではありません。

この記事では、カンジダ症の感染や性交渉を再開できるタイミング、治療期間などについて詳しく解説していきます。

カンジダは他の人やパートナーに感染するか

カンジダは基本的に人から人へ感染する性病とは異なりますが、性交渉でパートナーにうつる可能性がありますカンジダ菌はほとんどの人の体内に常に存在している常在菌であり、感染しても自覚症状がないケースもありますが、特定の条件下で増殖し、症状を引き起こすことがあります。

性交渉でカンジダはうつる?

カンジダは性感染によって相手にうつることがあります。仮に膣カンジダに罹患(病気にかかること)した女性がパートナーと性交渉をした場合、女性から男性にカンジダ菌が移行する可能性があります。コンドームを使用しても感染するケースもあるため、発症しているときは性交渉を控えましょう。

性交渉によって男性にカンジダが感染すると、性器カンジダ症が発症して、亀頭や包皮にかゆみやただれ、発疹などの症状が現れることもあります。特に免疫力が低下している場合や、糖尿病治療薬やステロイド薬を使用している場合は、症状が現れやすくなります。

キスでカンジダはうつる?

口腔内にカンジダが発症している場合、口から口へうつることもありますが、キスで感染するケースは比較的少ないです。しかし、口腔カンジダ症の症状である口腔粘膜の白苔(はくたい:白い苔のようなもの)や赤み、ヒリヒリした痛みなどが出ているときは、キスを避けたほうが良いでしょう。これらの症状が出ている時期はカンジダ菌の増殖が活発であり、感染リスクが高い状態になっています。

お風呂でカンジダはうつる?

カンジダはお風呂で感染することはほとんどありません。しかし、膣カンジダを発症している場合は、陰部を洗いすぎないことが大切です。膣の過度な洗浄は、膣内の自浄作用(膣内の菌の増殖を防ぐはたらき)がなくなり、カンジダ菌の増殖を促す可能性があります。また、入浴後はしっかり乾かして蒸れた状態を避けるようにしましょう。

カンジダになった後の性交渉はいつから可能?

膣カンジダに罹患した場合、完治するまで性交渉を控えることが重要です。性交渉はパートナーにカンジダを感染させる可能性があるだけでなく、自身の症状を悪化させる恐れもあります。適切な治療を受けるために婦人科を受診し、医師の指示に従って治療するべきです。くれぐれもカンジダの治療中に性交渉をすることはやめましょう。

治療開始後は2〜3日で症状が緩和することもありますが、これは完治を意味するものではありません。カンジダ治療は、医師が指示した期間、確実に治療薬を使用し続けることが大切です。症状が消失し、医師が完治したと判断した後に性交渉を再開するのが安全でしょう。

カンジダの治療期間は?

カンジダの治療期間は感染部位によって異なります。具体的な治療期間の目安は以下のとおりです。

膣カンジダ:約6日

口腔カンジダ:7〜14日

食道カンジダ:14〜21日

皮膚カンジダ:14〜21日

症状の程度によっては治療期間が長引く可能性がありますが、医師から指示された抗真菌薬を指定された期間使い切ることで完治が期待できます。膣カンジダの場合は、病院やクリニックでおりものの検査などを行って診断された後、抗真菌薬の膣錠を膣内に挿入したり、膣軟膏を外陰部に塗ったりして治療します。

カンジダの治し方はこちらでも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

カンジダは再発する?

カンジダは再発しやすい疾患として知られています。治療期間中に医師から指示された治療薬を自己判断で中止したり、風邪などの感染症で免疫力が下がったりすると再発することが多いです。

カンジダの再発を防ぐために、日常生活で以下の対策を徹底しましょう。

  • バランスの良い食事を摂取する
  • 十分な睡眠を心がける
  • 過度なストレスをためない
  • 通気性の良い下着を装着する
  • 入浴後は膣を十分に乾かす
  • 同じおりものシートをつけっぱなしにしない

カンジダが発症したときは、適切な治療を受け、完治した後も予防策を続けることが大切です。症状が再発した場合は、自己判断せずにできるだけ早く医療機関を受診しましょう。

まとめ

カンジダは性交渉などによってパートナーに感染することがあるため、膣カンジダを発症した場合は完治するまで性交渉を控える必要があります。膣カンジダの治療期間は6日程で、抗真菌薬の膣錠や軟膏を使用して治療します。

カンジダは医師の指示通りに治療を進めなければ、十分に完治しない可能性があるため、必ず正しい治療方法を守りましょう。カンジダは完治した後も再発する可能性があるため、日常生活の予防策を続けることが大切です。

参考文献

一般社団法人 日本性感染症学会「性器カンジダ症」

東京都保健医療局「性器カンジダ症」

北海道HIV/AIDS情報「5−2カンジダ症」

公益社団法人 日本皮膚科学会「日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン 2019」

NIID国立感染症研究所「国内でよくみられる侵襲性真菌症〜カンジダ症〜」